2017年10月31日(火)08:00
原恵一監督「エスパー魔美」は演出家としての信念貫いた原点「最後までブレなかった」
ティーチインに出席した原恵一監督
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原恵一監督が10月29日、第30回東京国際映画祭の特集「映画監督 原恵一の世界」で、「エスパー魔美」のTOHOシネマズ六本木ヒルズでの上映後にトークショーを行った。
上映されたのは、初めてチーフディレクターを務めたテレビシリーズの第54話「たんぽぽのコーヒー」と第96話「俺たちのTONBI」、映画デビュー作で「映画ドラえもん のび太のパラレル西遊記」の併映作だった1988年「エスパー魔美 星空のダンシングドール」の3作。約2年半続いたテレビシリーズからの選出は、原監督自らが行った。
当時は20代後半でテレビの「ドラえもん」の演出を担当しており、チーフへの抜てきは異例だったが「絵コンテを描いたのが師匠と思っている芝山努さんで、演出の1人として参加したいと手を挙げたら、プロデューサーに昼飯に呼ばれてチーフと言われた。挑戦的なタイトルだったので、若い人にやらせてみようということだったと思う」と推察。しかし、「オンエアの初期は原作のエピソードを使っていたが、なくなっていくとオリジナルでストーリーを作り始めなければいけない。そうなると藤子・F・不二雄先生の素晴らしさを思い知らされた」という。
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しかも、「藤子先生にとっても挑戦だったと思う」と、主人公の魔美が画家である父親のヌードモデルをしているなど斬新な設定を踏襲。「中2の女の子の日常を描きたかった。超能力少女ものにはしたくなかった」という信念が、スタッフとの衝突を生むことも多く「何をやってもダメ出しされる。頭にきたヤツをぶん殴って、国外逃亡しようかと思ったこともあった」と苦い体験も披歴した。
映画でもその思いを貫き、「のめり込みすぎて子どもの観客を一切考えず、マジメなドラマとして作ってしまった。映画館に見に行って、子どもが退屈して大騒ぎしていたので、子どもは我慢しないんだということを知った」と苦笑い。それでもテレビ、映画を通じて「最後までブレずにできたと思う」とその後の糧になったことを強調。そして、「藤子先生の中でも代表作のひとつ。オンエアできなかった原作もあるので、読んだことのない人は読んでいただき、こんな挑戦的な素晴らしい作品があったことを知ってもらいたい」と話していた。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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