2016年3月23日(水)20:00
キャラクターの個性こそが、作品最大の魅力 「ハルチカ 〜ハルタとチカは青春する〜」橋本昌和監督インタビュー
「ハルチカ 〜ハルタとチカは青春する〜」キービジュアル
(C)2016 初野晴/KADOKAWA/ハルチカ製作委員会
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高校への進学を機に、吹奏楽部へと入部する穂村千夏(チカ)と、その幼なじみの上条春太(ハルタ)。ふたりは学園生活を送りながら、その最中で起こる様々な謎を解き明かしていく。
初野晴氏の小説を原作としたテレビアニメ「ハルチカ 〜ハルタとチカは青春する〜」は、ミステリーを基軸としながらも、学園生活を中心にした青春物語としても見ることが可能な賑やかで楽しい作品だ。アニメも終盤となり、いよいよ佳境を迎えている中で、本作がどういった点に留意しながら制作されていったのか、橋本昌和監督に聞いた。
――原作の魅力はどのようなところにあると思われましたか?
橋本:短編小説のかたちなのですが、それら一本一本が長編になってもおかしくないほどの密度がある作品ですよね。さらに、単純に謎を解くだけの作品というわけでもなく、そこに絡むキャラクターたちの面白さが魅力だと思いました。ひとりひとりクセがあるので、そこが一番アニメにして面白い部分だろうと。
――ハルタとチカはもちろんですが、それ以外のキャラも個性的ですよね。
橋本:それぞれのドラマを持った魅力的なキャラがいっぱいですね。その中には原作には出てこないキャラもいて。朝比奈香恵・紗恵などがそうです。原作では最初から部員だった5人のうち、ハルタとチカ以外は片桐部長しかでてこないんですが、アニメだと絵になってしまうのでモブにするのはもったいないなと思ったんです。個性をちゃんと持たせたかった。他にも吹奏楽部の部員たちは、26人全員分のキャラクター設定を起こしています。
――部員でひとつ気になる点があります。細かい話ですが、第2話に登場した成島さんの友達が、その後に入部しているような気がするのですが。
橋本:真由ちゃんですね(笑)。実はそうなんです。僕は本編では出てこない物語も自分の中で考えながら作品を作って行くんですが、あの子は(吹奏楽部に)入るんじゃないかなと思ったんです。部員が足りなければ、当然身近な友達から声をかけるじゃないですか。だから、ハルタ、チカ、成島さんらと距離が近いこの子は誘われたらノリで入っちゃうんじゃないかなと思って、部員にしちゃいました。第2話で出会って、第3話を説得中ということにして、第4話から部内にいるんですよ。そうやって、自分の中で裏エピソードを作りながら、部員を増やしたりしています。
――オープニングのラストカットが、部員が増えていくたび変わっていますよね。
橋本:一話完結で季節がどんどん進むので、今部員がどのくらいいてどんな感じになっているのかを、そこで少しフォローしているんです。
――先に主人公以外のお話を伺ってしまいましたが、肝心のハルタとチカについてはいかがでしょうか。
(C)2016 初野晴/KADOKAWA/ハルチカ製作委員会
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橋本:ハルタは頭脳明晰で、男である草壁先生を好きになってもそんな自分をしっかり肯定して前に進める強さがあります。それに比べるとチカは頭脳もメンタルも人並みだけど、人を惹きつける不思議な魅力、人望があって。お互いにお互いの魅力に気付いてるけど恋のライバルだから簡単には認めない!みたいな関係が楽しいですよね。
チカは原作では物語の語り手でもあるので、不思議な感性を持った彼女は、初野先生の無意識に一番近い人物なのではないかなと勝手に思っています(笑)。
作品情報
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春――それは新たな出会いと思わぬ再会、そしてミステリアスな旋律と共に幕を開ける。高校への進学を機に、吹奏楽を始めることを決意した穂村千夏(チカ)。目指すは華麗で乙女なキュートガール。音楽教師・草...
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