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イベント 2018年8月25日(土)19:00

押井守監督が自著「シネマの神は細部に宿る」会見で熱弁 「誰にでもひとつはフェティッシュがある」

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押井守監督の著書「シネマの神は細部に宿る」の発売を記念したトークショーが8月21日、TSUTAYA TOKYO ROPPONGIで開催され、トークショー前の押井監督が取材に応じた。

押井監督は、2017年に上梓した「誰も語らなかったジブリを語ろう」の打ち上げで、酔っ払いながら、映画ライターの渡辺麻紀氏と新著に関する構想を語り合ったことが執筆のきっかけになったと、同書の出版の経緯を説明。渡辺氏は「シネマの神は細部に宿る」でもインタビュアーを務めている。

渡辺氏との対談について、押井監督は「特に新しい発見はなかったですね。僕と麻紀さんは、見てきた映画がほとんど同じだけど、見ている部分が違うんだろうなと予想していて。まさに、それがもくろみ通りだった感じです」とニヤリ。両氏の対談では恒例となっている、押井作品の定番要素“おかっぱ頭の美女”についての話題がなかったことについては、「麻紀さんが忘れていただけです(笑)。そのことについて、もう一度話そうと提案もされたのですが、ひとつくらいは謎があってもいいだろうと伝えました。おかっぱ頭について話すだけで、本1冊分になっちゃいますし」とおどけてみせた。

押井監督が、映画のフェティッシュについて語る同書。では、押井監督自身が手がけた作品には、どのようなフェティッシュが潜んでいるのだろうか。そんな質問に、押井監督は「それはもう、フェティッシュの塊ですよ。自覚があるわけじゃなくて、後から人に言われて気付くことも多いのですが。アニメーションの場合は、自分の理想を形にしてしまうので、キャラクターにフェティッシュが表れやすいんです」と回答。「特に女性キャラクターに関しては、自分の理想の女性しか描けないものですが、アニメーターが描きたい顔と、私が描いてもらいたい顔は必ずしも一致しないので、よく衝突してしまいます(笑)。一番もめたのは、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の草薙素子です。私は筋骨隆々の女性を登場させたかったのですが、アニメーターからはそんなものは描きたくないと言われて。それでもマッチョな女性の写真集や資料をかき集めて、筋肉が収縮する動きにいたるまで表現してくれと伝え、最終的に『これだ』というものが仕上がりました。自分の身体を破壊するシーンには、自己愛の究極的なものを感じて最高ですね」と自身のフェティシズムを熱弁した。

「紅い眼鏡」や「ガルム・ウォーズ」など、実写映画も手がけている押井監督。実写作品のキャスティングについては「女優を選ぶ基準としては、やせていること、ショートカット――できればおかっぱ――であること。加えて、銃が似合うことです」と条件をあげ、「『THE NEXT GENERATION パトレイバー』でカーシャを演じた太田莉菜さんは、ロシア系ハーフだけあって、AK(ロシア製の自動小銃)がよく似合う。『東京無国籍少女』に出演してもらった清野菜名さんも、銃剣がよく似合っていました」と振り返った。

最後に、押井監督から「誰にでもひとつはフェティッシュがあると思うんです。女優さんだったり、俳優さんだったり。どこからでもいいので、ひとつでも気になることがあったら、好きなところから読んでみてほしいです」と自著をアピールした。

作品情報

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 6

超高度ネットワーク社会の中で、より高度・凶悪化していく犯罪に対抗するために政府は、隊長・草薙素子少佐を始めとする精鋭サイボーグによる非公認の超法規特殊部隊を結成。公安9課「攻殻機動隊」の誕生であ...

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