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2017年11月1日 20:30

「ヤマノススメ おもいでプレゼント」山本裕介監督に聞く 3人の原画マンで“丁寧に”作った理由

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10月28日より、全国のイオンシネマ10館でイベント上映中のOVA「ヤマノススメ おもいでプレゼント」。2018年には、テレビシリーズ第3期の放送もひかえている。山本裕介監督に、13年放送の「ヤマノススメ」(第1期)から今回のOVAにいたるまでの制作エピソードを聞いた。

――テレビアニメ第1期は、どのような経緯で監督することになったのでしょうか。

山本:「ヤマノススメ」の制作スタジオ、エイトビットの葛西(励)社長からお話をもらいました。当時、スケールの大きなメカアクションものをやっていたので、気分転換に違った作風のものをと声をかけてくれたのかなと思います。自分としても真逆のものをやりたい心境でしたので、ちょうどいいタイミングでした。葛西さんは不思議と僕のやりたそうな作品を分かってくれているところがあるんです。そんな経緯もあり、そしてもちろん原作自体も魅力的でしたのでぜひやりたいと思いました。

――1期の放送当時、5分アニメとは思えない、とても丁寧なつくりが印象的でした。監督をひきうけた時点で、どんなふうに作っていこうと思われたのでしょう。

山本:他の5分アニメをあまり見たことがないんですが、5分だからチープに作ろうという意識はまったくなくて、むしろ「30分アニメよりじっくり作れる」という考えでいました。といっても、特別に「丁寧に作ろう」という意識もあまりなくて、「5分なら全話数、自分で脚本・コンテ・演出ができるかな」という程度の意識しかありませんでした。

――なるほど。

山本:第1期はBlu-rayに収録した映像特典を含めて全13話でしたから本編の総尺は約40分。正味約20分の通常のテレビアニメを2本作るぐらいの感覚です。それを納品まで半年以上かけられるのなら厳選した作画スタッフに頼めるな、という感覚でした。ただ実際の作業では、そこまで順調にはいきませんでしたけど。アフレコもすべてのカットに色がつくところまではいけず、処理演出も後半は大野和寿さんのヘルプでなんとか乗り切った次第です。ただし、脚本とコンテはなんとか最後までやりきることができました。「丁寧」と言っていただくとうれしいのですが、僕ふくめスタッフとしては「ゆるくなっちゃったな」と反省しているところも多々ありまして。それでもシリーズ全体を「丁寧」だと見てもらえたのなら、平均して上手くいっていたのかなと思います。

――第1期が放送されたときの反響は、いかがでしたか。

山本:「思った以上に喜んでもらえているな」という驚きはありました。5分アニメのいちばんのネックは、一回で描ける話の絶対量が少ないことですから。第1話には泣かせのところまで入らなくて、どうしてもああいうコミカルな引きにせざるを得なかった。2話まで見てもらって、やっとひとつのお話なんですけど、視聴者にはもう1週間待ってもらわないといけない。はたして続きを見てもらえるんだろうかという不安がありました。結果、ホロリときたと言う感想が多かったので安心したのですが、それでも自分としてはよく分からないというか、「これって面白いのかな?」という感覚がどこかにあって……。

――そうなんですか。

山本:もちろん、いろんな計算をして作ってはいるんですが、なにしろ1本が短いですからね。見た人が「ふうん」で終わっちゃっても仕方がないかなと。第1期のときは、そのあたりの確信が持てないまま作ってましたね。

――タイトルにもある「山を登る」部分も、じっくり準備されたことが画面から伝わってきました。かなりリサーチをされたのでしょうか。

山本:あおいちゃんと同じで、とにかく僕らスタッフも山登り初心者からのスタートでした。分からないところは調べて描くしかないですから。舞台となる山には基本的に足を運びましたし、登場する道具も本物を借りて自分たちで実際に使って確かめるようにしました。面倒に思えるかもしれないけれど、結局それがいちばん手っ取り早いんですよね。制作スタッフにもそこは徹底させました。

――かなりこだわられたのですね。

山本:というより怖かったんですよ。舞台が現実世界なだけに嘘がつけないですから。ちゃんと調べないととてもじゃないけど怖くて作れない。逆に近未来や異世界もののほうが、平気で嘘がつけるという意味では楽なんです。「そういう世界だから」と言いきれば成立してしまう。飯能のようにお客さんが実際に足を運べる場所だと、すぐに嘘がばれてしまいますから。「こだわった」というより、ビクビクしながら臆病に作っていたというのが本音です。

――第1期の好評をえて、翌年に「ヤマノススメ セカンドシーズン」が始まります。15分に尺がのび、放送期間も2クールとなりました。

山本:正味3分のアニメも作っていて楽しかったのですが、短さゆえの物足りなさが常にありました。例えば高尾山のエピソードにしても、もっと描きたい場所があるのに入らなかった。尺が長ければもっと突っ込んで描けるのにとだんだん不満が募って。最初は短い尺に魅力を感じていたはずなんですが、そこから一周まわって(笑)、尺が増えてうれしかったですね。

――「ヤマノススメ セカンドシーズン」の1話が30分アニメの半パートで、それを2クールやるのだとしたら、実質30分アニメを1クール分、作るような感覚だったのでしょうか。

山本:そこは、やっぱり2クールなんですよ。半パートとはいえ、意識的には1本作るのとそれほど変わりませんでした。第1期のときに感じたお得感のようなものはほとんどなかったです。尺はたしかに半分ですが「セカンドシーズン」のお話の密度って普通のアニメの半分より明らかに高かったですから。

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