2016年6月25日(土)08:00
日本初の長編アニメにして手塚治虫の原点「桃太郎 海の神兵」7月公開
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日本初の長編アニメーション「桃太郎 海の神兵」が、7月から全国で順次公開されることが決定した。5月の第69回カンヌ国際映画祭クラシック部門で大反響を呼んだデジタル修復版が凱旋し、日本国内で初上映される。
瀬尾光世監督の脚本・演出による本作は、第2次世界大戦末期に海軍省の依頼で松竹が製作した国策映画。故手塚治虫さんの原点ともいえる作品で、1945年の公開当時に鑑賞した手塚さんは、瀬尾監督の平和への願いを痛感し「私は、一生に一度、必ずこのようなアニメを創(つく)りたいと決心し、漫画家になり、そしてアニメを創り始めたのです」と語っている。
内容は、桃太郎を筆頭にサル、イヌ、キジ、クマらで構成された落下傘部隊が、南方の鬼ヶ島へ向かうというもの。瀬尾監督は海軍落下傘部隊に体験入隊し、そこで目にした基地の様子や、降下機の内部、戦闘方式などを作品の骨格に落とし込んだという。それでいて劇中に戦闘場面は少なく、叙情性と機知に富んだ物語が、ミュージカル・アニメとも呼べる絶妙な音楽効果を用いながら5万枚にも及ぶセル画で語られる。
デジタル修復は、松竹が保有していた35ミリのマスターポジとインターネガを4Kでスキャンし、アニメーション映画特有の撮影環境を考慮しつつ2Kで修復された。「母と暮せば」「家族はつらいよ」といった山田洋次監督作品のキャメラマンである近森眞史が映像監修、スタジオジブリの「紅の豚」「もののけ姫」などで撮影監督を担当した奥井敦が映像監修協力を務めた。
「桃太郎 海の神兵」デジタル修復版は、7月23日から東京・ユーロスペース、兵庫・神戸国際松竹ほか全国で順次公開。8月3日には、瀬尾監督の師で、“日本アニメーションの父”と呼ばれる政岡憲三監督の名作「くもとちゅうりっぷ」を併録したDVD/Blu-Rayが発売される。
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