「機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER」中村悠一＆木村良平が語る、“新たな戦いの幕開け”とその先への思い (2)

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――今回の「BANDIT FLOWER」の見どころを教えてください。

中村：特別編には追加カットがありますが、本編と一緒に声を収録していた「DECEMBER SKY」とは違い、今回は特別編のために、あらためて追加収録を行いました。第1シーズンでは「義足野郎！」なんて、公に言ったら社会的に抹殺されそうなセリフを吐いていたイオも、第2シーズン（配信版）ではちょっとおとなしい印象でしたが、追加された雪原の中での戦いでは、イオの戦いにおける本質を再び垣間見ることができたと思います。

木村：僕は断然“アッガイダンス”推しです！　“動作確認”じゃないですよ。“アッガイダンス”です。それも含め、今作でも音楽がしっかりと活用されていて、なおかつ前回よりも、ダリル側の音楽が多く盛り込まれているのが、とてもうれしいですね。でも、イオの方もセッションで演奏をして、楽しそうだなと思っています。

――「サンダーボルト」を語られる際、音楽は欠かせませんか。

木村：音楽は漫画原作からずっと重要な要素で、一見気弱そうに見えるダリルが、音楽という形で自分の世界をもっているというのがおもしろいです。アニメ化されて実際に音楽がついたことで、ダリルサイドの世界観がより完成したように思います。

中村：今作では、イオの「ジャズ」、ダリルの「ポップス」のほかに、南洋同盟の「宗教音楽」が加わり、三つ巴になっています。南洋同盟は宗教色の強い第3勢力ですが、その読経をBGMに落とし込んでいることに驚きました。特に、冒頭で突如として挿入され、不気味な雰囲気を醸し出しているところはインパクトが絶大で、第１シーズンとは一味違うということを表していたと思います。

――新勢力、南洋同盟についての印象はいかがですか。

木村：南洋同盟は“思想”を体現する集団なので、連邦、ジオンよりも一致団結している部分があるでしょうし、そもそも同じ戦場における概念として語っていいものなのかすらわかりません。まるで“蟻（アリ）”のようで、恐ろしい存在です。

中村：南洋同盟は、統一された思想のもと、死を恐れずに襲いかかってくる。こちら側の呼びかけに聞く耳も持とうとしない敵を相手どるという、連邦VSジオンの戦いとは質の異なる戦いの幕が上がりました。まだまだ彼らの本当の姿は見えてきていないので、ぜひ続編を制作していただきたいです。

――ちなみに、第2シーズンで、お気に入りのモビルスーツやモビルアーマーはありますか。

木村：ひさしぶりにプラモデルを組み立てたくらい思い入れがあるサイコ・ザクを除けば、もちろんアッガイです。とてもかわいいので（笑）。グラブロもかっこいいですよね。

中村：「機動戦士ガンダム」から登場しているモビルスーツであるアッガイを、「サンダーボルト」ならではのアレンジで見せているのが、メカニック的な見どころです。水陸両用という、用途に特化した機体にも関わらず、部隊所属機のそれぞれが異なるオプションを搭載することで、汎用性を高めているあたりが、おもしろいなと思います。ほかには、やはりイオが乗るアトラスガンダム。今回は水陸両用機としての活躍でしたが、水中、水上以外での活躍も見てみたいです。サブレッグが可変するというのが最大の特徴ですが、今回はすぐに壊れてしまったので、まだ真価を発揮していないのではと思います。

木村：（すぐに壊れたのは）イオの扱いが雑だったからですよ！

中村：返す言葉もないです……（笑）。

――ファンの方へのメッセージと、今後に期待することがありましたら、お願いします。

木村：今回もいいものが作れたという自負がありますので、みなさんもぜひ楽しんでください。「続きが気になる」と感想をいただけたら、その声が、続編につながるかもしれません。僕らも、その声援に情熱を持って応えていきたいと思っています。その時が来ることを楽しみにしています。

中村：第２シーズンのラストでは、これからの展開のカギを握るであろう、南洋同盟の指導者レヴァン・フウが登場しました。彼がどのようにイオやダリルたちと関わってくるのか、漫画原作の今後の展開も含めて、僕自身とても楽しみです。現段階でお約束できることはありませんが、この先のお話もお届けしたいと願っていますので、まずは「BANDIT FLOWER」をお楽しみいただき、これからも「サンダーボルト」を応援していただけるとうれしいです。

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