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ニュース 2018年12月13日(木)20:00

「君の名は。」新海誠監督の3年ぶり新作、完成前に全世界公開決定 物語は「賛否が分かれる要素も」

最新作「天気の子」は19年7月19日公開

最新作「天気の子」は19年7月19日公開

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「君の名は。」などで知られる新海誠監督最新作「天気の子」の会見が12月13日、東京・帝国ホテルで行われ、新海監督をはじめ声優を務める醍醐虎汰朗森七菜、プロデューサーの川村元気氏、川口典孝氏が出席した。

全世界興行収入400億円を記録し、米ハリウッドでの実写化も決まっている大ヒット作「君の名は。」以来、約3年ぶりとなる新海監督の新作。前作でもタッグを組んだ川村氏は、「完成前から、全世界から配給のオファーが来ていまして、まちがいなく全世界配給になる。前作があまりにも大きい成功だったので、改めてチャレンジャーとして、どんな作品がつくれるかを主眼に置いています」と期待をあおり、「欧米やアジアも南米も、全世界に公開することが決定している状態です。今回は作品自体も、物語やテーマの部分が、より世界に受け入れられるかなと思います」と含みを持たせた。

物語の主人公は、離島から家出し、東京にやってきた高校1年生の森嶋帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な生活の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。雨が連日降り続けるなか、都会の片隅で1人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟と2人でたくましく生きる天野陽菜。彼女は、祈るだけで天気を晴れに変えられるという、不思議な能力を持っていた。

天候が狂っていく時代を舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールを紡ぐが、新海監督は着想のきっかけを問われ「『君の名は。』でいただいた経験が大きかった」と切り出す。「プロモーションがつらかったんですよ。夏の映画だったので暑いし、あっちに行ったりこっちに行ったり、いろんな人にいろんなことを言われる。町中で感想を聞いたり、すごく大きなサイズの映画になったと実感し、消耗する2016年の夏でした。そんなとき、空の積乱雲を見ていました。成長しきった積乱雲は(頂点が)平原のように横に広がっていく。『雲の平原でゆっくりできたらいいな』と思ったのがビジュアル的なきっかけ」と明かし、「次に何をやろうかと考えたとき、誰もが『これは自分の物語だ』と思えるものにしたかった。それは天気じゃないかと思った」と振り返った。

さらに新海監督は、今作を「どエンタテインメントです。笑えるし泣けるし、ワクワクするし、知的好奇心も刺激される」と宣言。一方で「賛否が大きく分かれる要素もあります。そこは『君の名は。』でやらなかったチャレンジ」とも語り、「主人公の男の子は模範的な少年ではなく、世の中の規範から外れていってしまう。映画では『社会ではこう生きるべきだ』とは語っていません。そこを叱られたりするかなと心配していると同時に、もしかしたら皆が見たいのは、正しい人間よりも、正しくあろうと思いながらも規範どおりに行動できず、必死に何かに手を伸ばす人を描く映画なのかなと。ポジティブな部分と、手放しでは褒められない部分が混じった映画」と複雑な胸中を吐露した。

それでも川口氏は、「コンテをスタッフに見せると、みんなボロボロ泣いている」と太鼓判。川村氏も「ものすごいヒットの後、監督はシュールな作品にいきがち。新海さんもそうなるかと思ったら、ど真ん中のエンタメ作品が来た」と前置きし、「新海さんの空、雲、雨の描写は、前作でもいかしきれていなかったところ。どんな雨や雲、空を描くんだろうと、僕自身が楽しみにしています」と笑顔を見せる。また注目の音楽については、新海監督は「音楽のやり取りは(担当と)1年以上密接にやっています」と話すにとどめた。

天気の子」は、2019年7月19日から公開。

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天気の子

天気の子 13

「あの光の中に、行ってみたかった」。高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼...

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