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特集・コラム 2020年10月23日(金)20:00

第33回東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門のご紹介 プログラミング・アドバイザー藤津亮太氏インタビュー (2)

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」

(C)暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会

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●作品の世界観を表すアニメの美術

――もうひとつのテーマ「2020年、アニメが描く風景」を設定した理由についても聞かせてください。

藤津:近年のアニメ、特に劇場アニメでは、どういうスタイルで美術を描くかが大きなテーマであり、挑戦するポイントになっていると思います。写真を参考にしたようなフォトリアルな雰囲気に仕上げることも可能ですが、リアルだけではない“絵の魅力”をどのぐらいの幅で取り戻すか。そして、それを作品の内容とどうマッチさせるかということが、いろいろなかたちで挑戦されるようになってきているという印象が僕のなかにあって、「今、風景がアニメで大事である」というテーマをつくることで、上映とマスタークラスをセットでできないかと考えました。
 例えば、上映作品のひとつ「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は、架空の風景をリアルに描くという面白いアプローチをしています。また、「サイダーのように言葉が湧き上がる」は、風景を1980年代のイラスト風に描いているのですが、描いているのはアメリカの西海岸ではなく、ショッピングモールがある日本の田舎であるというのが面白い。「ぼくらの7日間戦争」は北海道の風景を描きつつ、旧廃坑を大きな舞台に設定していることが物語の成果にもつながっている。そんなふうに3作それぞれの特徴と狙いがあります。
 マスタークラスでは、特別招待作品の「ジョゼと虎と魚たち」「魔女見習いをさがして」も加えつつ、「魔女見習いをさがして」の佐藤順一監督にも登壇していただけることになっています。ベテランの佐藤監督には、時代の変化もふくめてアニメで描かれる風景の変遷についてお話をうかがえればと思っています。

――アニメの美術について考えるとき、どんなところに注目して見るとよいでしょうか。

藤津:アニメの美術は、その作品の世界観を表しています。よく言われることですが、画面を占めている面積がもっとも多いのは美術で、ふだん我々はキャラクターを注目して見ていますが、画面の印象をうけもっているのは背景の力がとても強いんです。また、さきほどお話した作り手の狙いという点でいうと、現代のアニメの美術には考えるべきパラメーターが3つあると思います。空間がきちんと描けていること、絵として魅力的であること、ある程度実景と重ねてみせられること。この3つのパラメーターを作り手がどう割り振っているかを意識しながら作品を見ると、マスタークラスの話をより楽しんでいただけると思います。

●シンプルに面白い作品が集まった

――「かわいいともだち」というカテゴリで、昨年スマッシュヒットを記録した「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」と、来年4月放送の「どすこい すしずもう」ワールド・プレミア上映の2本がラインナップされています。この2本を並べた狙いについても聞かせてください。

藤津:「どすこい すしずもう」をプレミア上映できることになったとき、昨年話題になった「すみっコぐらし」とあわせてミニ特集のようにすれば、未就学のお子さん向けのゾーンにもなるし、今回の「ポケモン」「スーパー戦隊」とも「キャラクター」という点で呼応して、いいかなと思ったんです。こうした頓知を使うところも僕の仕事の一環で、1作だけだと浮いてみえそうなところをテーマに沿ったものに調整するのもプログラミング・アドバイザーとしての役割でした。
 「すみっコぐらし」は、すみっコぐらしのキャラクターたちが童話の世界を旅するという子ども向け作品らしい正統なつくりで、「本の中に入る」「本から出て行く」というギミックが感動的なラストにつながっています。シンプルな作品だからこそ胸を打つ仕掛けになっていて、気になっていた方はこれを機会に劇場で見ていただければと思います。この作品も美術が凝っていて、各世界で絵のスタイルが変わるんですよね。アニメーションとしても楽しい作品になっています。

――アニメーションの画面を構成するキャラクターと美術をテーマとして設定して、セットで掘りさげていく枠組みが秀逸だなと思いました。そこも狙いとして考えられていたのでしょうか。

藤津:そこは結果としてですね(笑)。「日本のアニメーションが何を表現しているのか」を伝えるのが「ジャパニーズ・アニメーション」部門の役割だと捉えて大きな柱を設定し、これまでとは違った切り口になるようにラインナップを調整しながら反射的にカテゴライズしていったら、自然とキャラクターと美術というテーマに分離していった。そういうことだったのかなと思います。
 ラインナップが出そろった今思うのは、僕が何かしたというより、シンプルに面白い作品が集まったなということです。見逃した作品がある方、特別招待作品を一足先に見たい方はもちろん、どれも発見のある見応えのある作品ばかりだと思います。そして、なぜこの作品が選ばれたのだろうかと思った方は、マスタークラスを見ていただけると、より理解が深まるはずですので、あわせて気にかけていただけるとうれしいです。

アニメハック編集部

「第33回東京国際映画祭(TIFF2020)」ニュース一覧

[筆者紹介]
アニメハック編集部(アニメハック編集部)
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第33回東京国際映画祭 (TIFF) Check-in1
開催日
2020年10月31日(土)
場所
六本木ヒルズ、日比谷エリア 他(東京都)

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