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ニュース 2021年4月17日(土)22:00

カルトアニメ「ファンタスティック・プラネット」 5月28日から初のDCP上映 湯浅政明&みうらじゅんが推薦

全世界でカルト的人気を誇るSFアニメーション

全世界でカルト的人気を誇るSFアニメーション

(C)1973 Les Films Armorial – Argos Films

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アニメーション作品として史上初めてカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、全世界でカルト的人気を誇るSFアニメーション「ファンタスティック・プラネット」が、5月28日より初のDCP上映を行うことが決定。あわせて、新ビジュアルと新予告編、アニメ監督の湯浅政明氏とイラストレーターのみうらじゅん氏から推薦コメントが公開された。

舞台は地球ではないどこかの惑星。真っ青な肌に赤い目をした巨人ドラーグ族と、彼らに虫けらのように虐げられる人類オム族が住んでいる。ある日、ドラーグ人の知事の娘ティバは、ドラーグ人の子どもたちにいじめられ母を亡くしたオム族の赤ん坊を拾い、テールと名付けペットとして飼うことになる。巨人ドラーグ族と人類オム族の種の存続をかけた決死の闘いを描く。

フレンチSFのパイオニアであるステファン・ウルの原作をもとに、ブラックユーモア溢れる幻想的な画風のアーティスト、ローラン・トポールが4年の歳月をかけて原画デッサンを描き、切り絵アニメーションの手法で鬼才ルネ・ラルーによって 1973年に映画化された。音楽はジャズピアニストとしても名高いアラン・ゴラゲールが手掛け、そのロックサウンドが映像に一層サイケデリックな印象を与えている。

あまりに独創的でファンタジックな世界観が、瞬く間に批評家・観客たちを魅了し、第26回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞。絶賛評はフランス国内だけに留まらず、イタリアのトリエステ SF国際映画祭では特別賞、アメリカのアトランタ映画祭ではアニメーション映画のグランプリ、テヘラン児童映画祭では大賞を受賞するなど世界中で高い評価を得た。日本でも1985年の劇場初公開以来カルト的な人気を誇り、2020年12月に東京・渋谷で行われた1週間限定上映でも満席回が続出。作品誕生からまもなく半世紀を迎える今なお新たなファンを獲得し続けている。今回のDCP上映で、トポール×ラルーが作り上げた世界観のクオリティの高さをスクリーンで確認できる。

なお、4月16日から30日まで渋谷HUMAXシネマ劇場窓口にて、フランス本国公認デザインのオリジナルTシャツ付き特別鑑賞券が6300円で販売されている。Tシャツは300着限定で上映期間中の受け渡しとなる。白と黒の2種、S~XLの4サイズ展開。当日券は一律1400円。上映期間中はオリジナルステッカー付ドリンクの販売も予定している。

5月28日から渋谷HUMAXシネマほか全国順次公開。

▼コメント全文

■みうらじゅん

その存在は当然、存じておりましたが、こんなに面白い作品だったとは!
今では実写とも引けを取らない数々のアニメ作品。いや、むしろアニメの方がよりリアルにその世界観が伝わるのかも知れません。
しかし、この‘73年制作の「ファンタスティック・プラネット」は、敢えて初期アニメの作り方を踏襲し、リアルよりも空想の凄さに重きが置かれています。
出てくるシュールなマシーンやクリーチャー。それにストーリー自体がブッ飛んでいますが、現代に於いては決して空想で片付けられない予言的メッセージも感じます。
百聞は一見に如かず。あなたも「ファンタスティック・プラネット」を、この機会に是非、一度体験されてみては如何でしょう。

■湯浅政明

ボスやシュルレアリスムにも通じる、並ぶもののない、シュールで独創的な世界。
そこで起こる対立・闘争・変化の渦へ我々は投げ込まれる。人間も家族も社会も出てくるが、物質、特徴、習慣、精神世界もこことは大きく違う。簡単な答えはない。
生き延びるには、ひたすら起こる出来事からそれを探り続けてゆくしかない。
それは我々にも必要な力、想像力だ。

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