あの日の心をとらえて
2022年9月13日更新
- あらすじ
- 20XX 年、先端技術によって自然を保護する地方の町。幼少期の主人公・流斗と幼なじみの美智がひまわり畑まで駆けてくる。咲き乱れるひまわりを前に、手をつなぐ二人の姿に「この景色をずっと一緒に」という声が重なる。流斗と美智は、小さな頃からこの町で仲良く過ごしてきた。特にひまわり畑で過ごす時間は、2 人にとってかけがえのないものだった。しかし、中学2 年生のある日、美智が都市部に引っ越すことで離れ離れに。流斗は慣れない都市部に引っ越した美智を気にかけ、メールを送り、美智は流斗を心配させまいと「新生活にも慣れて、友達もたくさんできた」と強がった返信をするが、実際は学校の屋上で一人寂しく過ごしていた。一緒に過ごした時間を忘れてほしくない流斗は、ひまわり畑で小さなひまわりの苗をドローンに託し、ドローンはひまわりの苗を「FlatFormer」の集配車に乗せる。ひまわりの苗が入った箱は集配車から降ろされ、自動で美智の自宅へ送り届けられる。美智は突然送られてきたひまわりの苗に驚くが、それが流斗から送られてきたことにすぐに気づく。後日、また同じように流斗からひまわりの苗が美智の元に届く。こうして美智の学校の屋上には、ひまわりの鉢植えが溢れていた。都心の景色を見下ろしながら、流斗の優しさに胸を詰まらせる美智。そこに、流斗から「今度そっちに遊びに行っていい?」とメールが届くが、美智は「ごめん。もう連絡取るのやめにしよう」と返信する。「え、なんで?」と戸惑う流斗に、「出来たんだ、彼氏」と嘘をつく美智。流斗はショックを受け、ひまわり畑に立ち尽くすのだった。10 年後。都会のバスターミナルに社会人になったスーツ姿の流斗が降り立つ。「FlatFormer」の移動式コンビニエンスストアの前に座り、飲み物を飲んでいた流斗は「先生、バイバーイ!」という女子生徒の声に振り向く。そこには学校の校門で「バイバーイ!」と女子生徒に手を振る美智の姿が。美智は教師になっていた。美智が流斗の視線に気づき、二人の目が合う。偶然の再会にハッとして、「あっ!」と同時に声を上げる二人。校門前の花壇に咲き乱れるひまわりに気づいた流斗は「なんで、ひまわり……」と驚く。美智の案内で学校の屋上に上がる流斗。そこには、屋上だけでなく、街の所々にひまわりが咲き、まるで大きなひまわり畑のような光景が広がっていた。「忘れたことなんてなかったよ。久しぶりに一緒に見られたね」と言う美智に、「そうだな。キレイだ」と感慨深げな流斗。「ねぇ、ひまわりの花言葉って、覚えてる?」と尋ねる美智。ひまわりの花言葉は「あなただけを見つめる」。その答えを知っていた流斗は微笑み、美智の手を握る。ひまわりの花々を前に「この景色をずっと一緒に」という二人の声が重なる。それは、幼い頃に、ひまわり畑で手をつないだ二人の姿を思い出させるものだった。「どんなに離れても、この想いを届けたい。」という流斗の想いを乗せて、「FlatFormer」が運んだひまわりが、時間と空間を超えて、流斗と美智をつないだ瞬間だった。
- 音楽
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