2015年7月14日(火)23:03
声優業界の舞台裏を描く「それが声優!」主演声優ユニット・イヤホンズインタビュー アフレコ編
7月7日からTOKYO MXほかで放送をスタートしたテレビアニメ「それが声優!」。原作は声優の浅野真澄(あさのますみ)が、「ハヤテのごとく!」の畑健二郎とタッグを組んで世に送り出した同人誌で、現役声優自らが声優業界の舞台裏を赤裸々に明かす内容が話題を呼んでいる。
今回は、そんな「それが声優!」で、メインキャラクターを務める新人声優・イヤホンズの3人を演じ、声優ユニット・イヤホンズとしてもデビューを果たした、一ノ瀬双葉役の高橋李依、萌咲いちご役の長久友紀、小花鈴役の高野麻里佳を直撃。アフレコ後の感想や本作の見どころについてうかがった。
――少し早いですが「それが声優!」放送おめでとうございます! さっそくですが、みなさんが演じるキャラクターについて教えていただけますか?
高橋:私が演じる一ノ瀬双葉は、イヤホンズの3人の中で、一番お仕事がなく、自分の魅力がまだまだわからない女の子です。主人公ということで原作者のあさのますみさんが、一番“新人声優”を投影していて、新人声優のほとんどが双葉ちゃんに通じるものを感じるんじゃないかなと思います。
長久:萌咲いちごちゃんは、芸名で活動していて、“いちご星のプリンセス”という設定を自分の中で作り、“歌って踊れるアイドル声優”を目指しています。なので、当初はキャピっとしたキャラを作っているんですが、新人なのでツメが甘いところもあって……。先輩からツッコまれるとキャラが崩壊して素の自分が出てしまう、どこか憎めないところがある、かわいらしい女の子です。
高野:小花鈴ちゃんは、小さいころから10年ほど子役として活躍していた、イヤホンズで一番長い芸歴を持つ女の子。でも、声優の経験はほとんどない新人声優です。15歳の中学生で、受験まっただ中なので“仕事と学生生活の両立”というほかのふたりとはちょっと違った悩みを持っています。
――ご自身と、演じる役の“ここが似ている”といったところはありますか?
高橋:双葉は、私に限らず、きっと新人声優みんなが「ほぼ全部!」って言ってくれると思います(笑)。新人声優の悩みや不安、現場でのリアクションなど“新人声優あるある”を詰め込んだ女の子なんです。私でいうと……そうだなあ、具体的にはどこが似ていると思う?
高野:双葉ちゃんは服を選ぶときに、バサバサしてノイズ(衣擦れ音)が出ないか確認するんだけど、それはやってそう(笑)。
高橋:(爆笑)やってる! 第1話で、パーカーを着るかカーディガンを着るか悩むシーンがあるんです。バサバサして、ダメだったら「アウト!」って。スタジオに向かうまでのリアクションひとつひとつ、その気合の入れ方がすごく似ていますね(笑)。
長久:ふたり(高橋、高野)と違って、私は地方出身なんです。いちごちゃんも地方から上京してきて、一人暮らしをしている子なので、共通点がたくさんありますね。
いちごちゃんは貧乏で、アルバイトと声優のお仕事を両立させながら暮らしています。一人暮らしの新人声優って、どうしてもおサイフの中身が厳しいので、アルバイトをしないと生きていけないんですよ(苦笑)。なので、サバ缶やツナ缶に頼った食生活にもすごく共感しますね。私も、ツナ缶を使った炊き込みご飯をよく作ります(笑)。
高橋:お父さんも、いちごちゃんのお父さんそのままだよね!!
長久:そうなんです! いちごちゃんは、実家のお父さんがとても応援してくれているんですが、私も関西の両親から(イヤホンズのデビューシングル「耳の中へ」の)「CD10枚買ったで!」って写真が送られてきました(笑)。「それが声優!」の先行上映会にも駆けつけて、ピンクのペンライトを買って参加してくれたんですよ。今日着ている服も、昨日のお父さんとのデートで「明日取材があるんだ」って言ったら買ってくれたものなんです(照)。
高野:鈴ちゃんは、芸歴が長くて、スタジオでもどっしりとしたキモの据わった子です。一方、私は新人で芸歴もないので、似ているところはないかなと思っていたんですが……。ふたり(高橋、長久)や、あさのさんから「しっかりしているところや、現場の落ち着きがそっくり」と言われて、発見できました(笑)。
高橋:スタジオでの空気感が、とても鈴ちゃんっぽいなって。マイク前での姿勢がすごくキレイなんですよ!
高野:鈴ちゃんが実家暮らしなのも共通点ですね。3人の中では、鈴ちゃんだけが実家に住んでいるんです。お母さんに業界のことを話したりするシーンなどは、自分を投影して演じています。
――作品に散りばめられている“声優あるある”に共感できたものはありますか?
長久:これも、ほとんど全部! “あるある”すぎて、私たちの日常で起きるできごとを、そのままアニメにしている、という感じです(笑)。私たちにとっては、あまりにも日常的なことなので、視聴者の方がどこで「へえー」って思ってくれるのかが、逆に気になりますね。先行上映会では、見てくださった方から「現場の空気感が伝わってきて、ドキドキしました」という感想をいただいて、ハッとさせられました。
高橋:“現場の空気感”に注目してくれたのは、ちょっと意外でしたね。声優の現場の空気感を一緒に感じることができるんだ、という本作の魅力をお客さんに気づかせてもらいました。
第1話では、新人声優のあいさつが完全再現されています。先輩がいらっしゃったら、並んででもあいさつして、その後にミキサー室、調整室にも顔を出させていただく。それから、スタジオに入って席を探す、という実際の流れが、そのまま描かれているんですよ。私も実際に、劇中の手順通りアフレコに臨んだので、現場の空気感は本当にリアルに表現されていると思います(笑)。
高野:本作に出演される、各話のゲスト声優の方は、ご自身の役を演じられるんです。第1話には(「ドラゴンボール」の孫悟空役や「銀河鉄道999」の星野鉄郎役で知られる)野沢雅子さんがゲストとして出演されていらっしゃるんですが、「気恥ずかしくて、逆に難しいよね」とおっしゃっていました。あさのますみさんも声優・浅野真澄さん役として、第1話に出演していらっしゃるんですが、同じようにおっしゃられていましたね(笑)。
――大先輩である野沢さんとの共演はいかがでしたか?
高橋:「それが声優!」に出てくる野沢さんのキャラクターのイメージそのままの方でした。あいさつにうかがった際にも、わざわざお席から立って応対してくださったんです。脚本にもそのように書かれていたのですが、実際に現場でも脚本どおりの方だったので、感動してしまいました。第1話が野沢さんで、本当に嬉しかったです。
高野:野沢さんにお会いするのは、がっきゅ(長久)以外は初めてだったんです。私たちはメインキャラを演じる都合上、スタジオの真ん中の方に座らなければいけないんですが「ホントにいいのかな!?」って。でも、そんなガチガチな私たちに、野沢さんが「大丈夫よ」って声をかけてくれたんですよ。そのおかげで、緊張がスッとほぐれました。
長久:私にとって、野沢さんは同じ事務所の先輩なんです。サインを書くお手伝いをさせていただいたこともありました(笑)。なので、私は2人よりは緊張していなかったはずなんですが、収録の際の第一声を聞いてゾゾゾゾゾってなりましたね。大御所と呼ばれる方々の演技を、こんなに近くで勉強させていただけるなんて……すごい現場に来てしまったなと(笑)。野沢さんはご自身の役と、劇中の野沢さんが演じる役の2役を演じていらっしゃるんですが、その切り替えもすばらしかったです。第1話から、たくさんのことを学ばせていただきました。
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