2023年10月12日(木)12:00
「アリスとテレスのまぼろし工場」岡田麿里監督の故郷・秩父で特別上映会 舞台のモチーフなど制作秘話が明らかに
(C)新見伏製鐵保存会
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公開中の劇場アニメ「アリスとテレスのまぼろし工場」の特別上映会が10月7日、埼玉県・秩父市のユナイテッド・シネマ ウニクス秩父で開催され、故郷への凱旋となる岡田麿里監督に加え、副監督の平松禎史、キャラクターデザインの石井百合子、美術監督の東地和生が登壇。制作の舞台裏を語った。
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同作は「呪術廻戦」「チェンソーマン」のスタジオMAPPAが制作、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」の脚本などで知られる岡田が原作・監督・脚本を務めたオリジナルアニメ。製鉄所の爆発事故により出口を失い、時までも止まった町で鬱屈した日々を過ごす中学3年生の菊入正宗(CV:榎木淳弥)は、ある日謎めいた同級生の佐上睦実(上田麗奈)とともに製鉄所へと足を踏み入れる。そこで政宗は、野生の狼のような少女・五実(久野美咲)と出会い、やがて少年少女の“恋する衝動”が世界の均衡を崩し始める。
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舞台挨拶では、作中のお祭りシーンで聞こえる屋台囃子が「秩父音頭」のアレンジではないかと問われた岡田監督が首を縦に振り、「秩父音頭」のペースの速さがカーチェイスに合うと判断したことを明かした。また、物語の舞台である街のモデルを聞かれると、東地が「モチーフにしたところは、日本全国そこらじゅうにあります」と回答。具体的には、炭鉱の島である長崎・池島や、製鉄の街として知られた岩手・釜石市などのイメージが盛り込まれたという。
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キャラクターデザインは、岡田監督と石井が密なディスカッションを交わすなかで生まれていった。やり取りのなかで「危うい綺麗さがあるものがいいよね」と話したり、原宿の人形店を2人で訪れたりしてインスピレーションを受けることもあったという。睦実や五実以外は原作となった小説を読んだ石井のイメージから生まれ出てきたが、それ以外のキャラクターについては実在する人物の映画や写真などを参考にしており、同作の“生っぽさ”はそこに起因しているのではないかと石井自身が分析した。
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また、平松副監督が全エピソードを絵コンテにした段階では、上映時間が2時間20分を超えていたことが明らかに。そこから約1時間50分にまとめるにあたってこぼれ落ちたエピソードもあり、完成したフィルムからも、その“残り香”を感じ取ることかできるのだとか。「自分たちでもわからないくらいの熱量」が込められた仕事だったとのことで、「大事なものを伝えることができているのではないか、岡田さんがやりたかったことは全部できているのではないか」と作品の仕上がりに胸を張った。
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イベントの開催に合わせて、6週連続入場者プレゼント企画の第6弾として、第5弾の“仕掛けビジュアルカード”のイラスト(完全版)がフルカラーになってプリントされた“繋がる私たちの未来〈みんな〉クリアファイル”が配布されることも発表された。イラストは石井と東地による描き下ろし。石井は「シナリオのラストに、みんなを描いた絵があるスケッチブックというト書きがあったり、コンテのなかに、五実が列車の先頭で手を振っている絵があったりしたので、自分が一番見たい、みんなが一緒にいて一番いい笑顔を描きたいということで、ぜひにと(このイラストを)描かせていただきました」と制作の経緯を語っている。
作品情報
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突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町で暮らす中学三年生の正宗。いつか元に戻れるように、住人たちは変化を禁じられ鬱屈した日々を過ごす中、謎めいた同級生の睦実...
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