“3世代プリキュア”悠木碧＆成瀬瑛美＆引坂理絵インタビュー「プリキュアは一人じゃなれない」 (3)

田村ゆかり、沢城みゆき…ピンチを助けてくれた先輩たち

――みなさん、プリキュアからたくさんの力をもらって前進していることが伝わります。そんな中でも、「この時はピンチだった」というご経験はありますか？

(C)2020 映画プリキュアミラクルリープ製作委員会

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引坂　ＨＵＧプリを通してたくさんの経験をさせていただきましたが、プリキュアを演じることになっての第一歩は、玩具用の声の収録でした。あまりにも緊張して、頭が回らなくなってしまって。そのときに、一緒のチームの田村ゆかりさんが「大丈夫だよ」と言って後ろから抱きしめてくれたんです。まさにハグでスタートして……そのおかげで頑張れました。今こうやって思い出してみても、緊張はかなりありました。キュアエールのような女の子を演じたこともなかったですし、センターに立つことも、レギュラーで週1回の収録をすることも、すべてが初めてで。周りの方からパワーをもらって、成長させていただいたなと思っています。

(C)2020 映画プリキュアミラクルリープ製作委員会

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成瀬　私は普段、グループで活動をしているのですが、「プリキュア」のオーディションを受けると決めたときに、グループの仲間に「これから大きなオーディションを受けようと思っている。もしかしたら、スケジュールで迷惑をかけてしまうかもしれない」と相談したんです。「大丈夫かな……」と思っていたら、メンバーは「大丈夫だよ！　行っておいで！」とすごく応援してくれて。合格を伝えたときも、背中をバンバン叩いて「おめでとう！」と言いながら、一緒に号泣してくれたんです。グループのみんなは、運命的に出会ったプリキュアのような仲間。いつも支えられています。さらに私はプリキュアのチームにも入れていただいて、なんて幸せな人生なんだと……。これからは、もっともっと、周囲の方々に恩返ししていきたいです。

(C)2020 映画プリキュアミラクルリープ製作委員会

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悠木　声優さんって、たくさんの方が憧れてくれるような仕事だけれど、やっぱりしんどいこともあって。早い時間から収録があるときなど、「朝からハイテンションになるのは大変だ」と思うこともあったんですが、私が師匠と仰いでいる沢城みゆきさんが、あるときに「朝の10時から、私たちはヒーローだ」という話をされていて。「そうか、私たちは誰かを守っていて、誰かの希望や夢を守っているんだ」と気づかせてくれたんです。今でもそう思うと踏ん張れるし、ちょくちょく思い出す言葉です。

――改めて声優さんはステキな仕事だと感じるエピソードですね。

悠木　私にとって、天職だと思っています。自分自身「やりたい」「楽しい」と思えることを、世の中に認めてもらえるなんて、これ以上幸せなことはありません。「プリキュア」を見ているお子さんたちは、「中の人がいる」なんて思っていない子たちもいると思います。でも「おや？どうやら中の人がいるようだ」と気づいてきた場合には、声優という仕事は非常に楽しいので、ぜひ目指していただきたいです！

――みなさんは、プリキュアになるという特別な経験を共有しています。演じる上で大事にしていることとは、どんなことでしょうか。

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引坂　輝き続けることが大事だと思っています。プリキュアが輝くことで、見ている誰かの光になる。キュアエールをたくさん輝かせて、「それを届けたい」という気持ちで臨んでいました。

成瀬　私も輝きが大事だと思っています。そのためにキャラクターの“いいとこ探し”をたくさんしました。私が演じたひかるちゃんは、宇宙や星座が大好きで、その話になると周りがついて来られないほど、熱中してしまう。ひかるちゃんにとっての宇宙や星座のように、私は「プリキュアやアニメが好きだ」という気持ちを持っているので、そういった好きなことへの思いをたくさん込めたいと思っていました。

悠木　プリキュアは決して、一人でなれるものではありません。マイク前に立つまでには、選んでくれた方々、一緒にやってくれるキャストさんなど、ここまで連れてきてくれたたくさんの人たちがいます。こういった「周りの人の存在を大事にする」ということを使命に、これからも演じていきたいと思っています。

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