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インタビュー 2018年9月7日(金)19:30

梶裕貴、待望のアニメ化「曇天に笑う 外伝」で見た“もうひとつの晴天” (2)

――テレビシリーズから演技プランの変更はありましたか。

(C)唐々煙/マッグガーデン・曇天に笑う外伝製作委員会

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何かを大きく変えたということはないです。月日がすごく経っているというわけではないし、未知なる力を手に入れたわけでもないので(笑)、あくまでテレビシリーズの延長線上です。ただそのなかでも、空丸は一番成長したキャラクターのように感じていますし、後篇のなかでも成長した姿を見せています。そういった点を踏まえて、ひとつひとつのシーンにふさわしいものを提示していきました。

僕自身、空丸の成長はとても強く感じていますが、まだまだ本人ははがゆい思いをしていたり、足りない部分や天火に及ばないところ、未熟なところがあったりもする。でも、それも彼の伸びしろだと思うので、そういった意味でも空丸らしさが詰まっている話だったと思います。

――今作では大蛇実験をめぐる“ある事件”が発生し、空丸が中心となって真相究明のために動き出します。「兄に及ばない」ながらも奮闘する弟たち。外伝において、三兄弟の関係性はどのように変化したと思われますか。

基本的には変わりません。やっぱり天火は圧倒的。追いつきたいけど追いつけない、でも追い越したい。ただ天火の体のことがあるから、空丸と宙太郎のなかに「もっと自分たちがしっかりしていかなきゃいけない」という思いが芽生えている。今作の騒動を乗り越えたことで、天火も「曇神社の15代目を空丸に任せられるな」と認めてくれたのだと思います。「兄弟の関係性の変化」という意味で言えば、もともとあった絆が、より親密で高尚なものになったと言えるのではないでしょうか。

――兄弟の絆はもちろん、空丸にとっては「曇神社の15代目当主としての真価」が問われた作品ともいえますね。

テレビシリーズから数えて、足かけ約4年間付き合ってきた空丸が、ずっと憧れてきた兄から「強くなったな空丸」と言ってもらえて、15代目を任される。そして最後に晴天の滋賀の空の下で笑う姿が見れたことが、演じてきた空丸と心を重ねてきた自分にとっての、ひとつのゴールだったような気がします。

――外伝まで描いたことで、本当の意味での世代交代が成されたと言えるのかもしれませんね。

(C)唐々煙/マッグガーデン・曇天に笑う外伝製作委員会

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そういった意味でも、是非ご覧いただきたい作品です。作品を見守り続けてくださった視聴者の皆さんも、ずっと曇天のなかで笑ってきた彼らが、晴天の琵琶湖を前に笑っている姿を見た時、報われたような気持ちになるのではないでしょうか。外伝と言いながらも、ここまで含めて「曇天に笑う」という、ひとつの物語だったように思えます。

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作品情報

曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~

曇天に笑う<外伝> ~桜華、天望の架橋~ 2

長男、天火が大津を離れ、空丸と宙太郎が家名を継ぐ重さを実感し始めた頃。鍛錬に励む空丸と武田を、尋常ならざる何者かが襲撃する。男の力と身のこなし、そして笑い方は、天火とどこか似ていた。しかも、その...

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