2015年4月4日(土)20:00
「アルスラーン戦記」阿部記之監督インタビュー (2)
第一話 場面カット
(C)2015 荒川弘・ 田中芳樹・講談社/「アルスラーン戦記」製作委員会・MBS
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——先ほどキャラクターの魅力についてのお話もありましたが、群像劇的なところがある作品ですよね。そのあたりで気をつけているところはありますか?
阿部:仕えていく将はアルスラーンのことが凄く好きなんですよね。どこかアットホームな感じがある作品なんですよ。ですので、主人公を同じようにお客さんにも好きになってもらわないといけないわけですね。「凡庸な王子」と言われてしまうように、剣の腕が立つわけでもなく、弁が立つわけでもない。リーダーシップが強いタイプでもないですが、なにか魅力があって、ついていきたいタイプ。じゃあどこからその魅力が発揮されるのかというのを見つけていく話なんです。その魅力については、埋もれないように気をつけて描いていかないとと思っています。彼のやることが段々好きになっていって、途中からリーダーシップを出してきて、采配を気持ちよく見ることができる。そんな作品を目指していますね。
——その主人公アルスラーンを小林裕介さんが演じられていますが、キャスティングのポイントはどこだったんでしょう。
阿部:アニメーションでは、アルスラーンが11歳の時からお話が始まるのですが、まだ少年らしさが残る中での頼りなげな部分も含め、愛されるべきキャラクターとして成立させたいんです。加えて、小林さんは割とまだデビューして間もないので、若さがゆえの伸び代を感じるんですね。それがアルスラーンの成長具合とリンクしていけばいいなという思いもありました。自分の経験上、主役はそういうことが多いんですよ。自分が監督だった「BLEACH」の時に主役の一護を森田(成一)君が演じましたが、彼も当時はアニメをやったことないくらいのキャリアだったんです。そのほうがうまくいく場合があるんですね。もちろん、その分周りをベテランがきちんと押さえないといけないのですが。
——今回も周りのキャストはそういったことを意識されているのでしょうか。
阿部:そうですね。そういう作りにしています。
——では、いよいよ待望の第1話についてですが、見所をお伺いできますか。
阿部:シリーズ通してこの話のみなのですが、第1話は日常を描いているんですよ。ここで、それ以降を描くための主人公達の立ち位置や、王都であるエクバターナをしっかり見せています。その中で主人公のアルスラーンが外の世界を知ったり、今後大きく扱われる奴隷制度の問題について考える切っ掛けを見出すんです。その切っ掛けが、敵方であるルシタニアの少年兵と出会うというものなんですね。この話数を踏まえた上で、今後の彼の過酷な現実を追っていくと、より真に迫ると思いますので、ぜひとも見ていただけると嬉しいです。もちろん、それだけでなく戦闘合戦シーンもあります。この作品における戦闘の様がどういうものかが分かるように作ってありますので、その部分もご期待いただければと思います。
——オープニングや第1話は阿部さんご自身が絵コンテ・演出をやられているのですか。
阿部:そうですね。
——なるほど。楽しみにしております。それでは次にスタッフ周りについてお伺いできればと思います。脚本が上江洲(誠)さんですが、組まれるのは初めてでしょうか。
阿部:初めてです。上江洲さんは、もともと「アルスラーン」が大好きだったので、プロデュース・サイドから推薦いただいたというのもあるんです。ですので、非常に心強いですよね。上江洲さんはキャリアももちろん十分あるんですけど、みんなの意見を吸い上げてまとめるという、構成力については非常に達者な方なんですよ。そうやって意見を吸い上げていくうちに、どんどん良くなっていく感じがしますね。
作品情報
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アルスラーン戦記 THE HEROIC LEGEND OF ARSLAN
東西を結ぶ陸路の中心地・エクバターナを王都に掲げ、各地からの人や物資、そして豊かな文化が集まる強国パルス。この国の王太子として生まれた少年・アルスラーンは、幸福のうちに国を引き継ぐはずだった。土...
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