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インタビュー 2020年9月2日(水)19:00

GRANRODEOに聞く、ニューシングル「情熱は覚えている」に込めた思いと、結成15周年目の新たな挑戦 (2)

「情熱は覚えている」通常盤ジャケット

「情熱は覚えている」通常盤ジャケット

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――「Scorn」には蔑みといった意味あいがありますよね。

KISHOW:世のなかに蔑みって必ずあるものですから。でも、逆説的にそれを受け入れながら、そういうところとは違うところで生きたい。無縁でいましょうと。でも、「Scorn」なんて、これまでタイトルに使わなかったようなフレーズですよね。なんならおいしそうな……。

――アフタヌーンティと一緒に出てきそうですね。

KISHOW:でも、この違和感もアリになってくると思うんです。そもそもバンド名であるGRANRODEOも、僕らはしっくりきてなかった(笑)。意外とあとからなじむものなんですよ……。いやそれにしても、「Scorn」って(笑)。「それでは聴いてください……『Scorn』」みたいな。

――(笑)。

KISHOW:ライブで曲紹介は絶対しないです。「では、次の曲……」にします。笑っちゃうから。そういう変な曲ですね。コンセプトは完全にLAメタル。実験的なことをやりたかったから、歌ってみたんです。

――LAメタルについては、思い入れがあるのでしょうか。

e-ZUKA:僕はど真ん中ですね。ただ、ジャンルそのものがあいまいなんですよ。そもそも、LAメタルのカテゴライズ自体、日本人が使っているだけなんです。僕が好きなのはドッケンとか、ラットなんですが、このあたりはLAメタルと言えるかなと。ラットなんていま聴いたら地味ですけど、当時は「なんだこれ、すごくカッコいい」って……いや違うな。「クール!」って思っていたんですよ。

――たしかに、ドッケンもラットもLAメタルを代表するバンドとされていますよね。

e-ZUKA:そう。でも同時期に活動していたヴァン・ヘイレンをLAメタルっていう人はあまり見ないですから、あの当時のバンドが全部LAメタルではないんですよ。モトリー・クルーが髪の毛を立てて化粧をしてって格好をしたから、みんな真似ていった。その流れに沿っているバンドがムーブメントになって、それを日本でLAメタルと呼んだ、みたいなことだと思います。

――では今回の楽曲はドッケンやラットのような、e-ZUKAさんがイメージされるLAメタル感が出ていると。

e-ZUKA:いや、どちらかというと、KISHOWがイメージするLAメタルに近いと思います。具体的に言うとモトリーですね。「Live Wire」とか「Looks That Kill」のような初期のオマージュしにくい曲ではなくて、「Kickstart My Heart」なんかのわかりやすいイメージです。自分はそんなに詳しくなかったのですが、KISHOWはそっちが好みだったんですよね。

――「Scorn」の冒頭で「マママママママ!」とシャウトされていますが……。

KISHOW:あれはまさに(モトリー・クルーのボーカル)ビンス・ニール兄さんからですね(笑)。

e-ZUKA:(KISHOWは)こういうのがいいんだと。それで得心がいったんです。「ああ、これもまたLAメタルなんだろうな」って。なので、そのあたりのイメージはかなり取り入れています。ほかにも、LOUDNESSがデビューしたときは、LAメタル全盛の時期だから、ギターにはその影響も出ています。

――LOUDNESSは日本のヘヴィメタルバンドですが……。

e-ZUKA:LOUDNESSもアメリカで売れようとして、そっちのサウンドに似せていきましたからね。一方で、どうしてもにじみでてしまう日本人らしさがあって、それがオリジナリティでもあったのですが、さすがにそこはオマージュしてもしきれない部分でした。でも、そのあたりをどういう塩梅で構築していくのか、試行錯誤は楽しかったですよ。「遊んでいる」くらいの感覚ですかね。がんばっているんですけど、やりすぎるとダメになってしまう。

――遊びの範囲ぐらいがちょうどいいと。

e-ZUKA:どうしても「ここのリバーブはもうちょっとやった方が、LAメタルらしいのでは?」とか、どんどん似せようとしてきちゃってね。何をやっているのか(笑)。でも……言っちゃなんですけど、俺、オマージュの仕方がうまいなって!

――(笑)。LAメタルの流れを知らない方が聴いても、格好いい曲として受け入れられそうに感じました。

e-ZUKA:若い子には元ネタもわからないでしょうが、きっと気に入ってくれると思います。それでルーツをさかのぼって聞いていくのもいいでしょうし。あとお父さんお母さんの世代だとなつかしいなって思われるかもしれないです。ぜひいろいろな楽しみ方をしてもらえるとうれしいですね。

――それにしても歌うのが大変そうな楽曲ですよね。

KISHOW:正直、ライブで歌える自信がないですよ……(笑)。

――かなり高音だと思うのですが、楽曲をつくられていて、KISHOWさんの声のどの部分を活かすかは考えられるのですか。

e-ZUKA:いい声になっている音程にしたいなとは思いますね。KISHOWは、そのいい声になる部分が年々高くなるんですよ。最近、録る前にキーあわせだけはするのですが、本人も「どっちがいい?」と聞くと、だいたい「高いほう」と言うんです。ただ、「Scorn」についてはギターのリフからつくったので、「これじゃなきゃ嫌だ」と自分から先に提示していました(笑)。だからそれを半音下げてやるか、レギュラーでやるか、その2パターンだけ送ったのですが、レギュラーチューニングのほうが明るくなりますからね。そのかわりめっちゃ高いんですけど(笑)、そのあたりも聴きどころになっています。

「GRANRODEO Tribute Album "RODEO FREAK"」ジャケット

「GRANRODEO Tribute Album "RODEO FREAK"」ジャケット

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――トリビュートアルバム「RODEO FREAK」についてもお聞きします。GRANRODEOの楽曲を9組のアーティストがカバーする豪華なアルバムでした。

KISHOW:僕は以前からこういう企画をやってほしかったんですよ。いままでこちら側からカバーさせてもらうことはあったのですが、逆はなかったですから。できあがったものを聴いて、9組のアーティストの方々それぞれ「ああ、こうきたか」と感じて。意外だった方もいたし、「うんうん、君らはそうだよね」といった納得もありました。ワクワクしましたね。うれしい体験をありがとうと、あらためて9組の皆さんに伝えたいです。

――超特急さんの「BEASTFUL」なんて、テンポから違いますものね。

e-ZUKA:そう。聴きすぎてそっちのテンポに慣れちゃって、原曲がわからなくなるんです(笑)。みんな自分の得意とするところにもっていって個性を出すんですよ。おくびにも出さないけど、きっと心の中では「GRANRODEOより絶対格好よくしてやろう」と思っていたんじゃないかな。

――(笑)。

e-ZUKA:僕らがトリビュートに参加するときも、少なからずそういう思いがあるんです。本家のファンには怒られないよう変えすぎずに、ですけれど。

KISHOW:お互いのファンが、お互いの楽曲に興味をもってくださればと思いますね。俗にいう、Win-Winというやつです(笑)。誰も損しないのが、トリビュートアルバムのよさですよ。

――GRANRODEO自身のアルバムとしては11月4日発売のシングルコレクション「RODEO BEAT SHAKE」も話題です。これまでシングルリード曲だけを集めたアルバムはあったのですか。

KISHOW:ないですね。だから今回は今までのベスト盤とはまた違った観点で制作されたアルバムなんです。

e-ZUKA:正直シングルコレクションって、ファンはほしがらないと思っていたんですよ。みんなもっているはずだからと。でも、Twitterとかを覗くと、意外にそうでもないんですよね。ですから、ほしい方にはすごくお得だと思います。シングルをすべてもっている方でも新曲が入っていますしね。

――完全生産限定のAnniversary Boxの特典も魅力的ですよね。

e-ZUKA:ライブ音源がついてきたり、先日のオンラインライブ(「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~」)がBlu-rayに収録されていたり、ファン投票で決めた曲のMusic Clipが入っていたりと盛りだくさんです。オンラインライブも無料でやってよかったなと思って。

――デビュー曲の「Go For It!」が2005年リリースで、そこから15年経つと声質も変化するかと思います。今聴きなおして、KISHOWさんに気恥ずかしさみたいなものはありますか。

KISHOW:気恥ずかしさですか……。でも、15年前だって30歳くらいでしたから。これが23ぐらいの自分だったら恥ずかしいでしょうけど、そこまではないかもしれないです。いまだに録り直したいなとは思いますけど、それはそれで当時のままがいいって声もあるでしょうからね。

――録りなおしたいお気持ちもあるのですね。

KISHOW:でもまあ、よっぽどでないかぎり歌い直さないほうがいいと思っています。今回はその当時の空気に想いをはせながら聴いていただきたいので。

「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~」ライブ写真(カメラマン:キセキミチコ)

「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live ~たかが15年~」ライブ写真(カメラマン:キセキミチコ)

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――「Go For It!」などとても懐かしさを感じるのですが、先日のオンラインライブを拝見すると、「I・G・P・X!」とコールしていましたね。

KISHOW:そうそう。「IGPX」のフレーズについてよく「どういう意味なの」と聞かれるんですよ。……あのね、アニメ作品の名前だよって(笑)(編注:「Go For It!」は、アニメ「IGPX Immortal Grand Prix」のオープニングテーマ)。

――その質問をした方にとっては、アニメのタイトルではなくて、GRANRODEOの曲のワンフレーズとして認識されているのでしょうね。

KISHOW:あのオンラインライブ は、ありがたいことにいろんな方から感想がきたんですよ。「すごくよかったよ」って。うれしいなと思いますよね。自分たち自身戸惑いもあって、最初はリハくらいの感覚でいればいいのかなとか思っていたのですが、どこかでスイッチが入ったんですよね。

――見ていて、テンションがどんどん上がっていくのが分かりました。

KISHOW:本当にやってよかったと思います。普通のライブを終えたくらいの感じでしたから。ちゃんと充足感も達成感もありました。意義のある一歩だったと思います。今後もこういった配信などでいろんなことが成立するといいなと思いますね。そうやって、どんなときでも必要としてくれる人たちの励ましになれるような存在でいたいと思います。

――視聴者のコメントも盛り上がっていました。

KISHOW:うれしいですよね。今度はモニターをこっち側に向けて、実際にお客さんを見ながら歌いたいです。いま、NBAが再開して無観客状態なのですが、パネルを置くことで、実際にモニターで見ているお客さんの顔をコートに向けている試合があるんですよ。そういうことができれば、無観客でも「おお、見とるな見とるなあ」となりそうですね。

――そうした方法でできると、さらに面白そうですね。

KISHOW:でも今回も、最後のほうはお客さんの顔が僕にはちゃんと見えてましたよ。アドレナリンが出すぎていただけなのかもしれませんけど(笑)。

■商品情報
GRANRODEO
アニメ「バキ」大擂台賽編OPテーマ「情熱は覚えている」
9月9日発売

初回限定盤 CD+BD 1900円+税
品番LACM-34008

通常盤 CD 1200円+税
品番LACM-24008

▼INDEX
CD
1. 情熱は覚えている
2. Scorn
3. 情熱は覚えている (OFF VOCAL)
4. Scorn (OFF VOCAL)

BD ※初回限定盤のみ同梱
情熱は覚えている (Music Clip)

■リリース予定
GRANRODEO Singles Collection “RODEO BEAT SHAKE”
11月4日発売

完全生産限定Anniversary Box (3CD+BD)  9000円+税
品番LACA-39790~2

通常盤 (2CD) 3200円+税
品番LACA-9790~1

アニメハック公式Twitter、フォロー&RTプレゼントキャンペーン
<賞品>
「GRANRODEO」KISHOWさん、e-ZUKAさんサイン色紙、1名様
<応募期間>
9月2日~10月4日23:59
<応募方法>
1.アニメハック公式Twitterをフォロー。
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