2019年5月23日(木)19:00
「鬼滅の刃」兄妹コンビの花江夏樹&鬼頭明里 原作のセリフをアニメで演じられる喜び (2)
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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――鬼頭さんは禰豆子を演じるにあたり、どんなところを工夫されたのでしょうか。
鬼頭:原作や台本を読むと、禰豆子は本当に家族思いで、炭治郎にとってはいい妹であり、下の子たちにとってはいいお姉ちゃんなんだなと伝わってきました。そうした点を強く意識して、1話冒頭の炭治郎が出発するところなどは彼女の優しさをだすように心がけました。
鬼になってからは、オーディションのときから「獣のような感じで」と言われていたので、獣の鳴き声やうなり声に聞こえるよう意識してやっています。もう人間であることはあまり考えずに、感情のおもむくままにうなるといいますか……喉の痛みなども気にせず毎回思いきりやっています。
――鬼になった直後の禰豆子は理性がまったくないように見えますが、途中から獣が人になつくように少し意識があるように見えるシーンもでてきます。
鬼頭:鬼になる前の禰豆子と、その後の禰豆子がもつ感情はおそらく違うんじゃないかなと自分なりに考えながら演じています。竹をくわえながらしゃべるシーンでは、自分の指をかみながらやるなどして、いろいろ試行錯誤しながらやっています。
戦闘シーンでないときの禰豆子には、かわいらしくてコミカルなシーンもあるので、その塩梅をどのぐらいだすかには気を配っています。どのぐらいデフォルメしていいのかという問題もあって、戦闘シーンよりも普段のちょっとしたリアクションを入れるときのほうが難しいです。
花江:鬼になっても炭治郎にとっては大事な妹で、でも声がでないから懐に入ってくるようなかわいらしさがあって、そんな禰豆子と話すときはお兄ちゃんらしさがでるんですよね(笑)。2人が話しているときは、ほのぼのとした雰囲気もでているんじゃないかなと思います。
――劇場公開もされた5話までを拝見すると、炭治郎の修行だけでまるまる1話使うなど原作にあるエピソードを飛ばさずに映像化されているのが印象的です。
花江:ゆっくりやってもらえるのは、とてもうれしいことですよね。原作ファンの方々のなかでも、好きなシーンやセリフって人それぞれのはずですので、ゆっくりやることで「アニメになって、キャラクターが動いたり、しゃべったりしてよかったな」と多くの方に喜んでもらえているんじゃないかと思います。
(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
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――修行を終えて最終選別をひかえた炭治郎に、鱗滝左近次が食事を振る舞うところなどはアニメオリジナルの描写ですよね。
花江:原作を補足するようなかたちで、アニメで描きたされているところもあります。今言っていただいたところの他にも、1話冒頭の家族のやりとりや、3話の修行のところなどもより細かく描かれています。それによって、例えば1話では家族が亡くなった悲しみがより伝わってきたんじゃないかと思います。
鬼頭:原作ファンの方にも、アニメではじめて見る方にも、より楽しめるようにつくられていると思います。私自身、原作を読んでいて好きなセリフがたくさんあったので、まだアニメ化されていないところを読んでいても、「あ、ここもアニメになって声が聴けるんだろうな」と思えるんです。
――完成した映像を、はじめてご覧になったときの感想を聞かせてください。
花江:僕は自分のでた作品を何回も見ることはあまりないんですけど、「鬼滅の刃」は何回も見ちゃうんですよ。BGMの入り方や画面の細かい描きこみなど、見るたびに新しい発見があるんですよね。オンエアを見ていても圧倒されながらあっという間に終わってしまって、毎週すごいなと思わされています。
鬼頭:本当にクオリティが高くて、そんな作品にたずさわれてるのがうれしいです。アフレコ中から映画館での上映が決まっていると聞いていたので、絶対に見にいこうと思っていたんですよ。公開後、実際にひとりで映画館に行ってみましたが、やっぱり映画館で上映するにふさわしいクオリティだなとあらためて感じました。
――オンエア後、周囲から反響などありましたか。
花江:同業の方からは「原作を読んでいてアニメになったから見たけど、すごくよかったよ」とか「僕も出たい」とか(笑)、言っていただけました。友達からもオンエアの感想がLINEでたくさんくるのでうれしく思っています。
鬼頭:私も同業の方から「見てるよ」と言ってもらえてうれしく思っています。学生時代の友達には日常的にアニメを見る子が少ないんですけど、「週刊少年ジャンプ」作品ということもあって、「その作品、知っている」「出るなんてすごいね」というふうに言ってくれて、わざわざチェックして見て応援してくれるようになったのが、すごくうれしかったです。
――序盤の鬼を子安(武人)さんや緑川(光)さんといった方々が演じているのも印象的でした。アフレコ現場の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。
花江:ゲストの皆さんも、「鬼滅」の映像を見て力のいれようを知っているので、最初からすごく気合いの入ったいいテンションで入ってくださっているなと感じています。
鬼頭:戦闘シーン以外の禰豆子はあまりしゃべらないので、(アフレコブースの)後ろで見守っていることが多いのですが、先輩方の迫力をひしひしと感じています。皆さんが切磋琢磨しながら全力でお芝居されているのが伝わってきて、とても良い現場だなと思っています。
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――6話以降、炭治郎と禰豆子は任務に挑んでいくなかで、新たな仲間や敵と出会っていきます。演じられて、特に楽しかったところをお話できる範囲で聞かせてください。
花江:そうですね……。新しい任務ということで、新しくでてくる鬼たちとの戦いがとにかく格好いいので、そこはぜひ見てほしいです。また、我妻善逸と嘴平伊之助も途中から物語に加わりますので、2人と炭治郎のやりとりも加わります。3人そろったときに面白さがさらに爆発する! と思っていますので、そこも楽しみにしていてほしいです。
鬼頭:新しい仲間も加わりますし、鬼たちとの戦闘の仕方も毎回違っていて、アニメになったことですごいと思えるシーンが今後もどんどんでてきます。そういうところを楽しみに見ていただけるとうれしいです。
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