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インタビュー 2018年10月2日(火)19:00

「薄墨桜」桂正和が明かす平安“和”デザインへのこだわりと“牙狼・陣”誕生秘話 (2)

(C) 2018「薄墨桜」雨宮慶太/東北新社

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――「薄墨桜」に登場する牙狼は、「紅蓮ノ月」で桂さんがデザインしたパワーアップ版の牙狼“牙狼・陣”と同一のデザインに見えますが、変更点はあるのでしょうか。

桂:実は、鎧のヒダがひとつ減って3つになっています。3DCGにしたときの動かしやすさを考慮した変更で、動いていれば気づかないかもしれませんね。もとはといえば美術デザインを担当している竹谷(隆之)君が悪いんですよ。僕は奇数が好きで、3つのリズムを絵に取り入れることが多いのですが、竹谷君が3つじゃ迫力が足りないというんです。それで「紅蓮ノ月」では4つにしたのですが、「薄墨桜」で結局3つになりました(笑)。
 牙狼・陣といえば、デザインが仕上がりつつあった頃に、雨宮さんが突然「背中に帯(仁王だすき)を締めよう!」と言い出してラフを渡してきたので、帯を追加したんです。僕としても「なるほど、今までのどの牙狼とも違うな」と、仕上がりに満足していました。ところが、そのデザイン画はイベントで公開されたものの、映像としては「紅蓮ノ月」最終回で光の放出として表現されたのみだったので、今回の「薄墨桜」ではフル活用しています。
 余談ですが、牙狼・陣は、平安時代ではなく、さらに時代を下った戦国時代の鎧甲冑がモチーフになっています。というのも僕の中では、牙狼の姿を目撃した人々がその姿を語り継いで、後の世に鎧甲冑を作り上げた、というふうに考えていて。あわよくばフィギュア化されたときのことも考え、3次元的な整合性も取れるようにしたので、数カ月間にわたって試行錯誤することになりましたが、その甲斐あって、牙狼・陣のデザインはとても気に入っています。胸の装甲は、「マジンガーZ」のブレストファイヤー(放熱板)のオマージュです。

桂正和氏が描いた「雷吼」デザイン

桂正和氏が描いた「雷吼」デザイン

(C) 2018「薄墨桜」雨宮慶太/東北新社

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――雷吼の着物にも、似たような形の模様が描かれていますよね。

桂:それは、あんまり関係ないかな(笑)。その模様は赤色ですが、炎ではなくて煙で、本当は白くしたかったんです。煙とか雲とか、和的な不思議なもの……いわば幽玄を表現した模様なんですよ。これは僕の悪い癖なのですが、巨匠みたいに自分から「これで決定」ってなかなか言えない。数パターン用意して、それを選んでもらうことが多いんです。この時も白と赤とを提示して、選んでもらったら赤になっちゃった。先行する「牙狼〈GARO〉‐炎の刻印‐」のイメージとかぶるかなとも思ったのですが、多少ならいいかなと。雷吼の服装について、今でも多少心残りなのは、江戸時代の匂いがすること。リアルを追求するならボロボロの着物になりますが、地味にしすぎても主人公らしくないですから、難しいサジ加減ですね。

――「薄墨桜」では、桂さんがキービジュアルも描かれています。これはいつ頃、手がけられたものなのでしょうか。

桂:ごく最近、すべてのストーリーを知ったうえで描きました。「牙狼」のポスターというと、黒と金のメリハリある感じが特徴的ですが、今回のキービジュアルではそこから離れて、タイトルにもある“桜”をメインに、優しさのなかに一抹の悲しさが感じられるような1枚にしたいと考えました。妖しげな美女が大きく描かれているというイメージが最初に浮かんだので、それを形にしています。ポスターなどに収めるために現在のバランスにしましたが、僕のイメージとしては、これでもまだ明羅の大きさがぜんぜん足りていないんですよ。「ものすごく大きな力の中に、雷吼たちが放り込まれている」ということを表現したかったので。また、明羅と時丸の色合いを近くしておいたことが功を奏して、統一感が出せたのは幸運でしたね。同じ色であるがゆえに、混ざって見えてしまうというジレンマもありましたが。

――変身ヒーローもののキービジュアルなのに、主役ヒーローである牙狼がいないのも、逆に印象的です。

桂:それは「紅蓮ノ月」でもそうでしたね。僕が描くキービジュアルには牙狼がいない。というのも、僕は「牙狼」シリーズの主人公が“黄金の鎧”だとは考えていないんです。「仮面ライダー」との決定的な違いはそこで、「牙狼」シリーズのおもしろさの軸となるのは、あくまで登場キャラクターの人間性だと思っています。それが自然と絵にも現れてくる、ということでしょうね。

――「紅蓮ノ月」「薄墨桜」で、特にお気に入りのキャラクターはいますか。

桂:僕は藤原道長が好きですね。特に「薄墨桜」では、彼の本性がよく表れていると思います。「紅蓮ノ月」ではあまり描かれていなかった一面ですが、もともと僕は、道長はああいう男だと思っていたんですよ。また、自分がデザインしたキャラクターの中では、番犬所の稲荷たちがスマッシュヒットだと思っています。背面から見ると狐に見える衣装は、夜祭で子どもたちがお面を頭の後ろに回してかぶっているのをイメージしていて、それに和人形がもつ一種の不気味さを融合させて生まれたデザインです。

――完成した作品を見て、「薄墨桜」の魅力はどんなところにあると思いましたか。

桂:「紅蓮ノ月」から引き続き、平安時代で、あの牙狼の戦いを見られたのは、おもしろい体験でした。「薄墨桜」では、各キャラクターの個性が「紅蓮ノ月」から、より掘り下げて描かれています。雷吼と金時はいつもどおりのコンビですが、星明や道長は、さらに“キャラクターが立った”のではないでしょうか。とても上質なSF時代劇ですし、平安時代の京がかもし出す独特の空気感が、美しい映像で、よく表現されていると思います。ぜひとも劇場に足を運んで、大画面でご覧いただきたいです。

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薄墨桜 -GARO-

薄墨桜 -GARO- Check-in2

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