野原家のシロの“心の声”が大塚明夫!?「SUPER SHIRO」で存在感を放つ“ヒーロー語り”とは (2)

大塚が歌い、シロが踊る！
スーパーヒーロー・シロのヘンテコ（？）必殺技
スーパーヒーローに不可欠な要素といえば特殊能力だが、本作でもシロが多数の技を繰り出す。王道の技もあるものの、時には効果ゼロの無意味な技が飛び出す場面も。シロが大真面目な顔でヘンテコな技を披露する姿は、注目ポイントのひとつだ。

スーパービーム！

(C)臼井儀人／SUPER SHIRO 製作委員会

イメージを拡大

――シロが必殺技を使う場面は、大塚さんの渋い声とシロのコミカルな動きのギャップに心をつかまれました。お気に入りの技や能力はありますか。

やっぱり（相手が）小さくなっちゃうスーパービームですね。歌と踊りが出てきますから（笑）。

――大塚さんの「ちっちゃくなっちゃうよ」という歌声に合わせて、シロが踊るのが最高でした（笑）。あの技は何度か出てきますが、毎回歌っていたのでしょうか。

歌に関してはリズムやタイミングあるので、本線とは別で最初に収録したものを使っていますが、その後の「スーパービーム！」というセリフは、その都度叫んでいます。

――歌うことに恥ずかしさはありましたか。

出演が決まってから、仮歌の入った音源が送られてきたので「歌えってことだな。わかりました」と覚えて、スタジオで歌うだけ（笑）。長いことこの仕事をしていますし、キャラソンを歌ったこともあるので、気恥ずかしさがあったのは遠い昔です（笑）。

空を飛べるが…若干速度が遅い

(C)臼井儀人／SUPER SHIRO 製作委員会

イメージを拡大

――ちなみに“シュールすぎる技”を選ぶとしたら？

「飛ぶ能力」でしょうか。（速度が）遅いんです（笑）。

「クレヨンしんちゃん」との親和性
“本家シロ”真柴摩利の魅力が光る
本作を語るうえで、やはり気になるのは「クレヨンしんちゃん」とのつながり。 “つながりを担う人物”といえば、シロ役を続投している真柴摩利。ヒーロー語りとして、「シロの心の声」を務めた大塚が思う“本家シロ”の声の魅力とは!?

――シロの魅力が凝縮された、かわいくて楽しい作品という印象を受けましたが、大塚さんが思う本作における「シロのかわいいポイント」はどこでしょうか。

シロVSデカプー！

(C)臼井儀人／SUPER SHIRO 製作委員会

イメージを拡大

やっぱりシロの声が真柴さんなのが良いんじゃないかなあ。あの少しかすれ気味な声に“シロ感”がすごくある。あとはやっぱりデカプーの役割が大きいですよね。デカプーがいないとお話が成立しないですから。

見ている側は楽しい作品ですが、現場はハードでした。絵がものすごいスピードで動くなかで、タイミングを計ってセリフを入れなくてはいけないので、演じるのはけっこうハードなんです。特にシロとデカプー役の2人は大変です。2匹が走り回るので、“セリフじゃない音”をアドリブで入れっぱなしなんです。

――確かに、シロとデカプーは鳴き声や息遣いなど、終始なにかしらの“音”を出していますね。

絵がよくわからない段階でやることも多いので、「タイミングを計ろうにも背景がよくわからない」といったこともありました。真柴さんと勝くんは負担が大きかったと思います。タイミングを合わせることを一番求められるので、2人が一番きつかったと思います。

――そんなハードな現場で、ヒーロー語りとして「シロの心の声」を務めた大塚さんと“本家シロ”真柴さんの間で、シロについて語り合うようなことはあったのでしょうか。

特にありませんでした（笑）。彼女とは古い付き合いですからね。

(C)臼井儀人／SUPER SHIRO 製作委員会

イメージを拡大

――「シロを演じる同士」のような空気感もなく？

それもないですね。やっぱり俺の方はメインの役回りがナレーターという感覚なんですよね。「シロの心の声だから」と演じてはいたのですが、どこかシロとは乖離（かいり）している感じがありました。

――そういった独自の距離感も、本作の魅力のひとつになっているのかもしれませんね。

そこの部分のバランスは、やはり湯浅総監督の手腕ではないでしょうか。

前のページへ 1 2 次のページへ