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インタビュー 2018年10月3日(水)19:00

「色づく世界の明日から」石原夏織と本渡楓の役づくり 演じるというより素直に感じた気持ちで

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P.A.WORKSと篠原俊哉監督によるオリジナルテレビアニメ「色づく世界の明日から」。物語は、魔法使い一族の末えいで色覚をなくした月白瞳美が、祖母・月白琥珀の魔法で2018年の長崎に送り出されるところからはじまる。瞳美は、この時代で自分と同い年の17歳の姿をした琥珀、絵を描くのが好きな少年・葵唯翔らと出会い、自らの“色”を取り戻していく。月白瞳美役の石原夏織(写真左)と月白琥珀役の本渡楓に、オリジナル作品ならではの役との向き合い方を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)

――本作には原作がないため、キャラクターの絵やシナリオなどで、はじめて作品に触れたと思います。最初の印象はいかがでしたか。

石原:オーディションの段階で、キャラクターの絵と世界観をざっくりと説明した文章にふれたときからとても惹かれて、「素敵な世界だけれど、すごく切なくてリアルなのだろうな」と感じました。この世界に関われたらいいなと思いながらオーディションをうけていたので、役が決まったときはうれしかったです。

本渡:私も最初に資料をいただいたときからワクワク感があって、きっと真面目に人間関係を描くタイプの作品なのだろうなと感じていました。コメディシーンはもちろん楽しくやるけれど、同じぐらい登場人物の人生を深く掘り下げるのだろうと。そうしたシリアスな作品に携わることが自分の目標のひとつだったので、琥珀を演じることができたら、きっと楽しい勉強の日々が味わえるのではないかと思ったのを覚えています。

――1話は瞳美を中心に話が進んでいきます。どのように役にアプローチされていったのでしょうか。

石原:オーディションのとき、自分としてはかなり抑えていたのですが、そこからさらに「自分の常識がくつがえるぐらい抑えていい」「演じるというより、素直に感じた気持ちでやってほしい」とのアドバイスをいただきました。どこまでアニメで描かれるかは分かりませんが、瞳美の生い立ちなども聞いて、昔の自分を思い出しながら取り組んでいます。
 瞳美は線が細く内向的で、物事をハッキリ言えるタイプではありません。そのハッキリ言えないところが「抑えて」というアドバイスに通じていたと自分では思っています。モノローグでは自分の気持ちをきちんと言葉にできているのに、周囲と会話するときは思ったことが上手く言葉にのっていかない。そんな、か細い感じを意識しました。

本渡:私が演じる高校生の琥珀は少し先の登場で出番はありませんでしたが、1話のアフレコを見学させてもらいました。ピチピチするような若さがあふれる青春模様の雰囲気があって、ここに途中から飛び込むのだなと引き締まりましたし、自分のなかでは、瞳美を送り出す琥珀おばあさんを島本須美さんが演じられる姿を生で見ることができたのは、とても大きかったです。
 琥珀は自分にとって理解しやすい元気な子で、考えが見えやすかったです。あまり悩むことなく近しい気持ちで話すようにしています。彼女の行動に嘘や他意がないようにするため、楽しいと思ったら「楽しい」と素直に言葉がだせるよう自分自身の気持ちをもっていく努力をしました。

(C) 色づく世界の明日から製作委員会

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――石原さんは、篠原俊哉監督の「凪のあすから」にも出演されています。テイストは異なりますが、共通する雰囲気を感じることはあるでしょうか。

石原:「凪のあすから」のときも強く感じましたが、篠原監督の作品は舞台がファンタジーでも、お話はリアルです。キャラクターのセリフも緻密に決めこまれていて、「色づく」でもそうした部分が似ているなと思いました。
 篠原監督の作品には、聴いていて「ん?」と思わせる言葉遊びのようなセリフがあるのも印象的です。どうしてこの流れでこのフレーズがでてくるのだろうと思うのですが、なんとなく分かるし、なんだか懐かしい気持ちにもなるんですよね。唐突だからこそ、いい意味でフックになるというか……。先の話数になりますが、とあるキャラクターが怒ったときに「だから、○○君は机を茶色にしちゃうんですよ」みたいなことを言うんですけど、そうしたセリフまわしに篠原監督らしさを感じました。

本渡:台本を読むたびに心をくすぐられるというか、どうしてこんなに懐かしい気持ちを思い出させてくれるのだろうと感じています。そうしたところが篠原監督ならではの人間ドラマなのでしょうね。放送後の皆さんの反応が今から楽しみです。

――作品にちなんで、お2人が好きな色を、できたら好きになった理由と一緒に聞かせてください。

石原:迷いますね……。私は原色全般が好きで、なかなか絞れないのですが、緑と青でしょうか。私は季節だと夏が好きで、とくに青い空と自然の緑が組みあわさった構図を見ると自然とテンションが上がって元気になります。そんな夏をずっと待ち望んでいるタイプなので、きっとその2色が好きなのだろうなと。服は赤が好きなのですけれど。

本渡:奇遇だなと思いながら石原さんの話を聞いていました(笑)。私は1色と言われたら赤で、複数と言われたら赤と緑、そして最近好きになったのが青なんですよ。3色とも一緒だと思って、うれしくなりました。

石原:すごい!(笑)

本渡:赤は小さな頃から好きで、戦隊ものとかだとセンターは赤じゃないですか。それが格好いいと思って、「じゃあ楓も赤が好き」みたいなところからはじまったはずです。今も好きなのは、見ているとメラメラしてきて「やるぞ!」って気持ちにさせてくれるからですかね。赤い色の食べ物もわりと好んで食べていて、なかでも唐辛子が好きなので、そういう意味でも赤はいいなと思っています。

――1話をどんなふうに楽しんでもらいたいと思われますか。

石原:1話は、未来からきた瞳美がどんな人物かよく分かるエピソードになっています。いきなり60年前の時代に連れてこられて戸惑い、彼女の性格的なこともあって、まわりとうまくなじむことができませんが、彼女が変わっていくきっかけとなる大事なポイントもふくまれていて、そこから物語が加速していきます。
 瞳美以外の子たちも、いろいろなことを考えて日々の生活を送っていることが徐々に分かってきますので、各キャラクターに注目してもらうと、いろいろな感情がみえるのではないかと思います。そんなふうに物語全部を楽しんでいただけたらうれしいです。

作品情報

色づく世界の明日から

色づく世界の明日から 116

物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔...

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