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特集・コラム 2023年1月2日(月)19:00

【かねやん的アニラジの作り方】第34回 新しい「密」元年へ~僕が出演者に必ずお話すること~

リスナーとパーソナリティが1対1で向き合う生配信番組「ONETOONE」

リスナーとパーソナリティが1対1で向き合う生配信番組「ONETOONE」

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あけましておめでとうございます。2023年が皆さんにとってすばらしい1年になりますよう心より祈っています。そして、株式会社ベルガモが制作する番組を今年もごひいきに。
 さて、コロナ禍に入って4年目となる今年。僕をとりまく環境はどう変化し、株式会社ベルガモはどうしていこうと思っているのか? 今回は年頭ですから、決意表明的な回にさせていただきます。お付き合いください。
 昨年の映画興行ランキングを見ると興行成績全体は増加しているものの、メガヒットがそれをけん引し、ミドル級以下の作品が壊滅的という二極化が進んでいます。これは映画に限らずエンタメ界全体に拡大しているように思います。エンタメ界は巨大資本が跋扈(ばっこ)し、これまで「芸能」「興行」という泥臭い怪しいイメージのものから巨大産業となりました。金融やエレクトロニクスを手がけるソニーがゲーム、音楽、アニメをリード、「BTS」を生んだ韓国の国家戦略はその代表例でしょう。
 その一方で、YouTuberやライバーと言われる個人が配信をし、収益を得ることによって生きていくことができる、そんな時代にもなりました。
 ではベルガモはどうするか? もちろん巨大資本ではないので、「小さく」やっていくんですが、「小さい」といってもそれは誰もが発信できる時代、競合だらけになります。要するに「小ささ」にも戦略が必要なんです。
 僕はラジオと言ってもテレビラジオ兼営社が多い日本にあって独立したAMラジオ単営社に30年近くいましたので「小さくても生きのびる」という課題にずっと向き合ってきました。「小ささ」には自信があります。僕はこれまでエンタメ界にいると思ったことはありません。強いて言えば、おしゃべりが大好きな人の話を聴くことが大好きな「寄り合い」です。人格と人格のぶつかり合いといえばそうですがそんなかっこいいものでもなく、家族のような心地よさをつくりたいと思っています。「喋り手」と「聞き手」の密な関係を作っていきたいのです。そのためにはまず長く番組を続ける。これがいちばん肝心だと思っています。
 新しい番組をはじめるとき、必ず出演者の方にお話ししてお願いすることがあります。「番組が終わる直接的な原因は金が立ちいかなくなったとき」なんだが実はお金は僕もプロ、どうとでもできるんです。ただその条件は「あなたがこの番組をつづけたいという強力な意思があれば」。では番組を続けたいという強力な意思をもつにはどうしたいいか? まず、スタジオに来ることが嫌にならないこと、だから好きなことをやってほしい。好きなことを熱く喋れば必ずリスナーは共感します。そしてうそをつかないこと、というか隠し事をつくらないこと。ずっと「おしゃべり」コンテンツを配信している番組では、どんなに隠し事をしても必ずばれます。先日こんなことがありました。元気に生配信していたパーソナリティが翌日高熱を出しコロナになった。目の前にいた僕は信じられなかったのですが、リスナーは「声がちょっとかすれ気味だったので気になっていました。お大事に」というコメント。目の前の僕が気づかないことを声は端的に示します。隠し事のためにうそをつきそれがばれたとき、共感はなくなり、共感を礎にビジネスをしている番組はあえなく終了となります。
 ここまで読まれてきて気づかれたと思いますが「個人の人気」は一切背景としていません。人気より人格なのです。仕事というより「人生を共に歩む」という感じでしょうか。僕は政治家になりたくてマスコミを目指したので、有権者ひとりひとりと握手する選挙戦こそ第一と信じています。だから、今の仕事でも「接近戦」と呼ばれる「お渡し会」(今は接触がない「お話し会」にしていますが)をとても大切にしています。番組の内容には正直関心がありませんが、「接近戦」を一番大切にしています。「接近戦」は裏切りません。
 昨年「女性声優」というワードがTwitterのトレンドによく上がっていました。「女性声優と結婚したい」という願望で、それ自体に賛否両論あるのでしょうけど、僕の夢はほんとにパーソナリティとリスナーが結婚して、それをリスナー全員が祝福する。そんなことがおこる可能性がある、濃密であけっぴろげな番組づくりができたら最高です――僕が言ってることは、やはりエンターテインメントではないですね(笑)。

◆宣伝です。
◎ベルガモ公式YouTubeチャンネルが開設されました。各番組の無料パートをお楽しみいただけます。

◎ベルガモの最新情報は をチェック。かねやんTwitterアカウントは @kaneyanmamotan

兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長

かねやん的アニラジの作り方~体験的アニラジプロデュース論~

[筆者紹介]
兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長(カネダ ケンイチロウ)
昭和43年大阪府生まれ。法政大学社会学部を卒業、平成3年ラジオ大阪に入社。報道部記者として大阪府警や国会を担当し、事件事故、55年体制崩壊を取材した。東京支社に転勤後一貫してアニメゲームゾーン1314V-STATION の番組プロデュースに携わる。編成企画部長、編成制作部長、東京支社長などを歴任。平成30年退社。日本の新しい音声コンテンツを創造する株式会社ベルガモを創立。

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