2017年9月8日(金)20:12
テレビアニメ「信長の忍び」木下秀吉役の山口勝平に聞く 本格派の作りは、まるで「3分の大河ドラマ」
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2016年10月からスタートし、現在は第2期「伊勢・金ヶ崎編」が放送中のテレビアニメ「信長の忍び」。5分枠の短い尺を活かしたテンポの良いギャグに注目が集まる本作だが、歴史ものとしての本格的な作り込みが魅力でもある。木下秀吉を演じる山口勝平に、作品への思いを聞いた。
――山口さんは、アニメ化の前から原作漫画の大ファンだったそうですが、どんなところに魅力を感じられていたのでしょうか。
山口:重野(なおき)先生ならではの小気味良いギャグと、史実にしっかりと基づいたストーリーが魅力でした。また、架空のキャラクターである千鳥という忍びの女の子を主人公に据えるのも上手いなと思ったんです。時代ものは、架空の武将を入れると、その行動にあわせて史実を変えていくことが多いのですが、「信長の忍び」にはそれがなくて。
――確かに、忍びの千鳥が主人公であることで、史実に干渉しない前提ができている気がします。
山口:そうなんですよ。さらに、主人公の千鳥が伊賀から派遣されている設定も巧みだと思います。信長の歴史を語るうえで、「天正伊賀の乱」は避けて通れないところですからね。千鳥と信長がどういう立場になるかという点も含め、厳しい戦いが先にあることは、歴史を知っていれば冒頭の時点で思い描けるわけです。そういった楽しみ方ができるのは、この作品ならではの魅力だと思います。
――秀吉を演じることが決まってから、どのようなプランで役に臨まれたのでしょうか。
山口:好きすぎて悩みました。ですが、秀吉が半兵衛を説得にいくエピソードで、「出世して大名になって毎日ウハウハな暮らしをして、それでもって領民に同じように笑って暮らしてもらえるのが夢でござる」という台詞があるのですが、重野先生が作る秀吉の根っこは、ここなのかもしれないなと思い、お芝居もそこを中心に組み上げていこうと。そこからは、あまり考えなくなりましたね。
(C) 重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会
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――金ヶ崎の退き口における演説シーンも非常に見応えがありました。
山口:確かに、あの一連は盛り上がるところですし、秀吉を成長させるターニングポイントでもあったので熱が入りました。見ている方はご存知のとおり、この作品はテンポがとにかく速いんですよ。さらにあのシーンの台詞は長かったので、息継ぎポイントがなくて、それでもテンションは上げなければいけない。気合をいれて臨みました。ですので、自分としては正直アップアップだったところもあります(笑)。でも、そのせいで秀吉の切羽詰まった感が出たようにも思います。それと、Vコンテに引っ張られた部分があるかもしれません。
――Vコンテとは、絵コンテをつなぎ合わせて、仮の音声を入れることで、お話の流れが分かるようになっている映像ですよね。
山口:ええ。我々がアフレコをする前に、仮声で大地(丙太郎)監督が全ての役を演じている映像があるんです。仮の音楽も入っていて、場合によっては大地さんが口で効果音もやっていて(笑)。そのおかげで、盛り上がりどころがよく分かるんですよね。それもあって第2期では、この金ヶ崎が非常に盛り上がることもわかっていたんですよ。大地監督が演出の方向性を明確にもっていらっしゃったので、そこに応えていけるように演じていました。
(C) 重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会
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――金ヶ崎以外で、山口さんが考える名シーンや名台詞などありますか。
山口:うーん……全部好きすぎて、困っちゃうんですよね(笑)。桶狭間のときも、千鳥が敵陣に切り込んで、誰何(すいか)の声をあげられた時に、「ここなら言っちゃってもいいのかな、忍びです!」と言うのが格好いいなと。それと、今川義元の(「後世の人々は儂をなんと呼ぶのだろう」という自問に対しての)「運が悪かっただけだ!」という叫びも印象的です。今川義元は、油断した武将だと描かれがちですが、あれだけの領地を治めているわけですから、本当は優秀な大名なわけです。そういう部分をちゃんと描くのも素敵だなと思います。
イベント情報・チケット情報
- 「信長の忍び 天下糖一 二〇一七 ~昼の陣~」【昼公演】
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- 開催日
- 2017年10月14日(土)
- 時間
- 14:00開始
- 場所
- 東京総合美容専門学校ホール(東京都)
- 出演
- 水瀬いのり(千鳥役), 羽多野渉(織田信長役), 山口勝平(木下秀吉役), …
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