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インタビュー 2017年2月7日(火)12:00

OLMデジタル「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」の制作現場と過程を解説 圧倒的物量に垣間見えた匠の業

(C)2016「CYBORG009」製作委員会

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Netflixで2月10日から配信される「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」を、Signal-MDと共同で制作したOLMデジタルが、マスコミ向けにスタジオ見学会を開催した。

同作は、故石ノ森章太郎さんの名作漫画「サイボーグ009」を完全オリジナルストーリーで映像化する、フル3DCGアニメーション作品。人類を守るという使命から離れ、平和な毎日を送っていた島村ジョー(009)をはじめとしたサイボーグ戦士たちが、人智をはるかに超えた異能を持つ「ブレスド」の出現によって、再び苛烈な戦いに身を投じていく。16年11月から12月にかけて、全3章で期間限定劇場上映され、この春からNetflixで全世界に向けて配信される。

見学会では、各章のレイアウトに約4カ月、アニメーション(動画)に約8カ月を費やしたという、3DCGアニメーション制作の流れをスタッフが順を追って解説。同時並行的に進行していた工程もあるため、企画段階から数えると、実に2年間の長きにわたり制作が行われていたという。

その期間を通じて作成された3Dモデルの数たるや、衣装変更やサイボーグ戦士たちの部位変形、ダメージ表現などのバージョン違いも含めると、なんとキャラクターだけでも総数55体。さらに、建物や樹木などの背景素材として100以上、小物に至っては200以上もの3Dモデルが生み出されたという。劇中登場する戦闘メカ・セイバータンクも、ほぼ同型ながら、部隊ごとのカラーリングなどの違いや破損パターンなどから、10体におよぶ3Dモデルが存在しているのだとか。

(C)2016「CYBORG009」製作委員会

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また、同社の3DCGアニメーションの現場では、効率を重視して1人のスタッフが1カットのすべてを担当することが通常だが、今シリーズでは「工程を分けたほうが得意分野が生かせる」という判断から分業制が採用されたという。アニメーション制作に携わったスタッフの総数は、社内外合わせておよそ400人前後だ。

さらに、フル3DCGフロアではPCモニターを前に、ライティング&コンポジットスーパーバイザーの唐澤収氏が、実際の作業画面をもとに制作作業を解説。唐澤氏が統括する部署は、エフェクト(効果)やモーション(動き)など、他部署から提出される素材を、映像として統合する役割を担っており、担当者との意見の調整も頻繁に行っているという。

唐澤氏によると、今作では、同一シチュエーションで描かれるシーンごとに素材を管理しており、シーンごとの使用レイヤー(画像の重ね合わせ)は多いところで180を超え、画像素材の総容量はおよそ25ギガバイトにもおよぶ。しかしながら厳しい時間的制約の中では、各日約15シーン程度を完成させる必要があり、会話などの簡単なシーンならば、わずか1時間足らずで作り上げてしまうのだとか。

そんな膨大な作業の中で、唐澤氏をはじめとしたスタッフが特にこだわったのは「キャラの顔をキレイに見せること」。ライティング(光の当て方)だけでは思った通りに影が付かないため、手描きで影を足し引きし、時にはアゴの輪郭線を追加するなどして、理想的な見せ方を追求した。

「CYBORG009 CALL OF JUSTICE」の迫力大3DCG映像を生み出した裏側には、そうした想像を絶する圧倒的な物量と、その要求をクリアするマンパワー。そしてスタッフの匠の業があったことがわかるスタジオ見学会となった。

作品情報

CYBORG009 CALL OF JUSTICE(第1章)

CYBORG009 CALL OF JUSTICE(第1章) 4

人智を遥かに超えた異能を持つ者たち「ブレスド」。太古より人類の歴史を陰ながら操ってきた彼らが、今再び不穏な胎動を始めた。彼らの狙いは何なのか。戦いの暗雲が、世界を覆い始めようとしていた――。
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