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インタビュー 2020年12月28日(月)19:00

「裏世界ピクニック」花守ゆみり&茅野愛衣が意識した心の距離と“女の子同士の嫉妬” (2)

(C)宮澤伊織・早川書房/DS研

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――原作小説は「百合SF」として知られています。女性同士の関係性という点で、感じられたことがあったら聞かせてください。

茅野:冴月という鳥子が探している女の子がいて、その子のことで空魚がすねたりするんですけど、そういうところは「女子あるある」かなと思いました。(花守さんに)女の子同士の嫉妬ってない?

花守:学生時代によくある、3人友達の関係性にちょっと近いかなと思いました。

茅野:大人になるとあまり出てこない感情かもしれませんが、女の子はある年代までグループをつくりがちで、それが3人になると「誰がいちばんの友達なんだ」みたいな気持ちを感じたことのある女の子はたくさんいるんじゃないかと思います。

花守:空魚には、鳥子にたいする執着のようなものが無意識のなかにあるのかなとも思いました。鳥子が探している冴月を勝手にライバル視して、振り回されている感じがあって。

茅野:鳥子が「空魚が冴月の存在に嫉妬している」と素直に分かればいいんですけど、彼女は鈍感だから気づいてあげられないんですよね(笑)。そこが見ていてほほ笑ましくて、かわいらしく映るところにもなっていると思います。嫉妬って、あまり見たくないものとしてネガティブなイメージに思われるかもしれませんが、空魚と鳥子の関係においては、より魅力的にみせるスパイスになっているんじゃないかと私はとらえています。

――花守さんは百合要素について、どのように考えられましたか。

花守:こんなことを言ったら怒られてしまうかもしれませんが、私は百合という言葉を切り離して作品をとらえるところからキャラクターづくりをはじめました。百合というと、どうしても恋愛方面に考えてしまいがちなので、さきほどお話したような執着というところから考えながら演じていったといいますか。空魚の過去を考えると、一度すべてが崩れたことによって人と関わることをすべて拒絶していたんじゃないかと思うんです。そこに鳥子という存在があらわれて、自分のなかに強引にこじ開けてはいってきたから執着せざるをえなかったのかなと。

(C)宮澤伊織・早川書房/DS研

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――執着が空魚を演じるときのキーワードだったのですね。

花守:自分を定義するものが自分しかいなかったところに、唯一の他人である鳥子が入ってきて、自分以外の定義するものが生まれてしまった。そこに執着してしまい、冴月や、自分に好意を寄せてくれている(瀬戸)茜理に対してすらも、自分の片割れである鳥子を奪われてしまうかという強迫観念のようなものが生まれてしまっていると思うんですよね。それでひねた言動をしてしまうところがあって、今の状態で鳥子を失ったら自分が消えてしまうかもしれないぐらいの気持ちで役をつくっていたところがあります。……こんなふうに話すと「女性同士の怖い話だな」って思われちゃうかもしれないですけど。

茅野:大丈夫、なかには怖い話もあるから(笑)。

――PVを拝見すると、たしかに2人のやりとりには切迫感のようなものが感じられました。

花守:難しいバランスなんですよね。今お話したような部分が見えすぎても「ただ好きな人」になってしまいますから、そこに「そんな自分を認めたくない」という相反する気持ちも入れることで、見えている部分が最小限になる。そこだけを見ると「やさしい百合」に見える部分もあるのかなと自分では感じています。

――映像は制作中とのことですが(※取材時)、PVなどの映像を見ての感想を聞かせてください。

茅野:何がおこるか分からない裏世界での迫りくる恐怖が、繊細に描かれているなと思いました。佐藤監督が絵も音もやってらっしゃることもあって、表現したいことが明確でブレがないんですよね。ストレートに入ってくる感じがあって、怖いものが苦手な人でも見られる間口の広い作品になっていると思います。制作途中の1話を見せていただいたんですけどギャグとシリアスのバランスが絶妙で、音楽的にも面白い表現がいろいろあって、2話以降も楽しみになりました。

花守:本編まで伏せておくのではなく、PVで「こういう作品ですよ」とストレートに種明かしされているなと感じました。平和な一面だけを切りとるのではなく、仄暗い世界観や未知と接する部分がしっかり描かれていて、直球に勝負をしかけていくんだなと。演じていても、未知の怪異と対峙する恐怖感や、そこで2人が対処することで心の距離が縮まっていくところがいいなと思っていたので、うれしかったです。ホラーとしての面白さもありながら、次回の2人の心の動きが気になっていく引きがあるんですよね。

茅野:(心の距離が)近くなったと思ったら、また離れていくみたいな駆け引きがあって、すごく魅力的な作品になっていると思います。

――花守さんは本作に登場するネットロアをご存知だったそうですね。

花守:怪異の説明は話数ごとにしていただきましたが、学生時代に読んだことがある話が多くありました。怖い話をまとめた小学生向けの本などが図書室に並んでいて、それで読んだことがある人も多いんじゃないかと思います。

茅野:怖い話ってみんな好きですよね。「怖いものみたさ」という言葉のとおり、「ここを開けちゃいけないよ」と言われると絶対開けたくなるじゃないですか。私も花ちゃんも怖いものは得意ではなくて、アフレコが終わって夜道を一緒に帰るとき、神社の前をとおるだけでなんだかドキドキしてしまうことがありました。

花守:収録が終わった緊張感が残っているからか気がはりつめていて、「わっ、何かが横切った!」と思ったら虫だったこともありました(笑)。ほとんど2人で録ることができたので、そんなことも楽しい思い出です。

――花守さんはキャンプの作品に続いて、本作でピクニックの作品も演じられることになります。しかも同時期に放送がはじまるという。

花守:そうなんですよね(笑)。

茅野:キャンプして裏世界に行くんじゃないよね?

花守:行かないです(笑)。

――花守さんのなかで、キャンプの次はピクニックみたいなことが頭をかすめたりしたのかなと思いました。

花守:最近、知り合いからアウトドアにめちゃくちゃ誘われるんですよ(笑)。まわりの人やファンの方も、よくネタにしてくださいます。2つの作品は味わい方が全然違いますので、もしこの作品を機会にアウトドアを好きになっていただいたとしても、怪異にはあわないように気をつけていただきたいです。

茅野:怪異対策に、岩塩を持ち歩いてもらうといいよね。

花守:キャンプをする方も持ち歩いているかもしれませんが、お清め用としても持っておくといいかもしれません。

茅野:岩塩の塊を(笑)。

花守:投げる用と料理用の両方もっていくといいかも……って、なんの話でしたっけ。

――すみません。ムチャぶりな質問に答えていただいてありがとうございます。

花守:2つの作品のポイントは岩塩ということで、よかったら持ち歩いてみてください(笑)。

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