2021年11月5日(金)22:00
「モスラ」4Kデジタルリマスター化作業で発見された“幻の序曲” 60年ぶりにスクリーンへ
樋口真嗣監督「現代の奇跡をお楽しみに!」
(C)1961 東宝
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名作映画を劇場で再上映する「午前十時の映画祭11」で、12月10日からスタートする「モスラ(1961)」(4Kデジタルリマスター版)の上映前に、モスラの「序曲」(1分6秒)が流れることがわかった。同曲は、1961年の公開当時にわずか11劇場でのみ流れていたもので、4Kデジタルリマスター化作業の際に発見されたという。
本作は、「ゴジラ」「ラドン」「宇宙大戦争」などを手がけた東宝特殊技術陣が、構想3年、撮影日数200日間、総製作費2億円(当時)をかけて製作した空想科学スペクタクル巨編。日本映画では史上初となる全世界同時公開がされた作品としても、邦画史に名を刻んでいる。その後、モスラは「モスラ対ゴジラ」(1964)をはじめ、数々のゴジラ映画を中心に、アニメからハリウッド版ゴジラ「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019)までの15作品に登場。日本の特撮映画において、ゴジラと並ぶ代表的なキャラクターとなった。
そして初公開から60年ぶりに、4Kデジタルリマスター版としては初めてスクリーンで上映される「モスラ」。あわせて、当時は4チャンネル多元磁気立体音響版(ステレオ版)の上映劇場だった11劇場でのみ流れていた、モスラの「序曲」も復活を遂げることに。これまでサウンドトラックには収録されていたが、DVDやBlu-rayなどパッケージには収録されていなかった。今回の4Kデジタルリマスター作業は、そのステレオ版をデジタルリマスターしたものとなるため、当時の製作者たちの意図を尊重し、本編前での「序曲」の編成が実現。特撮、アニメ、実写と幅広く活躍する樋口真嗣監督は、以下の通り喜びを語った。
樋口監督「奇跡は昔のことでしょうか。神秘は言葉だけのものでしょうか。イイエ、奇跡はいまでもあります。神秘も夢ではありません。現代の奇跡、現代の神秘。東京は調布の東京現像所で発見しました驚くべきバージョンを紹介しましょう! 1961年の公開当時、本編巻頭に付けられていた大作映画のシンボル、序曲~Overture~! あの時代の大作には必ずついていた『序曲』! 『アラビアのロレンス』『マイ・フェア・レディ』『ベン・ハー』『サウンド・オブ・ミュージック』、これから始まる映画の期待を高めるのに欠かせなかった儀式。公開当時にしか付いていなかったのだから私は一度も見たことのないロストフッテージが六十余年ぶりの復活です! 破格の予算がかけられ、米国コロンビア映画で配給も決まっていた超大作としてどのくらい期待されていたのか、が古関裕而さんの名曲と共に体験できます。現代の奇跡をお楽しみに!」
南海の孤島インファント島で発見されたふたりの小美人(「ザ・ピーナッツ」)は、ロリシカ国の悪徳ブローカー一味に拉致され、日本で見世物にされてしまう。新聞記者の福田(フランキー堺)、カメラマンの花村(香川京子)、言語学者の中条(小泉博)は、ふたりを島に帰すようよう世論に訴えるが、その間に小美人たちの危機を知った島の守護神モスラが海を渡り、日本に上陸。都内を破壊し尽したモスラの幼虫は、東京タワーに巨大な繭をつくる。
なお、「モスラ」4K化の作業に密着したドキュメンタリー「『モスラ』4K復活プロジェクト」は、11月3日正午からYouTube LIVEで無料配信される「ゴジラ・フェス2021」内でも紹介される。同4日の正午から10日の午後11時59分までは、アーカイブ視聴も可能だ。
「モスラ(1961)」(4Kデジタルリマスター版)は、「午前十時の映画祭11」で、「グループA」の劇場では12月10日~23日、「グループB」の劇場では12月24日~22年1月6日に上映。上映劇場やスケジュールなどの詳細は、公式サイト()で確認できる。
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