2019年1月10日(木)18:00
「劇場版Fate/stay night [Heaven's Feel]」リレーインタビュー(4)中田譲治&関智一 “僕いちばん”と思っているのがギルガメッシュ (2)

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―― 関さんと中田さんは、役にたいするアプローチが違いますね。中田さんはご自身の役以外のところまで作品を深く理解しようとされている印象ですが、関さんは直感的に演じられているといいますか。
関:いい加減ですみません(笑)。
中田:いやいや、僕は劣等生なので……(笑)。
―― いえいえ、とんでもないです。対照的な役の取り組まれ方をしていて面白いなと思いました。関さんは、他の役柄のときも直感的なとらえ方をされているのでしょうか。
関:「この役はこんな感じだから、こうやってやろう」と計画を立てることはあまりないと思います。作品の把握についても、作品の主軸となるキャラクターとして出る場合は自ずと全編に携わることが多いですけど、そうでない場合は全てを追うことは少ないです。実際、一緒にやる相手の雰囲気によっても変わってきますし、あまり深く考えすぎないように臨むといいますか。大きな流れは把握していきますが、あとはその場の雰囲気にあわせながらやるという感じです。
中田:いつ出ても、ギル節がでるのはさすがだよね。
―― 細かいところをあえて把握されていないから、いつもと変わらないギルガメッシュがでてくるのかなと思いました。
関:そうかもしれないですね。ギルガメッシュって、自分が頂点だと思っているじゃないですか。些末(さまつ)なことは気にせずいつも同じままで、だから突拍子もないことをされたら普通に驚いてそのまま倒れてしまうっていうパターンが多いですよね。彼が「こんなこともあろうかと」みたいに準備しておくことはないですし。なので、「“僕いちばん”って思っていればいいんだろうな」と考えているところはあります。
―― たしかに、ギルガメッシュの言葉には裏がないですね。
関:中田さんの演じる綺礼のほうが策略をめぐらせているイメージなので、そういう意味でもいいコンビだと思います。こちらは不遜にふるまって、それがうまくいけば自分のペースになるし、向こうのほうが上手(うわて)だったら、そのまま……っていう。

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―― 中田さんは、「Heaven's Feel」の物語をご自身なりに掘り下げたうえで、役をつくられているのでしょうか。
中田:それが逆に枷(かせ)になって、かえって自分を窮屈にしているのかもしれないという反省もあるのですけれど(苦笑)。それはそれとして、綺礼は「Fate/Zero」でギルに触発されて“愉悦”というものに目覚め、それまであった迷いから覚めているのが今の綺礼であって、かつての彼とは違うだろうという意識はあります。「Heaven's Feel」では、もう少し余裕がでてきて、これまでとは違った楽しみ方をしている印象が僕のなかにあったので、その辺りがこれまでとは少し違うのだろうという大雑把なつかみをもっています。
―― 長い間キャラクターを演じられてきて、「Fate」シリーズの魅力は、どんなところにあると思われますか。
関:惰性な感じで応援されていないなとよく感じます。ずっと勢いが衰えていないといいますか。アプリゲームの「Fate/Grand Order」の影響もあるのでしょうけど、アニメを知らなそうな人からも、「ギルガメッシュを使っています」「“雑種”と言ってください」みたいなことを言ってもらえて、演じている側としてはすごくありがたいです。手前勝手なことを言うと、ああいう一言をいただけるととても楽なんですよね。名刺代わりにギルガメッシュっぽい何かをと言われたときに、“雑種”というセリフはとても便利で(笑)。
―― なるほど(笑)。ワードも短いですものね。
関:これはやっぱり、原作のゲームをつくられた方が面白い言葉を選ばれた結果だと思います。“雑種”という言葉で喜んでもらえるのはうれしいことです。
―― 中田さんは、「Fate」シリーズの魅力はどんなところにあると思われますか。
中田:伝奇的なものが皆さんお好きということもあるでしょうし、あとやっぱり聖杯システムというものを考え出した時点で、“約束された勝利”があったのだろうなと思います。世界中に散らばっている魅力的な英雄譚を全部とりこんでサーヴァントとして召喚できるわけですから。また、関さんが言われたように、奈須(きのこ)さんをはじめとする作家の皆さんが、そうした英雄たちにいい色付けをされるわけですからね。「Fate」シリーズの中核にある聖杯システムは、とても素晴らしいアイデアだと思います。
―― 最後に、お話しできる範囲で第2章の注目ポイントについて聞かせてください。
中田:「Heaven's Feel」の長い物語を第2章でどこまでまとめるのか、皆さん楽しみにされていると思います。台本が本当に分厚いんですよ。台本を読んだ僕としては、後半はもう一気呵成のテンションでアドレナリンが上がりまくるものになるんじゃないかと思っています。ぜひとも楽しみにしていただきたいです。
関:第2章のギルガメッシュについて具体的なことは話せないのですが、きっと彼の意外な面を見ることができると思います。僕自身アフレコをしながら、とてもビックリしましたから。
作品情報
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劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] ll.lost butterfly
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