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インタビュー 2024年4月13日(土)19:00

【「黒執事 -寄宿学校編-」インタビュー】小野大輔と坂本真綾が最高のバディになるまで 第1話は“あのセリフ”に注目

今夜放送開始「黒執事 -寄宿学校編-」小野大輔&坂本真綾インタビュー!

今夜放送開始「黒執事 -寄宿学校編-小野大輔坂本真綾インタビュー!

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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アニメ「黒執事」の新シリーズ「黒執事 -寄宿学校編-」が本日から放送開始となる。劇場アニメ「黒執事 Book of the Atlantic」以来、約7年ぶりの新作アニメであり、テレビシリーズとしては約10年ぶりの新シリーズとなる。セバスチャン・ミカエリス役の小野大輔、シエル・ファントムハイヴ役の坂本真綾に話しを聞くと、「黒執事」で共演するなかでの自分たちの距離感、“バディ”としての信頼関係の在り方はセバスチャンとシエルのようだと教えてくれた。

そしてもちろん、今作「黒執事 -寄宿学校編-」には気合十分。再びシエルとセバスチャンを演じることへの心境、2人そろってのアフレコで抱いた思いとは? さらに、小野が「帰ってきたな」と感じ、坂本が「これこれこれこれ!」と高揚したという、第1話のセバスチャンのセリフとは?

2人の確かな信頼関係がうかがえる、笑顔あふれる和気あいあいのインタビューの模様をお届けする。(取材・文/編集部)


【概要・あらすじ】

全世界シリーズ累計3500万部を超える、枢やな氏の漫画が原作のアニメ「黒執事」は、19世紀の英国を舞台に、「女王の番犬」として裏社会の汚れ仕事を請け負っている名門貴族ファントムハイヴ家の13歳の主人シエルと、彼に仕える執事のセバスチャンの姿を描く。

新シリーズは名門寄宿学校が舞台

新シリーズは名門寄宿学校が舞台

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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黒執事 -寄宿学校編-」は、シエルのもとに女王から名門寄宿学校ウェストン校に通う親族・デリックほか複数人の生徒が音信不通になっているという手紙が届き、シエルとセバスチャンがウェストン校に潜入する。


■新作の発表は「ご褒美」だった

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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――新シリーズ「黒執事 -寄宿学校編-」の制作を知った際の心境はいかがでしたか。

小野 前作の劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」で、セバスチャンを演じきったという感覚がありました。ですので、また演じさせていただけるということに驚きもありましたが、何よりもご褒美というような感覚があり、とてもうれしかったです。「もっと演じていいよ」と温かい声をかけていただいているような。
あとはファンの皆さんが見たいと思ってくれている、そういった期待もすごく感じました。演じていてよかったなという思いと同時に、もっといいものを見せなくては、ここからまた新しい「黒執事」を見せなくてはと気合が入りました。

坂本 私も「黒執事 Book of the Atlantic」で一段落したような気持ちがありましたし、年月も随分経っていたので、最初に聞いた時は驚きました。原作は続いていて、しかもずっと人気ということは知ってたので、ゆくゆくは何かしらの映像作品になる可能性もあるなとは思っていましたが、まさかそれがテレビシリーズという形で実現するとは想像していませんでした。
そしてキャストが続投で、「黒執事」を作ることになったのも本当にうれしかったです。年月が経って、いろんな経験を積んできた今だからこそ「シエルを今やる意味」としてフィードバックできるものがたくさんあるといいなと思っています。


■「シエルがいてくれるからこそセバスチャンになれる」(小野)
■「いつのまにかバディとして信頼が育まれていきました」(坂本)

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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――テレビアニメ第1期からは15年ぶり、劇場版「黒執事 Book of the Atlantic」からは7年ぶりとなりますが、久々のアフレコはいかがでしたか?

小野 やっぱり「変わらずにいられるのだろうか」「自分はまたあの頃と同じようにセバスチャンを演じられるのだろうか」という不安はありました。でも真綾ちゃんと一緒に収録できたので、シエルの声を聞いた時にセバスチャンになれたような感覚がありました。
そこで、「役というものは、決して一人で作っているものではない」ということを思い出しました。やっぱりエンタメって人と一緒に作るものだよなと、原点回帰したような感覚がありました。シエルがいてくれるからこそセバスチャンになれる。

坂本 最初にシエルを演じた時に苦戦したという思いがまだ残っていることもあり、今でもシエルを演じる時は緊張します。でもだからこそ、この役に取り組む時は、改めて「より良いシエルになりたい」という思いが強くなります。
変わらずに昔と同じシエルでいたいというよりも、前よりも良くなりたいという気持ちが強くて、今回も「今の私が、今の制作陣によって描かれるシーンを見て、どういう風に演じるか」ということだけを考えようと思っています。

――先ほど小野さんは、坂本さんとの収録のなかで、「一緒に作ることの重要性を再確認した」とおっしゃっていましたが、坂本さんはそういった感覚はありましたか?

坂本 これまで、小野さんは小野さんでセバスチャンに向き合って、苦労があったと思います。そして、私は私でシエルに向き合う苦労があって、悩んだこともありました。そんな時期をお互いに横目で見ながら、15年前から一緒に同じ時を過ごしてきて、一緒の作品を作ってきました。そういった時間の流れのなかで、いつのまにかバディとしてお互いに信頼が育まれていきました。
その関係性って、偶然にも「黒執事」の物語にも沿っているというか。セバスチャンとシエルは、ビジネスパートナーとして最初は緊張感のある関係性でしたが、今回の「寄宿学校編」はお互いに頼りにしてる、気を許しているような雰囲気も感じられます。「ビジネスパートナーとしてだけじゃなく、信頼関係もある2人」というのが、私たちの関係とシンクロしているようにも感じます。

小野 いいこというね!(笑) 確かにその通りだね。

坂本 今の話は初めてしました(笑)

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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――長く共演するなかで信頼関係を築いたということですが、初期の頃はどのような関係性だったのでしょうか? 過去のインタビューでは、シリーズ初期はストイックに取り組むあまり会話がなかったという話もされていましたが。

小野 そうですね。よく言えば(笑)

坂本 別に仲が悪かったわけではないんです(笑)

小野 そうなんです。ガチガチだったんです。ストイックに役に取り組んでいたというのはその通りですが、なによりもとにかく若かった。若かったがゆえに視野が狭くなっていて、自分のことに没頭して役作りしていたような感覚があります。演者がみんな僕らと同じぐらいの世代の若い現場だったので、みんな良い意味でギラギラしていて、「なにか爪痕を残そう」とか「この役を突き詰めてやろう」という情熱であふれていました。だからこそ、周りが見えてない瞬間があったのだと思います。
でも今思うと、それが見えた瞬間にセバスチャンとシエルになれたんだよなって。改めて今、その時の感覚を思い出しました。


■「初めて言うような気がするけど……」共演初期、お互いに思っていたこととは?

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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――関係性には変化があったということですが、お互いの印象に変化はありますか?

坂本 小野さんの基本的な印象は変わらないような気がします。ただ当時は、すごく忙しそうだったという印象があります。とにかく一日中、あちこち移動しながらお仕事をされていて大変そうだなと感じていました。

小野 体を壊したこともあったからね……(苦笑)

坂本 でも、そんなに忙しいのに機嫌が悪いということが絶対になくて。ずっとこんな感じで、誰にでもニコニコしてくれる。小野さんはずっと変わらないです。私だけですよ、多分人と話さなかったのは……。

小野 (爆笑しながら)待て待て待て!

坂本 でも本当に、私は話しかけにくかっただろうなって思います(笑)

小野 それはですね、僕たちが勝手に坂本真綾という人を神格化していたというか。僕だけじゃなくて、僕と同年代の役者が多い現場だったので、みんな坂本真綾という人をリスペクトしていたんです。真綾ちゃんの歌も聞いていたし、作品も見ていたし、声優になる前から見ている存在だったので、憧れがありました。そんな人と一緒に仕事をすることになったので、みんなちょっとドキドキして(笑)、どう接していいかわからなかったのだと思います。
さらに「座長として現場を盛り上げなきゃ」と必死になっていた時でもあったので、そうすると坂本真綾という存在をどう扱っていいかわからなくなってしまって……。

坂本 そんな空気を感じつつでした(笑)

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小野 初めて言うような気がするけど、「真綾ちゃんは何が好きかな」とか「何の話をしたら話してくれるかな」とか、そんなことばかり考えてました。

坂本 本当に?

小野 「隣に座ってもいいのかな?」からはじまりました(笑)。

坂本 確かに私の両隣は誰も座らなかった(笑)。でも私はその時、セバスチャンは最初から完璧にセバスチャンに見えたから「足を引っ張ってないかな」とか「シエルはしっくりきてないな」と思われていないかと疑心暗鬼になっていました。ここでヘラヘラおしゃべりしていたら、「そんなこといいから、お前はまずちゃんと仕事しろ!」ってみんなに思われるんじゃないかと……。

小野 「男の子(を演じるの)初めてなんだから、ちゃんとしなさい!」って?

坂本 そうそう(笑)。私は自信がなくて……。そんななかでも、小野さんはずっといい人でした。

小野 (笑)。でもね、僕も(坂本の印象は)変わらない。真綾ちゃんも変わってないと思うんです。ただ、お互いあの頃は本当に必死だったから、お互いを尊重し合った結果、つかず離れずで一個(間を)空けて座るみたいになっていた。でもそれって、真綾ちゃんがさっき言ってくれた通り、まさにセバスチャンとシエルみたいな関係性なんです。信頼してるんだけど、決して隣同士で一緒に歩かないというか。

――その距離感は変わりましたか?

小野 真綾ちゃんは話してみたらフランクだし、自分に厳しいところがすごく好きですね。自分にはストイックなのに、周りにはそれを強要しないし。どこまでも自分に厳しいっていうところは、演者としてすごくリスペクトしています。だからそれ以上踏み入らなくていいって思ってました。ずっと、このままでいいって。そうして15年ですからね……これ以上話すのは恥ずかしいです(笑)

坂本 ありがとうございます(笑)


■今回のセバスチャンは「『完璧な役者執事』が見られます」

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――「黒執事」といえば、セバスチャンの“パーフェクト執事”な姿も見どころのひとつかと思いますが、今作「寄宿学校編」ではどのような“パーフェクトな姿”が見られますか?

小野 今回のセバスチャンは寄宿学校に寮監として潜入する、寮監を演じている状態で生活するので、そういう意味では「完璧な役者執事」が見られます。
実は「寮監を演じているセバスチャン」って、僕としては演じやすいんです。「何かを演じているセバスチャン」だから、いつもよりセリフの抑揚や感情の機微が出せるんです。例えば走ってる息遣いなんて、昔は絶対入れませんでしたが、今回は学園長を探しに行くシーンでちょっと息が上がっていたりします。そういった変化が随所にあります。

――1話を拝見しましたが、言われてみればこれまでと少し印象が違うように思います。

小野 最初の質問に対して「ご褒美」という話をしましたが、演技面でもまさに「ご褒美をいただいている感覚」でした。なぜなら普段のセバスチャンはそういう感情の機微や、振れ幅を出していないので。なので、今回はそこにもぜひ注目してください。


■1話から“かわいいシエル”に注目「あれはみんな騙されます(笑)」

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――シエルといえば、一見クールなようで実は体を張って頑張る場面が多い印象をうけますが、今回はどんな頑張りを見せてくれますか?

坂本 今回は相当頑張ってますよね?

小野 そうだね。

坂本 セバスチャンも一緒に潜入しているけど、シエルが自力で頑張らなきゃいけない場面も多くて。いつもはお屋敷でセバスチャンになんでもやってもらっていますが、今回は寮生として潜入するので、寮生活ではルームメイトがいます。「そんな生活できるの、シエル?」と思っていましたが、意外と寮生活になじんでいることにびっくりしました。セバスチャンがほどよくサポートしながらではありますが、順応性があるなあと。

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坂本 そして、セバスチャンと同じくシエルも演じています。本名のシエル・ファントムハイヴのまま潜入していますが、本来の自分ではなく「いい子でさわやかな普通っぽい少年」を24時間演じていなくてはいけない。シエルとしては疲れると思いますが、今までのシエルとは違う表情をたくさん見せてくれるので、見る側としてはすごく楽しいです。大声で笑ったり、ニコっと笑顔を見せてくれたり、かわいいですね。

――1話から、シエルのあざとい笑顔にやられました(笑)

坂本 あれはみんな騙されます(笑)。

小野 あのシーンは、終わった後にちょっと照れている真綾ちゃんもかわいかったです(笑)

坂本 あんなシエルやったことないから(笑)。私の中では120%かわいくやったのに、「ここは可愛くやって」と言われて、「え、もっと!? 今のじゃダメだったんだ」と思ってすごく狼狽しました(笑)

小野 マックス以上でやったと思ったら、もっとやってくださいと(笑)


■「ああ、帰ってきたな」「これこれこれこれ!」――第1話から“あのセリフ”が登場

(C) Yana Toboso/SQUARE ENIX,Project Black Butler

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――今作のアフレコで、最初に「また『黒執事』がはじまったな」と感じたセリフを教えてください。

坂本 最初はやっぱり「イエス、マイロード」です。なかなか言わないので、セバスチャンが言った瞬間「きた!」って思いました。家で台本を読んでる時は、ひとつのセリフとして通過しましたが、やっぱり小野さんが実際に言った瞬間「ああ、これこれこれこれ!」となりました。声の力ですね。

小野 そう言ってくれて、すごくうれしいです。あのセリフは、自分にとっても決めゼリフですし、作品のファンの皆さんも待っていると思います。そういうセリフを、第1話の“あのタイミング”で発するわけなので、並々ならぬ緊張感がありました。しかも久しぶりに演じるわけで、しかもかなりためて言うので……。まだ言わない、まだ言わない……言った! みたいな(笑)

坂本 でも、あのじらされ加減だからこそ、視聴者も「きた!」ってなると思います。あの演出はもう……思うつぼですね(笑)

小野 我々演者が最初にその術中にハマったと(笑)。監督をはじめとするスタッフの皆さんが、作品のことを分かっているなと感じました。

――ちなみに第1話で「イエス、マイロード」を言う時にテンポの指定はあったのでしょうか?

小野 指定はありませんが、確か「(尺から)こぼしてもいいよ」というような感じだったので、たっぷりと(時間をかけて)演じています。あんまり急いで、気を急くと言えないセリフというか。セバスチャンの身からすると、シエルに命令してもらったことにしびれた場面でもあるので、「ああ、帰ってきたな」と。だからこそ、あれはもうためちゃいますよね。

坂本 1話のオンエアで、「イエス、マイロード」がトレンドに入るんじゃないですか?

小野 じゃあ、ハッシュタグ「イエスマイロード」で(笑)

小野&坂本 (笑)

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作品情報

黒執事 寄宿学校編

黒執事 寄宿学校編 12

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