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インタビュー 2016年9月20日(火)20:00

「亜人 -衝戟-」福山潤が語る、宮野真守との信頼が生み出したキャラクター・中野攻

中野攻を演じた福山潤

中野攻を演じた福山潤

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桜井画門氏の人気漫画をアニメ化した劇場アニメ3部作の最終章「亜人 -衝戟-」が、9月23日に封切られる。不死の新人類・亜人と日本国政府の戦いを描くサバイバル・サスペンスの最終章となる今作では、「浄化」を掲げて政府要人の暗殺に乗り出した亜人・佐藤を止めるべく、亜人として政府に追われてきた主人公・永井圭が、政府組織・亜人管理委員会と手を組み、戦いに挑む。公開を目前にした今回は、打倒佐藤を目指して圭と行動をともにする、亜人の少年・中野攻を演じる福山潤に、最終章の見どころや収録秘話を聞いた。

当初は「シドニアの騎士」「超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム」などメカアクションを得意とするポリゴン・ピクチュアズが、3DCGでどう人間ドラマを描くのか、測りかねていた部分があったという福山。しかし、第1部「衝動」の映像を見て早々に「正直、甘く見ていました。とてつもない可能性を秘めた映像演出だと感じました」と認識を改めたという。また、映像に先行して音声を収録する「プレスコ」ならではの新しい発見もあった。福山は「僕が演じた中野攻については、ほぼイメージ通りの演出や、絵の動かし方をしていただけました。普段僕らは、アフレコ時の絵コンテから(意図を)汲み取っていますが、逆に(プレスコで)汲みとってもらうことが、こんなにもおもしろいことなんだと気付かされました」と、満面に笑みを浮かべた。

そんな「亜人」で攻を演じるにあたり、福山は「とにかく声が大きい」という一点に力を入れたのだという。「主人公の永井圭には、カイ(海斗)という心情を慮ってくれる親友がいるので、攻については『圭のことを汲み取らない、そばにいる人』であることを意識しました。それを精神的に表現するのは難しかったので、肉体的なアプローチを試みたんです」

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攻のキャラクター造形には、圭役の宮野真守も一役買った。「攻は、空気を読まない、物事を深く考えずに反射的に返すというキャラクター。だから、宮野に『うるさい!』とにらまれるくらい、思ったままに演じようと考え、怒られることも覚悟していました。ところが、これが功を奏してか、宮野も少しずつ踏み込んできてくれて、原作より踏み込んだ楽しいかけあいができました。僕の全力の暴投を、宮野が巧みに受け止めて、投げ返してくれた感覚です。攻は、宮野のおかげでできあがったキャラクターです」

「(収録で)楽しい気持ちになれたら、僕の中では成功」と笑う福山は「最終章では、攻と圭の『クズが』『バカが』のやり取りがとても楽しかったです。収録後も宮野と延々『クズが』『バカが』と罵りあっていました」と収録を振り返る。また「車内で攻が『なんで!? いや、だから、なんで!?』と大声で叫ぶシーンがあるんですが、本当はそんなに声を張らなくてもいいんです。果たしてシーンとして成立するかどうか不安だったんですが、宮野と(戸崎優役の)櫻井孝宏さんという声優業界きってのバランサーが2人もいるんだから、なんとかしてくれるだろうと、思い切り演じさせてもらいました」という、出演声優陣の強固な信頼関係をうかがわせるウラ話も披露してくれた。

そんな中で、宿敵・佐藤を演じる大ベテラン・大塚芳忠の円熟した芝居には、福山もただ息をのむばかり。「『どうしてこのアプローチで、こんな効果が出るんだ!?』って、僕たち若手は、芳忠さんがお芝居するたびに、顔を見合わせて唖然としていました。『仮に僕が芳忠さんと同じ声なら、こうする』という想定を裏切るものが次々と飛び出してくるんです」。しかし、そんな緊迫感溢れる現場でも、大塚は「クライマックスの収録直前に、宮野と『どうやったら佐藤に勝てるんだろう』って相談していたら、横から芳忠さんが『負けないよぉ』って(笑)」と、茶目っ気を発揮していたという。

「亜人 -衝戟-」キービジュアル

「亜人 -衝戟-」キービジュアル

(C)桜井画門・講談社/亜人管理委員会

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最終章のストーリーは、後半が原作にないアニメオリジナル展開だ。原作ファンにとっては、期待と不安が半々…かもしれないが、福山は「原作がまだ完結していないので、アニメも『終わらせきれないんじゃないか』と思ってしまいますが、そこを逆手に取った、とてもいい幕引きができました」と太鼓判を押す。「原作に逆輸入していただければ、さらにおもしろくなるのでは、と思ってしまうほどの盛り上がりです」

では、福山が推す最終章の見どころとは? 「『圭がようやく主人公になった』ということに尽きます。圭は頭がよすぎて、合理的に考えるあまり、表に出せなかったものがあります。それが、あるできごとを通じて、感情に任せて動くようになる。完璧な人間でもマシーンでもない圭が、自分に向き合っていくところが、今作のキモですね。もちろんバトルシーンも、モーションを担当したスタッフさんが気の毒になるくらい激しいアクションで、迫力あるものに仕上がっていますので、そちらにもぜひ注目していただきたいです」

作品情報

亜人 第3部「衝戟」

亜人 第3部「衝戟」 6

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