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特集・コラム 2021年3月26日(金)19:00

【明田川進の「音物語」】第47回 芝居が“棒読み”に聴こえる理由と時代の変化

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新人や声優プロバーでない人の芝居が全体に上手くからんでいないとき、「棒読みのようだ」という言われ方をします。何をもって棒読みと感じるかは時代とともに変化している部分があって、僕自身、以前はそれらがすごく気になっていた時期がありました。

独特の抑揚をつけた、いわゆる“アニメ声”のキャラクターが多くいるなかで、劇団出身の人などが自分の芝居をしようとして、それが上手くからまないと棒読みだと感じていました。昔はやっぱりアニメ声がベースにあって、そこにリアルな方向の芝居が入ってくると棒読みに聴こえてしまったんです。そんなときは「もっと感情をだしてください」なんて言っていましたけど、今は逆ですよね。全体的にリアルな芝居づけのほうが主流になってきていて、僕がディレクションをするときも、「自分がそのキャラクターだったとして、そういう芝居をしますか?」という言い方に変わってきています。

この連載で何度も話していることですが、棒読みについても、キャラクターとして相手のセリフをちゃんと聴いて、会話できるレベルで演じられているのかということなのでしょう。そこで自分の芝居だけ飛びぬけていたり、自分のセリフだけを言ってしまっていたりして会話が成りたっていないとき、棒読みに聴こえてしまうのだと思います。映像から空間の距離感をつかんで、相手との間(ま)やセリフへの応じ方をきちんと計算してやれていますか、ということです。

声の芝居は自分の表情が出ませんから、意識してセリフに気持ちを載せることも大事です。そのために自宅でどんな練習をしたらいいですかと聞かれたとき、自分ひとりで練習をする場合は、自分の芝居を毎回録音して聴きなおしてみましょうとよく言います。自分なりに芝居をし、録音したものを聴き直してフィードバックすることが大切で、それによって自分の芝居が少しずつ変化していく過程が少しでもあれば向上の可能性があるけれど、ずっと同じままだとはたしてどうかな……と思います(笑)。

これまでの話とは別に、棒読みと言われる芝居の一部は「味のある芝居」とも言えて、そこは紙一重だと思います。アニメの話ではありませんが「北の国から」の田中邦衛さんの芝居も、最初に聴いたときはみんな「ええっ」と感じたはずです。それが今ではあの感じでないと田中邦衛さんではないというふうになっている。インパクトのある芝居だから最初は棒読みに感じてしまうという、聴く側の慣れのケースも多いはずです。

明田川 進

明田川進の「音物語」

[筆者紹介]
明田川 進(アケタガワ ススム)
マジックカプセル代表取締役社長、日本音声製作者連盟理事。日本のアニメ黎明期から音の現場に携わり続け、音響監督を手がけた作品は「リボンの騎士」「AKIRA」「銀河英雄伝説」「カスミン」など多数。

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