「鬼滅の刃」炭治郎の魅力にせまる――素直さや共感力で道を切り開く、新たな主人公像とは【名場面振り返り】

名場面とともに、炭治郎の魅力を掘り下げる

(C)吾峠呼世晴／集英社・アニプレックス・ufotable

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アニメ「鬼滅の刃」の新シリーズ「刀鍛冶の里編」が放送を開始した。本記事では、4月23日の第3話の放送を前に、主人公・竈門炭治郎のこれまでの名場面を紹介する。

自分よりも他人を優先し、時には敵の心にすらも寄り添うほどの途方もない優しさ。そして、どんな時も諦めない精神力。戦闘力とは異なる意味の“強さ”を持ち、数々の困難を切り開いてきた素直さや共感力――新たな主人公像ともいうべき炭治郎の魅力を掘り下げていく。

■概要

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コミックス累計発行部数1億5000万部を突破している、吾峠呼世晴氏の漫画が原作。2019年4月にテレビアニメ第1期「鬼滅の刃　竈門炭治郎 立志編」がスタートし、20年10月に「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が公開、21～22年にかけてテレビアニメ「無限列車編」「遊郭編」が放送・配信された。さらに、「遊郭編」の第10、11話と「刀鍛冶の里編」第1話で構成された「ワールドツアー上映『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」では、シリーズの新たな挑戦として日本上映のみならず95の国と地域でも上映。各国で舞台挨拶も実施された。

■名場面で振り返る炭治郎の魅力（1）どんな相手にも言いたいことを言えるまっすぐさ

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「竈門炭治郎 立志編」では、お館様の命により、鬼となった妹・禰豆子が鬼殺隊最高位の剣士である“柱”が集う柱合会議前の裁判に連れ出されてしまう。柱たちが「鬼なら例外なく殺すべき」と迫るなか、炭治郎は禰豆子を傷つけた風柱・不死川実弥に対し「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら柱なんてやめてしまえ！」と主張。妹を守るため、相手が柱であっても臆することなく自らの意見を伝え、さらには鬼殺隊の長であるお館様に自分と禰豆子が鬼舞辻無惨を必ず倒すとも宣言した。

誰が相手であろうとも、物おじせずに言いたいことを言う。炭治郎のまっすぐな人柄が伝わる場面だ。

※禰豆子の「禰」は「ネ＋爾」が正式表記。

■名場面で振り返る炭治郎の魅力（2）敵にすら見せる大きな優しさ

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炭治郎といえば、家族や仲間たちの前でのぞかせる、まっすぐな優しさや素直さが印象的だが、その優しさが敵である鬼に対して向けられることもある。

それが色濃く描かれたのが、「遊郭編」での上弦の陸・堕姫と妓夫太郎との戦いだ。鬼の兄妹・堕姫と妓夫太郎に苦戦を強いられるも、善逸、伊之助、宇髄らの全身全霊の攻撃によって兄妹の頚（くび）を同時に落とすことに成功。「負けたのはお前のせいだ」とののしり合う堕姫と妓夫太郎を見つけた炭治郎は、2人に「本当はそんなこと思ってないよ」「仲良くしよう。この世でたった2人の兄妹なんだから」と言葉をかける。

直前まで死闘を繰り広げた憎い鬼であるはずなのに、相手の心に寄り添い共感する炭治郎。彼の途方もない優しさが、見る者の胸を打った場面だ。

■名場面で振り返る炭治郎の魅力（3）諦めないで信じぬく強さ

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「刀鍛冶の里編」からも、炭治郎の印象的な言葉をピックアップ。第2話では、霞柱・時透無一郎と里の少年・小鉄が、戦闘用絡繰人形・縁壱零式の鍵をめぐって言い争っている場面に炭治郎が遭遇する。縁壱零式を訓練に使いたい無一郎は鍵を持ち出すが、縁壱零式は既に壊れかけの状態だった。小鉄は、縁壱零式が壊れてしまったら自分では修理できないと嘆いていた。

そんな小鉄に対し、炭治郎は「自分にはできなくても必ず他の誰かが引き継いでくれる。次につなぐための努力をしなきゃならない。君にできなくても君の子どもや孫ならできるかもしれないだろう」と励ましの言葉をかける。さらに、もし自分が鬼舞辻無惨を倒せなくても「必ず誰かがやりとげてくれる」「俺たちがつないだ命が、いつか必ず鬼舞辻を倒してくれるはずだ」とまっすぐに語り、その姿からは決して諦めない、信じる抜く強さがうかがえる。

自分のためではなく、家族のために鬼と戦い、仲間たちにも寄り添い、励ましながら、逆境を乗り越えてきた炭治郎。放送中の「刀鍛冶の里編」では、そんな“心優しき主人公”の新たな戦いと活躍を見届けてほしい。

「鬼滅の刃　刀鍛冶の里編」は全国フジテレビ系列で毎週日曜の午後11時15分放送。4月23日放送の第3話のあらすじは以下の通り。

【第3話「三百年以上前の刀」あらすじ】

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縁壱零式との訓練を開始した炭治郎は、小鉄の容赦ない指導と極限状態での鍛錬を経て、匂いによって相手が次に狙う場所が分かるという、新たな能力を会得する。訓練の最中、炭治郎の放った一撃によって縁壱零式は壊れてしまうが、その中から300年以上前の刀が現れる。