2018年5月25日（金）20:00

和氣あず未＆高野麻里佳ら5人が語る「ウマ娘」のこれまでとこれから (2)

スペシャルウィーク

イメージを拡大

レースごとに、さまざまなドラマが生まれた。和氣の心に強く刻まれたのは、「やはり5話の日本ダービー」。ファンの盛り上がりも感じていたようで、「史実とは違い、エルコンドルパサーが参戦するため、4話を見てくださった方は『5話（のレース結果は）どうなるのだろう』と期待されたと思います」と熱弁をふるい、「私も何回も見ちゃうくらい、熱い戦いだった」と噛み締める。

鬼頭も日本ダービーに一票。「セイウンスカイの本気が見られたなって。負けちゃったけど、本気が伝わってきました。『失敗するのが嫌だから頑張らない子』が頑張って、でも結局負けちゃって。すごく悔しかったと思う。でもそういうことがあったからこそ、次につなげられる。ここから成長するんだろうなということが見えて、楽しかったです」。

高野は、8話のトレーナーの言葉に「スズカの未来への希望」を見出した。7話でアクシデントに見舞われたスズカ。「あの後で『どうやってスズカが立ち上がっていくのか』という想像ができないからこそ、8話と9話は大事だったと思う。そこでトレーナーさんがスズカに『もっとお前で夢がみたい』と言ったんです」と述懐し、「これからの希望が持てるという意味で、大好きな話数です」とほほ笑んだ。

8話のもうひとつのハイライトが、宝塚記念でのスペシャルウィークとグラスワンダーの直接対決。前田は、「グラスはスペちゃんのことを友達として、ライバルとして認めているからこそ、一緒に走りたいし、全力の勝負がしたいのに、スぺちゃんは『スズカさん、スズカさん』と言っていて。あんなに悲しいことはありませんでした」と寂しそうに話し、「まだちょっとだけ怒ってます（笑）」と自虐交じりに笑いを誘う。「でも、これでスペちゃんが何かに気付いて、さらに強くなってくれるといいなと思う回でもありました」

ウマ娘たちが激闘を繰り広げるなか、どこまでもマイペースだったのがハルウララ。4話では、高知でのデビュー戦から帰還したハルウララが5着だったことを無邪気に報告する場面がある。「ウララちゃん（ハルウララ）は勝ったことがないのですが、落ち込んだりはせず、『次は勝てるよ』みたいな。他のキャラクターみたいに『勝たなきゃ』と思ったり、嫉妬したりすることはなくて。『勝てたらいいな』と、すごく前向きで単純。負けても負けても『頑張ろう！』という姿に励まされています」（首藤）

サイレンススズカ

イメージを拡大

9話の＜スピカ＞の合宿では、スペシャルウィークとサイレンススズカの問題が浮き彫りになり、2人の関係が大きく変わっていく。

和氣「合宿でトレーナーさんに『お前たちが一緒にレースに出て、一着争いをしているところが見たいんだ！』という熱い言葉をかけられるんです」

高野「2人が喝を入れられたところね」

和氣「そうです。それまでスぺちゃんはスズカさんのことしか頭になくて、スズカさんの笑顔が見たくて走っていたけれど、その言葉で『日本一になるという夢があるんだ』と思い出す」

高野「8話と9話のスズカは、周りの気遣いや、『そのうちよくなるかもしれない』という曖昧な希望に甘えてしまっていた。そんなスズカを見ているのは辛かったので、トレーナーさんが一喝してくれたことは、すごくうれしかった。『サイレンススズカという馬は、誰よりも速くなければいけない』というのがファンの皆さんの願いであり、トレーナーさんの願いでもあると思う。その思いがスズカを奮起させたシーンでした」

そして、2人は再び走り出す。「先に走り出したのはスぺちゃん。その背中を見ているスズカという図が、悔しいような……でも感動させられました。やっぱりその瞬間に、2人はライバルになれたのだと思います」（高野）