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インタビュー 2018年3月3日(土)19:00

「映画ドラえもん のび太の宝島」今井一暁監督 動きそのもので楽しませる工夫と、のび太の見せ場

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3月3日から公開中の「映画ドラえもん のび太の宝島」は、映画プロデューサーで小説家の川村元気氏がはじめて映画の脚本を担当した、シリーズ38本目の長編映画。大泉洋、長澤まさみがゲスト声優として参加し、主題歌・挿入歌を星野源が書きおろしたことも話題の作品だ。テレビアニメ「ドラえもん」の演出をつとめ、本作が長編監督デビューとなる今井一暁監督に、メイキングや「ドラえもん」への思いを聞いた。

――どのような経緯で監督を担当することになったのでしょうか。脚本の川村(元気)さんからのご指名だったそうですね。

今井:「アニメミライ」という文化庁の企画(編注:「若手アニメーター育成プロジェクト」。現在は「あにめたまご」に改称)がありまして、2014年にシンエイ動画さんで「パロルのみらい島」という作品をつくらせてもらったんですよ。それを川村さんが見て、明るくて元気がいいところを気に入ってくださり、今回僕に監督をという話になったと聞いています。

――「パロル」の話はあとでうかがおうと思ってましたが、まさにそれがきっかけになっていたのですね。公開当時、見ておりました。

今井:それはうれしいです。なかなか知名度がない作品なのですけれど(笑)。

――ということは、「パロル」でも「のび太の宝島」でもキャラクターデザインを担当している亀田(祥倫)さんも一緒にというお話だったのでしょうか。

今井:川村さんも、絵は亀田さんでやりたいと話されていましたね。今回のスタッフのなかでは、亀田さんと僕、それから美術もパブロ(※studio Pablo)さんと、「パロルのみらい島」のときのスタッフがコアなところにいて作っている感じなんですよ。パブロさんは手描きの美術会社さんで、だからこそ表現できる画面の明るさやキャラクターの色味などがあるんですよね。

「パロルのみらい島」キービジュアル

「パロルのみらい島」キービジュアル

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――今井監督は、テレビアニメ「ドラえもん」の演出をやられていますよね。その流れで、映画の話がきたのかなと思っていました。

今井:そのあたり、自分ではよく分からないんですよね。おっしゃるとおり、僕はテレビシリーズで各話演出をやらせていただいていて、演出になってすぐ担当したのが「ドラえもん」なんですよ。はじめてコンテを描いたのも、「ドラえもん」でした。

――そうなんですか。

今井:「ドラえもん」って、1話が半パートで11分ぐらいなんです。その短い尺のなかに起承転結をおりこみ、笑えて、完結しているので、やっていてすごく楽しいんですよね。「こうしたい」という自分の考えみたいなものも反映しやすくて、「『ドラえもん』面白いな」と思いながら演出をやっていたんです。
 テレビシリーズでは、1時間番組の「誕生日スペシャル」を毎年9月にやっていまして、それをやってから劇場の監督という流れがわりとあったんですよ。僕自身は、いつか「誕生日スペシャル」をやれたらいいなぐらいのつもりでいて、ちょっと手が遅いほうなので難しいかなと思っていたのですが、そんななか突然、「劇場版の監督に興味はありますか?」という話がきまして。

――それは驚きますね。

今井:「えっ!?」と思いました(笑)。ただ、もともと子ども向け、ファミリー向けのアニメを作りたいと思って、この業界にきていますので、ぜひチャレンジしたいと思ってやらせていただくことになったという流れでした。

――冒頭の海賊がでてくる場面や、のび太たちが空き地でやりとりをする導入が、終始動きまくっていました。「パロル」も、常にキャラクターが走っている印象でしたが、今回いつも以上に動かしていこうと意識されていたのでしょうか。

今井:意識しましたね。アニメーションは動きそのもので楽しめるというのが基本にないと、やっぱり駄目なんじゃないかと常々思っています。極論を言えば、音が何も聞こえなくても動きだけで面白く見れるのが理想かなと。まあ、相当大変なんですけど(笑)。自分自身そういうアニメが好きですし、この業界を目指したのは宮崎(駿)監督などに憧れて入っているところもありますので。また、今回は亀田さんがキャラクターデザインにくわえて作画監督としても立ってくれている安心感がある。すごい動きが描けて、画面をところ狭しに動かすことができる、稀有(けう)なアニメーターさんですからね。

――亀田さんがいたからこそ、これだけ動かしているところがあるのですね。

今井:そうですね、「亀田さんがいるから大丈夫だろう」って。普段だったら恐ろしくて、こんなに動かすコンテにはできないっていうのを、今回はけっこう描いちゃったんですよね(笑)。亀田さんからも、「映画なんだから、もっと(動きを)入れなよ」と言われて、こっちが逆にビビッてしまって「これは大変すぎるんじゃないかな」というものになりました。他の方からも、シチュエーションとしてこういうシーンがあったほうがいいのではとの意見を聞きながらコンテを描いていきました。

――冒頭の海賊とのチャンバラは、目まぐるしいアクションが印象的でした。

今井:冒頭の3分で“That's海賊映画”を全部やっちゃえって思ったんですよ(笑)。本編自体は、帆船で冒険はしていますけど、いかにも「宝島」っていう海賊感みたいなものからは外れていくお話になっていきますので。

(C) 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018

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――そこが本作の面白いところだと思います。本当の“宝”とはなんなのか、物語の終わりでしめされるという。

今井:そうですよね。あと、絵として海賊とずっとチャンバラをしていても面白くないっていうのもありました。100年以上前にスティーブンスンが書いてしまっていますし、ただ冒険していればいいっていうものでもありませんから。今の子どもや大人が見て楽しめるものにするにはどうしたらいいのかは、脚本づくりのときから、川村さんたちと話したところでした。そうしてお話をつくっていき、自然と今のような流れになっていった感じです。

――亀田さんがキャラクターデザインをするにあたって、メインキャラクターから映画用にデザインしなおしているのでしょうか。

今井:「ドラえもん」の映画は、毎年新しくキャラクターを描きおこしていて、亀田さんに一任するかたちで、「こういうドラえもんがかわいい」「こういうかたちでいきたい」っていうデザインを描いてもらいました。それがすごくかわいくて生き生きとしていて、表情もすごく豊かだったので、もうこれでいくのがいちばんいいでしょうとなりました。

(C) 藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2018

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――亀田さんは、「モブサイコ100」など深夜アニメでのお仕事が印象的です。今回ファミリー向けの「ドラえもん」で、しかも劇場作品ということもあり、意気込みはいかがだったでしょうか。

今井:すごく意気込まれていたと思います。「パロル」のときから感じていることですが、本当に器用な方なんですよ。「モブサイコ100」のようなものから藤子キャラまで描けますし、今消えつつある“漫画映画”の感じを色濃く残している、最近なかなかいないアニメーターさんだなと。
 「パロル」のときも、まったく今風ではない獣人たちが主人公で、一切萌え要素がないキャラクターを描いてもらいましたが、そんなキャラでも動きで楽しませてくれて。子ども向けのものができる方だなっていうのは、そのときからもう折り紙つきでわかっていましたので、今回もまったく不安なくお任せできました。

作品情報

映画ドラえもん のび太の宝島

映画ドラえもん のび太の宝島 Check-in1

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