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インタビュー 2018年10月4日(木)18:30

「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」小野大輔と鈴村健一が長い“航海”を振り返る SFアニメの金字塔を次の世代へ (2)

(C) 西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202製作委員会

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――神谷さんの存在は、収録現場にも大きな影響を与えていると。神谷さん演じるキーマンも、同様に物語全体に関わってくる重要なキャラクターですね。

鈴村:78年の「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(以下「さらば」)には登場しなかった、キーマンの存在は非常に大きい要素です。「2202」序盤の大まかな流れは「さらば」と同じですが、キーマンたち新キャラクターが、わずかな違和感になっている。その小さなズレが、後々とても大きな相違として現れてくる仕掛けなので、彼の動向にはぜひ注目していただきたいです。

小野:「2199」では、デスラーとの邂逅は1度きりで、古代とデスラーが言葉を交わしたことはほとんどないんです。古代は「異星人ともわかり合える」という矜持をもっていますから、直接対話することになるガミラス人であるキーマンは、古代が異星人を理解するための文字通り“キーマン(鍵となる人物)”です。ただ、キーマンは地球人に対する見方が、ガミラス側からの視点なので、言い方がいちいちキツイ(笑)。そこに、古代も反発してしまう部分があって、その「理解したいんだけど、理解したくない」という葛藤は、なんとなく僕もわかる気がします。でも、実はキーマンのほうから、積極的にアプローチしてくれているんですよね。有無を言わさず「ヤマトに乗せろ」って言ってきていますし。

――テレビ放送で新たに「2202」に触れる視聴者の方に、どのように作品を楽しんでもらいたいですか。

小野:平成最後の年になったこの時代ですから、そもそも「ヤマト」を知らないという方もたくさんいらっしゃると思います。でも、「さらば地球よ」からはじまる、“あの歌”なら知っていると思うんです。歌詞にあるので、ヤマトが旅をする理由も、みなさん漠然とですが、ご存知なのではないでしょうか。「2202」を楽しむための予備知識としては、それで十分です。「2202」では、歌の中で語られたイスカンダルへの長い旅はすでに終わっており、また新たな航海に出る理由がいちから語られますから、第1話をご覧いただければ、それだけで楽しんでいただけると思います。また、生粋の「ヤマト」ファンのみなさまにとっては、ご存知の「さらば」とは似て非なる、新しい物語になっています。アプローチの仕方や表現がまったく違う一方で、「さらば」に対するオマージュも盛り込まれている。そして、もちろん「2199」からのファンの方々にとっては、お待たせしましたの続編。三者三様の楽しみ方ができる作品なので、とにかく「何も考えずに、まずは見て!」と言いたいです。

鈴村:神谷くんは「『ヤマト』はもはや古典である」と言っていました。つまり「桃太郎」や「金太郎」などと同じような、日本人誰もが知っている作品なんだと。そうした古典について、実は詳細を知らないというのも、よくあることだと思います。かく言う僕も「金太郎」の筋書きは、パッとは思い浮かびませんしね。「ヤマト」は、そうした人々のDNAに刷り込まれた古典になりつつも、伝説の始まりの目撃者たちが現役という、とても稀有な作品なんです。
 そんな古典作品のリメイクにあたっては、旧作を完全にトレースしたり、逆にエッセンスだけを抽出したりして、まったく違う物語を生み出すこともできたと思います。でも、その双方を両立させているあたりが「2199」と「2202」のすごいところなんです。誰が見ても“今のヤマト”が見られる。旧作のファンのみなさまにも「これはヤマトだ」と言っていただけると思いますし、「ヤマト」を知らず、民話のように思ってきた方には「これがヤマトか」と感じていただけるでしょう。

――では、すでに劇場で第5章まで見ているファンの方には、テレビ放送をどのように楽しんでいただきたいですか。

鈴村:それはもう、ホームパーティですよ。友だちを集めて、ドヤ顔で、先の展開をほのめかしてあげてください。

小野:ひとりニヤニヤするんですね。なんだか嫌なヤツみたい(笑)。

鈴村:先の展開を知っている人だけに許される醍醐味です。深夜の放送ですから、もうタコ焼きも食べないで、お酒だけで楽しんでもらいたいですね。

小野:まさかのタコパ!? でも、劇場での上映を見ていただいた方には、そうして、どんどん友達に広めていただきたいです。「映画見に行こうぜ」は言いにくくても、「今テレビでやっているから見ようぜ」なら切り出しやすいと思いますし。テレビで放送されるというのは、そういった広がりがあるということなんですよね。普段あまりアニメを見ない方にも「チャンネルを変えたら、たまたまやっていた」というようなところから入ってきていただけるかもしれない。「ヤマト」を知らない方に、作品に触れていただく、またとない機会なのかなと思います。

鈴村:放送時間帯もちょうどいいですしね。日本人は“逆境”に打ち勝つ物語が大好きですから。仕事で疲れて帰ってきた夜に、一息つきながら「ヤマト」を見る。「2202」は「がんばることはカッコイイ」と感じさせてくれる作品だと思っているので、きっと明日への活力になるはずです。

――最後に、放送に向けてメッセージをお願いします。

鈴村:劇場で見たかったけど、残念ながら足を運べなかったというみなさま、テレビで見られます。劇場とまったく同じクオリティのものを楽しんでいただけますので、お見逃しなく! 「2199」を見ていない方も、「2202」からでも理解できるようになっています。「2202」を見て、もし「2199」にも興味を持っていただけたなら、ちょうど見放題配信がスタートしていますので、そちらも楽しんでいただきたいです。「ヤマト」の世界観にドップリと浸ってください。

小野:みなさま、お待たせいたしました。ついにテレビ放送がはじまります! このクオリティのアニメ作品を、毎週テレビで楽しんでいただける喜びは、僕自身感無量です。これまで、僕たちは「宇宙戦艦ヤマト」というSFアニメの金字塔を、次の世代に語り継いでいくという使命を帯びて、「2199」から「2202」まで「ヤマト」に携わってきました。このテレビ放送をきっかけに、「ヤマト」をはじめて知ってくださる方や、今までよりもっと「ヤマト」を好きになってくださるファンの方々もいらっしゃると思います。“この艦”のクルーを増やしていって、「ヤマト」がもつ普遍的なおもしろさ……“愛”を、次世代に伝えていけたらいいなと思っています。

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宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち

宇宙戦艦ヤマト 2202 愛の戦士たち 19

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