敗北から始まるストーリーで、よりドラマチックに――アニメ「チェインクロニクル」石田彰＆山下大輝インタビュー

主人公・ユーリ役 石田彰と、アラム役 山下大輝

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セガが展開する人気スマートフォン向けゲームアプリ「チェインクロニクル」を原作としたアニメ「チェインクロニクル ヘクセイタスの閃」が、テレビ放送に先駆け3部作としてイベント上映。第1章が、12月3日から上映をスタートする。今回は劇場公開を前に、原作ゲームから引き続き、主人公・ユーリを演じる石田彰と、アニメ版オリジナルキャラクター・アラム役に抜てきされた山下大輝に、第1章の見どころを聞いた。

さまざまな種族が共存する最果ての大陸「ユグド」を舞台に、突如として現れた暗黒の魔物「黒の軍勢」と、その脅威に対抗すべく結成された義勇軍との戦いを描く原作ゲーム。そのストーリーを継承したアニメ版は、いったいどんな作品になるのだろうか？　山下が「悪に立ち向かう王道ファンタジーですが、ユーリ率いる義勇軍が敗れた」ところから始まる物語。マイナスからのスタートなのが新鮮です」と話せば、石田も「ユーリは義勇軍の中心人物ですが、すでにいくつもの冒険を経て消耗して疲弊しています。そんな中で、ほかのキャラクターたちが、ユーリを通して、あるいはユーリを超えて物事をどう見ているのかが描かれています」と、自身が演じる役どころと作品を紹介した。また、石田は「『世界を守る』と宣言して、意気揚々と出て行った人が負けて帰ってきた時に、どんな目にあうか。傷ついて帰ってきた人に、その仕打ちはないんじゃないかと、がく然としました」と衝撃を隠せない様子もうかがわせていた。

一方で今作は、新キャラのアラムにとっては「ユーリと出会い、どうやって義勇軍のみんなと打ち解けていくかという、成長の物語」でもあるのだという。「アラムは『ユーリはひとりでも強い』と思っていたのが、実は『仲間との結束があるからこそ強い』んだということ……仲間たちとの絆に気づき始める第1章です」と話す山下に、石田も「ユーリにとっても、まっすぐなアラムがいてくれることが本当にありがたい。正しいと思ったことを正しいと言えるアラムを見て、ユーリも『俺も昔はこうだった』と初心に帰ることができました」と安どの笑みをこぼす。

なお、同作には、膨大な数のキャラクターが登場するため、その収録の現場は山下いわく「キャストが増えたり減ったりを繰り返しているので、空気感が毎回違う」のだという。また、ひとりの声優が複数のキャラクターを演じることも多く、同じキャストが演じるキャラクター同士で会話している場合には、思わず微笑ましくなってしまうこともあるそう。

また、第1章の見どころを聞かれると、ふたりは迫力満点のバトルシーンを絶賛。山下が「ものすごくテンポが早く、派手でスピーディ。この速さは眼を見張るものがあると思います。集中して見ていただきたい」とアピールすると、石田も「ゲーム内でのスキル（必殺技）も、アニメーションとして効果満点で描かれています」とうなずいていた。

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ちなみに、第1章での山下お気に入りのシーンは「ブルクハルトのシーン」だといい「アラムという存在にイライラしていた彼の姿を一生忘れません」と苦笑い。石田は「キービジュアルにも描かれている赤い布を、傷ついたアラムに巻いてあげるシーン」が象徴的で印象に残っていると語りつつも、「スピリッツを受け継がせるという意味合いを持った重要なシーンですが、僕は『破傷風になるよ』と心配で……」と笑いを誘っていた。

最後に、石田は「ゲーム版では、主人公が負けてもリトライできますが、アニメ版では負けたら一大事です。負けたことによって転がっていく物語なので、勝って進んでいくゲーム版の物語とは少々趣が異なっています。でも、マイナスの要素があるからこそ、より深いドラマが描けているのではないでしょうか」とアニメならではの展開に太鼓判を押し、「本当にたくさんのキャラクターが登場する作品で、ゲームからのファンの方々の期待に応えられる作品になっています。ただ、あまり世界観や各キャラクターの背景などを詳しく説明する時間はないので、アニメから『チェインクロニクル』に触れる方は、事前にゲームを少しプレイしておいていただけると、より深く楽しめるかと思います」と作品をアピールした。