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イベント 2016年9月9日(金)08:00

高畑勲監督「レッドタートル」完成度にご満悦 宮崎駿監督が語った“3つの思い”とは

高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーに 挟まれ喜ぶマイケル・デュドク・ドゥ・ ビット監督

高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーに 挟まれ喜ぶマイケル・デュドク・ドゥ・ ビット監督

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スタジオジブリが海外の作家のプロデュースに初挑戦した長編アニメ「レッドタートル ある島の物語」の完成披露舞台挨拶が9月1日、 東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、オランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督、アーティスティックプロデューサーを務めた高畑勲監督、鈴木敏夫プロデューサーが出席。高畑監督と鈴木氏の間に立ったビット監督は、開口一番「びっくりしています。1つは日本の皆さんに見ていただけること。もう1つは2人の巨人に挟まれていること!」と喜びを爆発させた。

8分の短編「岸辺のふたり」で英国アカデミー賞短編アニメーション賞を獲得しており、同作に魅了されたという鈴木氏が長編アニメの制作を依頼。オファーから10年をかけて完成した本作は、無人島に辿り着いた男が主人公。島からの脱出を図るも失敗し、絶望する男の前にひとりの女が現れる。

ビット監督がオファーを受ける条件として提示したのは、「制作全般に対して、高畑勲監督から助言を受けること」。これを受け、本作に参加した高畑監督は「アーティスティックプロデューサーという名前は立派だが、そんな役割はできていない。自分が監督するんじゃない作品に、途中の過程で意見を言ったりするのが初めての経験だった。不安もあった」と述懐。そのうえで、本作の完成度を「大変嬉しかったし、安心した。非常に優れた作品ができたんじゃないかと思いました」を絶賛。さらに「彼は個人的なスタイル。それまで1人で作ってきているわけだから。チームでやることができるか、いろんな心配と不安があったが、それを見事に乗り越えた。おめでとう。素晴らしい仕事をしてくれてありがとう」と10年間の努力をねぎらった。

一方の鈴木プロデューサーは、ビット監督がスタジオジブリを訪問した際に宮崎駿監督が伝えた“3つの思い”を明かした。「1つは10年間、本当に粘り強く頑張りましたねと。ねぎらいの言葉でしたね。10年の間にはいろいろあったんだろうから、くじけそうになった時もあったでしょうと。でもそれを最後までやり通したのが、まず第1に素晴らしいと」。さらに「2つ目は、僕も聞いていて新鮮だった」と続け「いま、世界のアニメーションの情勢は、良い意味でも悪い意味でも日本のアニメーションの影響を与えている。あなたの作品を見る限り、日本の影響を一切うけていない。それは見事である」という称賛の言葉を明かす。

そして3つ目の話は、宮崎監督のアニメーターとしての真意だったという。「いま、日本の状況は手描きからCGへと移行する転換期。そうした時に、ジブリもそれをどう選択するか、厳しい選択を迫られている」という前置きのうえ、「彼はアニメーターだから、うらやましかったんでしょうね。本作を見ながら、『素晴らしいスタッフと作品を作っている』『このスタッフがほしい』『このスタッフがいれば俺もやれるかな』と僕にもらした。引退したんですから考えてほしいんですがね(笑)」と語った。

「レッドタートル ある島の物語」は、9月17日から全国公開。

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