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インタビュー 2016年6月2日(木)20:00

日常のドラマは、細かい積み重ねの中にある 「あんハピ♪」大沼心監督インタビュー (2)

――キャストはフレッシュな方々が多い印象ですが、どのようにして決められたのでしょうか。

大沼:まずテープオーディションを行い、300人近くの方の声を聴くことから始めました。そこから関係者の皆さんで協議をして、キャラクターひとりにつき10人から15人に絞ってから、直接オーディションを行いました。オーディションでは、おそらくちょっと珍しいかたちだと思うんですが、決まったセリフをしゃべっていただくほかに、ロケーションだけを指定してあとは自由にしゃべってくださいというお題もあったんですよ。「家を出発してご機嫌で道を歩いている」みたいな感じに。

――どうして、そのようなお題を出されたのでしょう?

(C)琴慈・芳文社/あんハピ製作委員会

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大沼:この作品では、とにかくアドリブをいただこうというのが最初からありました。特にはなこ(花小泉杏)についてはそうで、キャストさんに演じていただくというより、とにかくはなこ自身に近い方を選びたいなと考えていたんです。自由にしゃべるお題では、「ハッハッハッ」みたいに楽しそうな息のみで表現する方が多かったんですが、花守(ゆみり)さんは「めっちゃしゃべっている!」と驚くぐらいものすごく沢山言葉のアドリブでしゃべっていて、楽しそうな感じだったんです。他のキャストの方を含め、もちろんキャラクターのベースに近いというのが大事でしたが、キャスティングに関しては、そういった対応力がある方にお願いした感じがありました。

――アイキャッチ時のセリフは、ほとんどアドリブだそうですね。

大沼:「皆さん、上手いなあ」と思いながら聴いています(笑)。アイキャッチのアドリブは、通せるものは極力通していこうと最初から決めていました。演出さんには申し訳ないのですが、アフレコで収録したあと、絵の方できっちり声にあわせていこうというプランニングでやっています。アフレコは非常にのびのびとやっていただいていて、すごくいい感じの空気を作っていただいているんですよ。そうした雰囲気がフィルムにも出ているんじゃないかと思います。

――後半に向けての見どころを聞かせてください。

(C)琴慈・芳文社/あんハピ製作委員会

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大沼:日常ものって、どっしり構えて作っていった方がいいのかなと感じているんです。日常に即した普遍的なテーマを描くには、あまりミーハーにならないほうがいいのかなという気持ちがあって、自分の中で、これまでとはちょっと違う感覚で作っているところがあります。バリエーションのあるドラマを作っていますので、話数によっては、ひょっとしたら合う、合わないというのがでてくることもあるかもしれません。でも、それはあくまでも表層上の部分でしかなくて、伝えるべきテーマが伝わればいいかなとも思っています。日常には色々なことがありますが、そうした色々なことを通して得るものがあって、それが全体として伝われればいいなと。話数単位でいうよりは、とにかく最後まで観てほしいなという気持ちが大きいです。

――オープニングに後ろ姿だけ出ていて、まだ登場していないキャラクターもいますね。

大沼:前半でキャラクターと世界観を把握していただけたと思いますので、それを踏まえての振り幅や仕掛けみたいなものは用意しています。オープニングに出ているキャラもそうですし、他にもけっこう突き抜けたことをやっています。

――そうなんですか。それは楽しみです。
大沼:ベースは日常ものにおきつつも、自分の中で表現としてやれたら面白いんじゃないかなということは入れさせてもらっています。そうした部分も楽しみに観ていただけると嬉しいです。

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あんハピ♪

あんハピ♪ 31

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“負の業”すなわち不幸を背負った生徒たちが集められたクラス、天之御船学園1年7組に入学した、
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