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インタビュー 2017年7月6日(木)20:30

「僕のヒーローアカデミア」轟焦凍役の梶裕貴が「凍る心に火が灯った」 体育祭編の激闘を経て、強大な敵(ヴィラン)に挑む後半戦へ

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白熱の「体育祭編」を経て新たなステージへと進む、放送中のテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」(以下「ヒロアカ」)第2期。同作は、堀越耕平氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載している、コミック累計発行部数1000万部を超える人気漫画のテレビアニメ化で、何らかの「個性(特殊能力)」を持つ超人が総人口の8割を占める世界を舞台に、主人公の少年・緑谷出久(デク)が、ヒーロー輩出の名門校・雄英高校に入学し、最高のヒーローを目指して奮闘する姿を描く物語だ。テレビアニメ第2期の前半戦(第1クール)では、出久たちヒーロー科の生徒たちが、それぞれの決意を胸に、日本全国から注目されるビッグイベント「雄英体育祭」に挑んだ。

今回は「体育祭編」最大の目玉となったトーナメントバトルで、出久と激闘を繰り広げた第25話「轟焦凍:オリジン」がファンのみならず話題になった、轟焦凍(とどろきしょうと)役の梶裕貴に、同編を振り返りながら、さらなる戦いが待ち受ける後半戦(第2クール)への意気込みを語ってもらった。

――まずは「ヒロアカ」第2期前半戦「体育祭編」を終えての手応えはいかがですか?

梶:第2期になってようやく、轟のドラマが動き出したなという印象です。第1期では漠然と「クールで強くて、カッコイイ」という印象が強かった彼ですが、当時、すでに原作を読んで「体育祭編」以降の物語も把握していたので、そういった表面的なものだけじゃなく、今後の展開を匂わせるようなものも込めていたつもりです。とはいえ、轟は感情をストレートに表に出すタイプでもなく、第1期はそれほど見せ場も多くなかったので、やはりフラストレーションは溜まっていましたね(笑)。そんなこともあって、第2期では、本当の意味で彼を演じることができはじめたのかなと思っています。

――「本当の意味で轟を演じられた」と感じた、最初の瞬間とは?

(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

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梶:まだまだ轟も変化のさなかにある人なので、正直なところ、今でもフラストレーションを感じることはあるのですが、やはり「体育祭編」トーナメントバトルでの、緑谷との直接対決からですね。緑谷(出久)が放つ覚悟や言葉……そのすべてに、轟の本質を引っ張り出してもらったという手応えがあります。轟の「目に見える感情」が、炎の力だったのかなと。自ら凍りつかせていた轟の心に、緑谷が火を灯してくれたように思います。

――轟というキャラクターに、ご自身が共感できるところはありますか?

(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

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梶:彼は10代半ばという、子どもから大人への過渡期にある、複雑な年齢です。誰しもそのくらいの年ごろって、メンタルがデリケートになったり、周囲に攻撃的になってしまったりすると思うんです。轟は、親からの期待や、周囲からの視線が重荷になったりしていましたが、僕自身にも、同性である父親に対して「超えたい壁」としての対抗意識や、理由のわからないイラ立ちを感じていましたし、また、そんな存在である父がいる中での、母親に対する複雑な思いを抱えていた時期もありました。でもそんな経験もあったからこそ、当時の自分の記憶と重ね合わせて、轟が感じている痛みをリアルに表現することができたと思っています。生々しく、キレイなだけではない、ドキュメンタリー顔負けの人間ドラマも「ヒロアカ」という作品が持つ、大きな魅力だと思います。

――「体育祭編」を振り返り、描かれたテーマとはどんなものだったと思いますか?

梶:キャラクターそれぞれにテーマがあるのが「ヒロアカ」のおもしろいところではありますが……「体育祭編」は、「個性とは何か」ということを、改めてひとりひとりが考えさせられたシリーズだったのではないでしょうか。自分の能力をどう使ったら勝ち上がれるのか……本当の意味で自分の「個性」と向き合わなければ、先には進めない。轟について言えば、それは「炎の個性」を解き放つこと。「氷の個性」だけでは緑谷に勝てなかったと思います。

――では、そんな「体育祭編」での名ゼリフ、名シーンを選ぶとするなら?

梶:「ヒロアカ」は名言、名場面の連続なので、とても難しい質問ですね(笑)。そんな中でも、騎馬戦は、たくさん登場するキャラクターたちの「個性」が、能力、キャラクター性の両面から、存分に発揮されたエピソードだったと思います。チーム戦ということで、各人の得手不得手が浮き彫りになったところもおもしろかったです。

そして、やはり対緑谷戦。緑谷が口にした「君の力じゃないか!」や、轟の「俺だって ヒーローに……!!」は胸に刺さったセリフです。ほかにも、病院で「お母さん」と声をかけたシーンは印象的ですね。彼が長年、内に秘めてきた思いを、その一言でどう表現しようか、かなり考えてお芝居しました。病院の空気感や、扉の前で緊張している轟の鼓動が、リアリティをもって伝わるようにと心がけました。

表彰式でオールマイトに自身の迷いを吐露するシーンもそうですが、第2期では轟の人間らしさが少しずつ表れてきて、より魅力的なキャラクターに成長したなと思います。僕がお芝居に対して醍醐味を感じるのは、感情が表に出てくる瞬間です。轟も「体育祭編」を通じて、やっと感情の“ブレ”を表現できるようになってきたので、今後ますます彼を演じるのが楽しみですね。

作品情報

僕のヒーローアカデミア(第2期)

僕のヒーローアカデミア(第2期) 47

ある事件をきっかけにNo.1ヒーローのオールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。出久は...

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