「機動戦士ガンダム サンダーボルトDS」英語音声版上映会に海外キャストが熱いメッセージ

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東京・テアトル新宿で開催中のサンライズ作品の上映イベント「サンライズフェスティバル2017翔雲」で8月15日、「機動戦士ガンダム　サンダーボルト DECEMBER SKY」の英語音声・日本語字幕版上映とスタッフトークショーが行われた。

「機動戦士ガンダム　サンダーボルトは、「機動戦士ガンダム」で描かれた一年戦争を背景に、ジオン公国軍のリビング・デッド師団に所属する兵士ダリルと、地球連邦軍ムーア同胞団のイオが繰り広げる宿命の戦いを描く物語。「DECEMBER SKY」は15年から16年にかけて配信された、第1シーズン（第1～4話）のディレクターズカット版となっている。

ステージには、音楽を担当する菊地成孔、小形尚弘プロデューサー、サンライズで海外プロモートを担当する萩野あかねが登場し、同作の制作秘話や海外での反響などを披露。小形が「アメリカでは、色のない状態の作品に声を当てることが一般的ではない」、萩野が｢アメリカでの収録は1人ずつ行われるので、日本の3～5倍時間がかかってしまう」と、日本と米国の文化の違いを明かしたほか、海外版キャストやスタッフからの映像メッセージも公開された。

英語版音響監督のステファニー・シェーは「『サンダーボルト』は、これまでに私が携わってきた『ガンダム』作品とは違い、ダーティで暗いが、それが物語をとてもおもしろくしている」とコメント。ダリル・ローレンツ役のジョニー・ヨン・ボッシュは「僕がダリルについて好ましく思っているのは、彼のパーソナリティ。彼は、彼の周りの人のために戦う。周りの人のことを気にかけて、彼らのために何だってする。細かい理由や説明を必要とせず、ただ、すばらしい人物なんだ」と、自身が演じる役柄への共感を明かした。また、クローディア・ペール役のシェラミー・リーは、「私が『ガンダム』のキャラクターを演じるのは、『鉄血のオルフェンズ』のクーデリア役から数えて2回目。クローディアは強さと激しさを持ったキャラクターで、私自身いままでこういった低い声でキャラクターを演じたことがなかったので、大きな挑戦でした。その一方で、大きな痛みを背負ってもいる。そんな彼女の脆（もろ）さも、知ってもらえると思います」と話している。

さらに、菊地が「イオ・フレミングスはオールディーズアメリカンポップス、そのライバルのダリルはジャズが好きだという設定があったので、2人のiPodの中身を作るというコンセプトで楽曲制作を始め、やがて、ポップなものより攻撃的なほうが作品に合うんじゃないかと思い至りました。そうしたインスパイアのもとになったのがフリージャズです。途中で切り替わる電子音は、宇宙のイメージを持った作品に出てくるような音楽をイメージしています」と、楽曲制作の舞台裏を明かす一幕も。

「今作では、西海岸のロサンゼルスと、東海岸のニューヨーク、両方の役者を使っています。映画、ニューヨーク・ブロードウェイ、ミュージカル……さまざまな役者が参加しました。たくさんのキャラクターが登場し、そして死んでいく『ガンダム』のキャスティングは、とても大変なんです」と苦労を語るステファニー。その甲斐あってか、ジョニーは「ステファニーとの仕事はとてもエキサイティング」と満足げ。ステファニーは英語版「機動戦士ガンダムUC」では声優としても出演していたということで、その経験が存分に活かされた収録になったようだ。

国内では11月18日から2週間限定上映がスタートする、第2シーズンのディレクターズカット版「BANDIT FLOWER」にも話題が及んだ。シェラミーは「アメリカでの『サンダーボルト』への反応は『これが俺が求めていたガンダムだ』とか『クールでダークでリアルで、何と言っても、音楽が最高すぎる！』とか、すばらしいものばかり。私たちも、続編の制作をとても楽しみにしています。私自身、大好きな作品なので、できればもっと続いてほしいです」と期待を寄せた。

最後は、菊地が「こんな地球規模のコンテンツはなかなかやれないので（笑）、まだ戸惑っていますが、おかげさまでファンの方々に支持していただいております。自分で言うのもなんですが、今回もいい作品に仕上がったと思いますので、ぜひ楽しみに待っていてください」と呼びかけ、上映会の幕を引いた。

同イベントで披露された「BANDIT FLOWER」インターナショナル版トレーラー映像は、YouTubeで公開中。