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インタビュー 2017年5月24日(水)20:30

櫻井孝宏&宮野真守、SF漫画の金字塔「BLAME!」への挑戦 (2)

いざ収録が始まると、プレスコならではの“手探りの部分”に面白さを見出し、声優陣はアニメ化への期待を高めていった。

宮野「セリフまわし、登場人物の口調が時代ものっぽいところが面白いと思いました。映像がないので、感覚的には時代劇をやっている感じ。受け答えする時も『ヘイ!』みたいな(笑)。武器の名前が“打銛(うちもり)”だったり。そういった要素が、どのようにSFと融合するのかが楽しみでした。完成したものは、SFの世界観なのに、セリフまわしや質感がクラシカルでびっくりしました。プレスコだからこその驚きがありましたね」

櫻井「そのシーンがどういうシチュエーションなのか、出演者みんなで『こうしよう、ああしよう』と(イメージを)作っていきました」

(C) 弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

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一方、役へのアプローチは、1人1人異なるものだったという。宮野は、捨造の「立ち位置や役割ははっきりしていた」と解説する。「暗黒の未来で当たり前のように育ってしまい、そこで一生懸命生きていくしかない若者。これは人間としての心理や行動原理なので、ある意味、霧亥という特殊な存在に比べると難しさはないというか。人間として何をどう感じるか、突然やってきた霧亥という“異分子”にどう接していくのか。若者たちのリーダー的な存在なので、彼らをどう導いていくのかというところを作っていきました」。

(C) 弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

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対して、霧亥はセリフが少なく心情描写も一切ないため、声優の力量が試されるキャラクターだった。難役に挑んだ櫻井は、「原作の知識はあったので、『こういうビジュアルになるのかな』とイメージしながら、芝居の参考にもしました。無口で、あまりしゃべらないキャラクターですが、台本上はもうちょっとセリフがあったんです。監督の提案で、収録しながらセリフをそぎ落としていく作業がありました。そのやり取りが、キャラクター性を見出すヒントになりました」と述懐する。

劇中で霧亥が何度も口にする言葉が、役作りの最大のヒントになった。「彼は『“ネット端末遺伝子”を持つ人間を探している』と繰り返し言う。それが目的なので『そのために一生懸命に旅をしているんだな』と。その一点でしたね(笑)。目的は一個だけということが、すごく大きい。極論ですが、そこだけ守っていればいいかなくらいに思っていました」。

宮野は、「これを成立させられるのは、声優界に櫻井孝宏だけ」と羨望の眼差(まなざ)しをおくる。「キャラクターとしての感情の持っていき方が難しい役。どこにポイントを置くか、どういう気持ちで(声を)発するかとか。やっぱり櫻井さんの演技の説得力はすごいなと改めて感じました」と賞賛すると、櫻井は「いやいやいや! 現場では『省エネだ、省エネだ』って結構いじられていましたけど(笑)」と照れくさそうに応じていた。

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BLAME!

BLAME! 12

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