2026年5月30日(土)19:00
【前Qの「いいアニメを見に行こう」】第66回 「ポンスカ」こと「ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話」は今期のダークホース的快作

(C)横田卓馬・講談社/ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切な JK の話製作委員会
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「あんまりいい言葉じゃないよなぁ」と思いつつ書きますが、今期のダークホースだと思います、「ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話」。すこぶるおもしろい。それもなんというか、(この連載でたびたび書いている)「テレビアニメらしいおもしろさ」でよいのです。丁寧に作っているけれども、過剰ではない。ポイントをおさえて、センスでおもしろくしている感じ。テレビアニメが映画の分割放送みたいな作品ばかりになったらイヤなので、こういう作品にきちんと光を当てていきたい所存です。
作品のジャンルはいわゆる学園ラブコメです。作品の中心は、超堅物なのに学業はからっきしなポンコツ風紀委員の桜大門統悟と、ピュアな中身をギャルファッションに包んだ小日向微笑(「微笑」と書いて「ぽえむ」と読む)。一見すると正反対に思えるけれども、実は本質的なところが似通ったふたりの高校生が心の距離を縮めていく様子を、テンポよくコミカルに描いていきます。
この作品、キャラクターのギャップの作り方がとにかく上手い印象です。主役のふたり以外も、微笑の友人で明るく能天気だけど恋愛が絡むとちょっと変態的なところのある秋名素子と、クールで穏やかな外面の内に情熱的なオタク気質を秘めた田崎類。桜大門の友人で、元ヤンキーで言動は今も乱暴だが、ケガ人や病人の面倒見が抜群な出淵遊。普段は水◯し◯る作品に登場するサラリーマンのような冴えない姿だが、本に囲まれているとキザなセリフを口にするイケメンへと変貌する月島聖一(境界線をまたぐたびにシームレスにふたつの姿を行き来する様子は、声を演じる福山潤さんの怪演もあって妙に笑えます)。鍛え抜かれたゴージャスな肉体の持ち主である破天荒な美人生徒会長の大和撫子と、その幼なじみで筋骨隆々、巌のような身体をした生徒会副会長で大金持ちのボンボンな古郡薫のコンビ。いずれも一度作品に触れたら忘れられないインパクトがあります。そしてメインのふたりだけではなく、素子と遊、撫子と薫といったサブキャラ間でもラブコメ的な人間関係があるのも、いいところ。いろいろな意味で、展開が華やかです。
原作コミックは少年マンガらしい線の太さがあって、濃い画作り。アニメでのキャラクターの描き方は、線の力強さやポスターカラーを思わせるようなカラーリング、ざっくりとした影の付け方などで原作由来のニュアンスは残しつつ、全体としてはポップなテイストにまとめています。動きもいいです。ギャグはリアクションが大事ですが、ほしいところにちゃんと芝居がある。無闇矢鱈と動かしているわけではないけど、画面が止まっている感じがしない。絵コンテ段階での巧みな設計と、それに応える充実したアニメーター諸氏の仕事ぶり。アクションシーンでは力の入った、大胆なアクション作画も飛び出します。背景美術のデザイン的な処理もグッドです。オシャレですし、ライトなラブコメによく合っている情報量だと思います。緻密な写真的背景だったりすると、この作風にはちょっと重い気が。こういうところの判断に、監督の手腕のたしかさを感じます。
とにかくテレビアニメとしてのバランスがいい。構えずに、何気なく再生して、「アハハ」と笑っているうちに、気がついたら時間が経って、疲れも忘れている……そんな作品です。こういうテレビアニメが本当に好きなので、もっと増えてくれたらと思いますね。はい。
前Qの「いいアニメを見に行こう」
[筆者紹介]
前田 久(マエダ ヒサシ) 1982年生。ライター。「電撃萌王」(KADOKAWA)でコラム「俺の萌えキャラ王国」連載中。NHK-FM「三森すずことアニソンパラダイス」レギュラー出演者。
作品情報

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桜大門くんは、毎朝校門の前で生徒たちの身だしなみをチェックしている風紀委員。微笑(ポエム)ちゃんは、毎朝チェックで呼び止められるスカート丈が不適切なJK。水と油のような二人が、ある日補習でばった...
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