2017年2月6日(月)12:00
「虐殺器官」山本幸治プロデューサーらが伊藤計劃を語る
(C)Project Itoh / GENOCIDAL ORGAN
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故伊藤計劃さんのオリジナル長編小説をアニメ化する「Project Itoh」の最終作「虐殺器官」が2月3日に公開初日を迎え、同日夜、「屍者の帝国」「ハーモニー」「虐殺器官」のプロジェクト全作品を一挙上映するオールナイトイベントが東京・TOHOシネマズ新宿で開催された。
「Project Itoh」は、2009年に死去した伊藤さんのオリジナル長編小説「虐殺器官」と「ハーモニー」、さらに彼が遺(のこ)した序文の30ページを親交の深かった芥川賞作家・円城塔氏が引き継いで完成させた「屍者の帝国」を映像化するアニメプロジェクト。
オールナイトイベントには、「Project Itoh」のチーフプロデューサーで「虐殺器官」制作のために設立されたジェノスタジオ代表も務める山本幸治氏、SFマガジンの編集長で「虐殺器官」「ハーモニー」の編集を担当した塩澤快浩氏が登壇し、一挙上映前に伊藤さんとの出会いや「Project Itoh」の秘話などを語った。
「虐殺器官」の完成を受け、山本プロデューサーは「昨年末から間に合うのかとブルーになることはありましたが、画さえ上がれば(作品のクオリティに関しては)大丈夫だと思っていました」とできばえに胸を張り、塩澤氏は「原作小説が出版されて、ちょうど10年になりますが、ちょうど今くらいの時期に僕は初めて伊藤さんにお会いしました。『感慨深い』と言いたいところだけど、いろいろありすぎて……」と原作発表当時を振り返った。
また、原作者である伊藤さんの作風や人柄にも触れ、山本プロデューサーは「伊藤さんの小説には、侵食してくるような『圧』があるんです。それは病を抱えた状況の中で、作品に自分が反映されているからこそ出てきた『圧』なんだと思います」、塩澤氏は「主体的に何かを表現するというよりは『消費する側にいようとする人』だったと思います。それでも自分で小説を書いたのは、何かを遺したいという気持ちがあったからなのでは」と、闘病生活の中で作品を生み出し続けた、在りし日の伊藤さんに思いをはせた。
そのほか「虐殺器官」公開を記念したトークイベント「伊藤計劃の世界」が、東京・TOHOシネマズ 日本橋での2月16日午後6時30分上映回内で開催されることも決定した。塩澤氏のほか、東京大学教授の岡ノ谷一夫氏、ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記氏が出演し、伊藤さんについてのトークを繰り広げる。チケットは2月6日から劇場Vitオンラインと劇場窓口で販売。シネマイレージ会員が1400円、一般が1800円、大学・専門学生が1500円、高校生が1000円。15歳未満は入場不可。
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