2019年8月18日(日)20:30
中国国産アニメ映画「Ne Zha」がメガヒット “6つのポイント”で動員増加
中国版ポスター
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7月26日に中国で封切られたアニメーション映画「Ne Zha(英題)」が、空前の大ヒットを記録している。映画.comのコラム 「どうなってるの? 中国映画市場」を連載している映画ジャーナリスト・徐昊辰(じょ・こうしん)氏が、ヒットへとつながった“要因”を紹介してくれた。
中国神話に登場し、藤崎竜氏の漫画「封神演義」の“ナタク”としても知られる少年神・ナタを主人公としたファンタジー。舞台となるのは、殷の紂王が悪政を続ける人界、そして仙界に分かれた世界。人界の状況を改善しようとする仙界では、闡教(せんきょう)の教主・元始天尊が、李靖将軍の第3子・ナタの肉体の中に霊珠を入れ、紂王を討伐させようとしていた。運命に導かれたナタは、そこから“ヒーロー”の道を歩み出す。
中国のエンタメサイト「猫眼票房」によれば、初日の興行収入は1億3900万元(約20億1000万円)、週末3日間では6億600万元(約91億5000万円)。現在も公開中だが、興収は既に30億元(約480億円)を突破し、最終興収は40億元(約640億円)に到達する見込みだ。この数字は、中国国内で公開されたアニメーション映画のなかで、歴代トップの興収記録を有していた「ズートピア」(2016年3月4日に中国公開)の15億3000万元(約245億円)を大幅に上回る結果となっている。
30億元突破を祝うために制作されたポスター
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“中国国産アニメ映画”の興行収入ランキングでも、堂々の1位に輝いた「Ne Zha(英題)」。ちなみに、これまで1位の座についていたのは、中国では16年1月29日に封切られた中米合作「カンフー・パンダ3」の10億元(約151億円)。続けて、「西遊記 ヒーロー・イズ・バック」の9億5600万元(約144億円)、「熊出没2019(Boonie Bears:Blast into the Past)」の7億1400万元(約108億円)、「熊出没2018(Boonie Bears:The Big Shrink)」の6億500万元(91億4000万円)」が並んでいる。
徐氏によれば、“6つのポイント”がヒットへと結びついたという。「中国人であれば誰でも知っているナタを主人公にしたこと」「中国アニメは、技術&ストーリーが“成長”し続けている」「宣伝に力を入れていた。『素晴らしい国産アニメだから、中国人であれば見なければならない』と愛国心を利用する手法もあった」「口コミの評判が高かった。ソーシャル・カルチャー・サイト『Douban(豆瓣)』では、8.6点の高評価(10点満点)」「公開時期を、中国の夏休み(7月1日~8月31日)に設定した点も功を奏している」「政府の規制によって、その他の“夏休み大作”が公開中止、もしくは延期に追い込まれた」と分析している。
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