2020年10月2日(金)19:00
「呪術廻戦」榎木淳弥が虎杖悠仁のセリフに感じた死生観と“考えこみすぎない”役作り
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「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気漫画を、MAPPAと朴性厚監督がテレビアニメ化する秋クール期待の1作「呪術廻戦」。宮城県の高校に通う虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)は、呪いをめぐる後戻りができない壮絶な戦いに身を投じていく。
虎杖を演じる榎木淳弥は、キャスト発表時に「真っ直ぐなキャラクターなので、演じるさいにはあまり考えこみすぎないようにしたい」というコメントを寄せていた。演じる選択肢を広くもち、キャスト同士の掛け合いから生まれる化学反応を大事にすることでキャラクターを掘りさげる。そんな“考えこみすぎない”役作りの一端を語ってもらった。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――役が決まった経緯を聞かせてください。オーディションを受けられたのでしょうか。
榎木:はい。事務所で役のセリフを録って送るテープオーディションを経て、スタジオで実際にスタッフさんの前で演技をすることになったのですが、そのときにひとりで演技するだけではなく、伏黒(恵)の役の候補の方と2人で掛け合いをするパターンもありまして。
――2人でどんな掛け合いをされたのでしょう。
榎木:虎杖と伏黒の2人で釘崎(野薔薇)を迎えにいく日常的なシーンと戦っているシーンがあったのを覚えています。アニメのオーディションはひとりでやることが多いので、そこを2人で掛け合いでもやるということは、どれだけ相手のセリフに反応できるかを見られているんじゃないかと思いました。自分としてはそこを大事にしながらやって、自分としてもひとりでやるよりしっくりきた感触があったので、掛け合いがあってよかったです。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
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――原作の漫画を読んで、どんな印象をもちましたか。
榎木:呪術がテーマの作品で全体的に暗い雰囲気があり、基本的に人が生きるか死ぬかという物語ですが、シリアスなシーンにもちょっとした小ボケのようなものがあって、それが独特な空気感をつくっているなと感じました。しかもそうしたコミカルな感じのシーンって、本来はそこでフッと力を抜くシーンになるところが、この作品の場合、今後のより重たい展開を予感させるものになることもあって「油断できないな」という気分にもなり、どこで何がおこるか予想できない作品だなと思いました。
そうした物語のなかで、虎杖は裏表がないまっすぐな性格な少年ですが、彼の中に両面宿儺という“爆弾”が入りこむことになります。彼の今後のことを考えると、とうてい明るい未来が待っているようには見えず、そこはかとない絶望感がただよっているようにも感じられました。
――原作漫画には各話の間の余白ページにオマケとして各キャラクターのプロフィールが書かれていて、虎杖は「微妙なモノマネレパートリーが多い」などのミニ情報が書かれていました。演じられるさい、こうした情報を手がかりにされましたか。
榎木:演じるさいに選択肢は広くもっておいたほうがいいかなと思っているので、そうした情報をそこまでは参考にはしていないです。アニメに描かれている情報を頼りに演じたほうがブレや齟齬(そご)がないといいますか。どちらがいい悪いではなく、原作とアニメで変わってくる部分はどうしてもでてくるでしょうから、仮にそこで「原作ではこうだったのにアニメではこうなんだ」と思うと、どうしても迷いがでてきてしまうかなと。それよりも、映像にでてくる表情などをきちんと拾っていくほうがいいんじゃないかと思っています。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
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――「生き様で後悔はしたくはない」という虎杖のセリフや祖父との会話は、彼の根っこにあるものが感じられて、序盤の原動力にもなっていると思います。そうした部分を、どのように捉えましたか。
榎木:そうですね……。虎杖のセリフは、夜蛾(正道)学長からの「呪術師に悔いのない死などない」という言葉をうけてのものですが、終わりよければすべてよしというか、最後を気持ちよく終わりたいっていうのが普通の人の基本的な考え方ですよね。そうではなく“生きているその過程”を大事にするという考え方は新鮮だなという思いがありました。
僕もどちらかというと「まあよかったな」みたいな感じで死ねたらなと思うタイプなので、死ぬときではなく「生き様で後悔はしたくはない」と言い切れる力強さはすごいなと思います。実際、死ぬときのことはみんな分かりませんから、だったら今を後悔しないように一生懸命生きていくほうが、ある意味、現実的な考え方でもありますよね。そうした彼の一瞬一瞬を後悔しないですごせるよう頑張る姿勢は、とてつもない強さだと思います。僕自身はどうしても先のことを考えてしまいがちですが、今を大事にっていう生き方ができたらなと。……なかなか彼の内面を言葉にするのは難しいんですけれど。
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