斉藤壮馬＆小野賢章、「うちタマ?!」現場でかわいさ探求中　「かわいいのに攻めてる」って何？ (2)

ハートと声帯の強さがあれば…かわいいは作れる？

――やはり本作において「かわいさ」は重要なんですね。動物ならではの、あざとさのない“無自覚のかわいさ”を出すのは難しそうですが、心掛けていることを教えてください。

(C)ソニー・クリエイティブプロダクツ／「うちタマ?!」製作委員会

イメージを拡大

斉藤　ここはやはり……賢章さんお願いします！（笑）

小野　作れます！　かわいいは作れると思ってます（笑）。……やっぱりやりきるしかないですよね。心が折れたら終わり、「あれ、今何やってるんだろう」と思った瞬間に負けなんです（笑）

斉藤　爆笑

(C)ソニー・クリエイティブプロダクツ／「うちタマ?!」製作委員会

イメージを拡大

小野　普段の自分とはかけ離れているので、“自分とのつながり”みたいなものを持たせようとするとダメなんです。だから、普段の自分はどこかに捨てて、かわいいをテーマに最大限やりきるという。……だから、だいぶ追い込んでます（笑）。汗をいっぱいかきながらがんばってます。

斉藤　わかります！　ものすごく汗かきますよね。

小野　自分がそれを聞いてかわいいと思えるかどうか。それしかないので、「俺はかわいい。かわいい、かわいい！」と言い聞かせて演じています。

――まずは気持ちから、ということですね。技術的な工夫はありますか？

小野　（熟考しながら）技ですか……声帯を大事にする！　そして前日からしっかり準備することです（笑）

斉藤　（笑）。でも、これは本当にその通りなんです。2人とも地声よりかなり高いキーで演じているので、細かな表現がしづらいんです。

小野　だからこそ声帯の維持が重要なんです。一番意識していることかもしれません。

――だんだん小野さん流の「かわいいの作り方」が見えてきましたが、斉藤さんは「小野賢章のかわいい演技の秘訣」はどこだと思われますか？

(C)ソニー・クリエイティブプロダクツ／「うちタマ?!」製作委員会

イメージを拡大

斉藤　僕は「うちタマ?!」の収録で、高い音の出し方を賢章さんから学び、出し方のパターンが増えました。賢章さんとのかけ合いのなかで、「なるほど、こういうのどの使い方をすると聞こえ方が変わるのか」と気づき、最初の頃よりも声が出しやすくなったとも感じています。具体的に言うと、僕は強引に高い音を出していたのですが、賢章さんは力を抜いてフッと（キーが）上にいく時があるじゃないですか？

小野　あるある。

斉藤　これなんです！　僕は、この出し方が一番かわいいんじゃないかと。フッと最高音にいくと、かわいいんです。でも、テクニックが求められるので、簡単にできるものではない。だから、覚悟を持ってかわいいを作っていらっしゃるなと。

小野　覚悟を持って作ってます（笑）。

――斉藤さんは、小野さんからかわいさを学んでいるとのことですが（笑）、そんな斉藤さんがかわいく演じるうえで大切にしていることはなんでしょうか？

斉藤　先ほどの「演じるうえで意識していること」に通じますが、タマは人ではないので、猫ならではの性格を出した方がかわいいだろうなと考えています。例えば「音がしたから、あっちに行く」「お腹が空いたから人の家のごはんを食べる」など、タマが無邪気にふるまうことが「無自覚のかわいさ」なんじゃないかと思うんです。だから、「基本、人の話はあまり聞かないし、自分の望みに忠実」という部分をベースに持ってきて、あとは「声だけはいかにかわいくできるか」。そうすることで、結果的に「人の姿をした猫が自由に生きてる。かわいいな、癒されるな」と思っていただけたらうれしいです。

――小野さんから見て、斉藤さんの「かわいい演技」はいかがですか？

小野　今の壮馬くんの話の通り、「タマのキャラクター性を生かすことでかわいく見せる」ということを的確にとらえていると感じます。だから、タマの自由さや、かわいくない瞬間までかわいく見えちゃう。「かわいいだけじゃないかわいさ」に挑戦しているなと思います。

かわいい役を演じる者同士、現場では息ぴったり！

前のページへ 1 2 3 次のページへ