2025年3月7日(金)19:00
【「殿と犬」インタビュー】相葉雅紀、声優挑戦の背中を押した“3人の殿”の存在
放送中のテレビアニメ「殿と犬」のメインキャラクター・殿を演じるキャスト4人のインタビュー、第3弾は相葉雅紀が登場!
漫画原作のテレビアニメに声優としてレギュラー出演するのは初となった相葉。殿役の他のキャストは、大塚明夫、杉田智和、武内駿輔という実力派の声優が名を連ねているが、声のプロフェッショナルたちと同じ役を演じることにプレッシャーはなかったのだろうか? その問いに対する相葉の答えは、「名だたる声優さんたちの中で、同じ役に挑戦させてもらえるという機会は滅多にない」という声優業への挑戦心だった。
さらに、アフレコは「120パーセント出し切って終わろう」という思いで挑んだとも明かし、作品と声優業への真摯な姿勢が伝わってきた。真剣な表情で語る一方で、作中の犬の話題では「かわいい」と笑みをこぼし、動物好きな一面ものぞかせてくれた。(取材・文/編集部)
■出演時の思いは「4人で演じるのなら、ぜひ挑戦させていただきたい」

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――ゲスト声優などで過去に声優出演はされていますが、漫画原作のテレビアニメのメインキャストは初めてだったかと思います。それに加えて、殿役のキャストは4人。さらに相葉さん以外のキャスト3人は本業の声優だと知った時は、プレッシャーはありましたか?
もちろん、プレッシャーもありましたが、同時に「4人で演じるのなら、ぜひ挑戦させていただきたい」とも思いました。まず、殿を4人で演じるというコンセプトが魅力的でしたし、名だたる声優さんたちの中で、同じ役に挑戦させてもらえるという機会は滅多にない。この挑戦は厳しさもあるだろうけど、きっと自分にとってすごく貴重な経験になるだろう、そんな思いで「僕でよければ、ぜひ」とお引き受けしました。
――お話をうかがっていて、本業声優と同じ役を演じることをプレッシャーで終わらせるのではなく「挑戦」ととらえるという、ポジティブな姿勢が素敵だと思いました。本業声優の皆さんには、直接会う機会はありましたか?
大塚さんとは何度もお会いさせてもらってますね(笑)。ついこの間も朗読劇でご一緒して、一緒にごはんにも行きました。残念ながら、大塚さんしかお会いできていないのですが。
――大塚さんとは、本作について何かお話されましたか。
聞いたらよかったなと思ったのですが、聞きそびれてしまいました。「どういう風に殿と向き合っていったらいいですか」とか伺ったら、絶対アドバイスをいただけるとは思ったのですが……もう、恐れ多くて(笑)
■「この尺には絶対に入らない」実写との違いを感じながらも120%で挑んだアフレコ

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――「殿と犬」のアフレコを終えて、声優という仕事の楽しさや難しさを感じる瞬間はありましたか?
まだ楽しめるほどの余裕はないので、楽しさは語れませんが、難しさで言うと、テンポの速さに対するセリフの量や、1コマごとに殿の感情が変わっていたりする点ですね。「もしも実写で演じるなら、この尺には絶対に入らないよな」というセリフ量。そのなかで、殿の感情も作っていかないといけないので「この尺の中で、この感情の起伏を表現しないといけないんだ」と。そういったところが大変でした。だからこそ、これをずっとやられている声優さんたちの技術の高さを痛感しました。尊敬ですね。
――杉田さんにお話をうかがった際も、短い尺のなかにセリフを収めるのが大変だとおっしゃっていました。
そうなんですか!? プロフェッショナルの方でも大変なら、僕が大変なのは当然ですね(笑)。でも、自分が今持ってるものを120パーセントは出し切って終わろうと毎回取り組んでいます。
■殿と犬の関係は「犬の方が上にいるかも(笑)」 犬のかわいいところも紹介

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――殿と犬の関係をどのようにとらえていますか?
殿は犬のことを家臣と言っていますが、実際は対等な関係なのかもしれません(笑)。もしくは犬の方が上にいるかも(笑)。いつも犬に振り回されてる感じがありますし。
――犬は順位付けをするともいいますしね(笑)
してると思います(笑)。でも、なんだかんだ(殿は犬に)愛情があるからこそなのか、殿が犬に振り回されている姿はかわいく描かれてるなと感じます。

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――本作の犬の印象はどうですか?
ちょっとずる賢いところがかわいいなと思います。全てわかってて、殿を転がしてる感じがするというか。「この角度かわいいでしょ?」ってわかってるような気がするというか。そこも含めてかわいいんですけどね。
――作中で特にかわいいと感じたシーンや仕草はありましたか?
犬の毛をかき分けると下の方が黒いので、毛をほじくって眉毛を作るシーンはかわいかったですね。「あ、確かにコーギーは中の毛が黒いよな」と思い出しました。あとは、(犬をなでて)ほわほわしちゃう時とか、犬が変な形で寝てる姿とか、毎シーンかわいいいなと思いながら演じていました。

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――「犬あるある」も盛りだくさんな作品ですが、印象にのこった「犬あるある」はありましたか。
とにかく外に出たい。雨が降っていようが、びしゃびしゃに濡れようが外に出たい。これはあるあるだなと思いました。毎日の習慣のように、お散歩の時間がきっちり決まっていたりすると、ワンちゃんの方から「時間だよ」とリードを持ってきたりしますよね。そういうワンちゃんもいますし、ワンちゃんは散歩好き、外好きな子が多いですよね。なかには散歩嫌いなワンちゃんもいますが。引きずられても、お散歩を拒否する子とか(笑)

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
■後半のお気に入りエピソードは「殿と泥棒」 モデル犬との“対面”は「抱っこしたかった」
――改めて、後半の見どころや好きなエピソードをお聞かせいただけますでしょうか。
基本的には1話完結ですが、後半になるにつれて長編のエピソードも出てきます。「癒やされる」ところから始まって、そのなかにさまざまなエンタメ要素がどんどん入ってくるので、長編はより見応えが出てきます。かと思えば、短い尺を3本くらいのショートショートでつないでいく回もあって。バラエティに富んでいてすごく楽しいので、ぜひ見ていただきたいです。

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――長編エピソードは「殿と泥棒」の回ですか?
あ、そうです! あの回は見応えがありますよね。「泥棒被害にあう」ってネガティブな話ですが、全然ネガティブに感じさせない、その事件すらも巻き込んでかわいくする空気感というか、そういった世界観が「殿と泥棒」の回にはありました。

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――犬は最後にご褒美をもらいましたしね。
小屋をね(笑)。かわいかったですね。

(C)西田理英・COMICポラリス/殿と犬製作委員会
――ちなみに、アフレコには原作者の西田理英さんがリモートで同席されたそうですが、相葉さんは作品のモデルになったワンちゃんに会えましたか?
※「殿と犬」に登場する犬は、原作者・西田理英氏が実際に飼っている犬がモデルになっている。
先ほど先生にご挨拶した時に、先生がワンちゃんを抱っこしていました。けっこう大きくて、僕も抱っこしたかったですね。いつか実際に抱っこできたらいいなと思います。
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