2024年1月26日(金)21:00
【第96回アカデミー賞】「君たちはどう生きるか」長編アニメーション賞にノミネート
米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは1月23日(現地時間)、第96回アカデミー賞のノミネート作品を発表した。北米でのオスカー前哨戦で健闘してきた宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」は、長編アニメーション賞にノミネートされた。
日本アニメが長編アニメーション賞にノミネートされるのは、第91回(2019)の細田守監督作「未来のミライ」以来。受賞すれば、第75回(03)の「千と千尋の神隠し」以来2度目の快挙となる。また宮崎監督作品としては、「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「風立ちぬ」に続く4度目のノミネートとなった。
ノミネートを受け、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「『千と千尋の神隠し』に引き続き2度目のオスカーがもらえたら、本当に嬉しいです。3月の発表を心待ちにします」と、喜びのコメントを寄せた。
(C)2023 Studio Ghibli
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本作の軌跡をたどっていくと、日本映画およびアニメ映画として初めて、第48回トロント国際映画祭のオープニング作品に選出された。さらに、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、ボストンなどの映画批評家協会で最優秀アニメーション映画賞を受賞。第81回ゴールデングローブ賞でも作品賞(アニメーション)を獲得しており、同部門での日本作品の受賞は初となった。
本作は、宮崎監督の記憶に残るかつての日本を舞台に、自らの少年時代を重ねた、自伝的要素を含むファンタジー。母を火事で失った少年・眞人(まひと)は父の勝一とともに東京を離れ、「青鷺屋敷」と呼ばれる広大なお屋敷に引っ越してくる。亡き母の妹であり、新たな母となった夏子に対して複雑な感情を抱き、転校先の学校でも孤立した日々を送る眞人。そんな彼の前にある日、鳥と人間の姿を行き来する不思議な青サギが現れる。その青サギに導かれ、眞人は生と死が渾然一体となった世界に迷い込んでいく。
日本では、宮崎監督の前作「風立ちぬ」から10年ぶり、引退宣言撤回後の初長編として関心を集めた。しかし、タイトルとポスター1枚が発表された以外、映画の内容やキャスト・スタッフの情報なども明らかにされず、一切のプロモーションが行われないまま劇場公開を迎えるという異例の展開で話題を呼んだ。国内の累計興行収入は88億1000万円(上映中/1月21日時点)を記録。「The Boy and the Heron(少年とサギ)」のタイトルで、12月8日に北米公開されると、週末興行ランキングで1位に輝き、スタジオジブリ作品最大のヒットスタートになった。
第96回アカデミー賞の授賞式は、3月10日(日本時間11日)に開催される。長編アニメーション賞のノミネート作品は、以下の通り。
▽長編アニメーション賞
「君たちはどう生きるか」
「マイ・エレメント」
「ニモーナ」
「ロボット・ドリームズ」
「スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース」
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