2016年9月5日(月)20:00
「こち亀」連載40年、単行本200巻で幕引き 秋本治「祭り好きの両さんには一番いい引き際」
単行本200巻 書影
(C)秋本治・アトリエびーだま/集英社
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「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載中の人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(以下「こち亀」)の作者・秋本治氏が9月3日、連載40周年を記念した完全描きおろし絵巻の奉納式を東京・神田明神で行い、17日発売の「週刊少年ジャンプ」42号で同作の連載を終了することを発表した。
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は、両さんの愛称で親しまれる葛飾区亀有公園前派出所の不良警官・両津勘吉と、個性的な同僚や、風変わりな仲間たちによる波乱万丈な日常を描く。1976年の連載開始以来、一度も休載することなく、少年誌の最長連載ギネス世界記録を保持しており、77年の実写映画をはじめ、テレビアニメやテレビドラマなど、さまざまなメディアミックス展開が行われた。199巻まで発売されている単行本の累計発行部数は1億5000万部以上で、連載終了を迎える16年9月17日には最終巻の第200巻が発売される。
連載終了について秋本氏は「びっくりさせて申し訳ない。このようなめでたい席で終わるのは寂しいかもしれないが、本当はおめでたいことで、少年誌で漫画が40年続くのはまずありえないこと。ましてや200冊まで単行本を出してくれた集英社と編集部には、作家としてはどれだけ頭を下げても足りないくらい。200巻は作家にとって勲章みたいなもの」と胸中を語った。さらに「両さんはお祭りが大好き。40周年でみんなに祝ってもらったときにスッと消えるのが両さんらしい。『できるだけ描いてください』との意見もあったが、やっぱり両さんの引き際としてはこの機会が一番良い大団円の場かな」と終了の経緯も明かしている。
奉納式の様子
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なお、秋本氏は神田明神遷座400周年と「こち亀」40周年を記念して、奉納式のために17枚のイラストを描き下ろし、全長8メートルを越える「秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』連載四十周年 江戸総鎮守神田明神 遷座四百周年 記念奉納絵巻」を製作。絵巻には両さんが生まれた戦後の浅草から、戦後昭和の様子、現在に至るまでのさまざまな時代や場所を「こち亀」のキャラクターたちが山車(だし)を引きながら練り歩く姿が描かれている。秋本氏は「漫画というジャンルの絵巻が神田明神に奉納され、後世に残ることはとても嬉しい」と話し、絵巻を「神宝」として永年奉納した。絵巻は9月11日まで神田明神の祭祀殿で展示される。
さらに、絵巻のミニチュア(3.8メートル)と、製作にまつわる漫画や解説、秋本氏のインタビューを収録した「こちら葛飾区亀有公園前派出所∞巻」が11月4日に発売されることも決定した。価格は2500円(税抜き)。
今後も「こち亀」は、連載40周年&200巻発売を記念した企画を展開予定。9月14~26日までは日本橋高島屋で、3万枚を越える原画から厳選されたイラストや、ジオラマ、「こち亀」ワールドを体感できる「こち亀展」を開催。神田明神に奉納された絵巻も出張展示される。入場料は一般が800円、大学・高校生が600円、中学生以下は無料(いずれも税込み)。また、17~30日には、JR亀有駅の構内を「こち亀」200巻分の表紙絵やトリビアで埋め尽くす「亀有ジャック」を予定している。
作品情報
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