「オッドタクシー」の木下麦、此元和津也が手がける「ホウセンカ」今秋公開　主演声優に小林薫＆戸塚純貴

(C)此元和津也／ホウセンカ製作委員会

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オリジナル劇場アニメ「ホウセンカ」が今秋に公開されることが決定した。主人公の声を俳優の小林薫と戸塚純貴が担当する。特報映像と2種のティザービジュアルが公開されている。

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同作は、独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人が、人の言葉を操るホウセンカとの会話のなかで自身の過去を振り返りながら語られる「ある男の愛の物語」。「オッドタクシー」を手がけた木下麦（監督・キャラクターデザイン）と此元和津也（原作・脚本）のコンビが、「映画大好きポンポさん」「夏へのトンネル、さよならの出口」を制作したCLAPとタッグを組む。

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主人公のヤクザ・阿久津実（あくつ・みのる）の現在を、「君たちはどう生きるか？」「もののけ姫」などのジブリ作品でも声優を務めた経験のある小林が担当。過去の阿久津役を担当する戸塚は、今回が声優初挑戦となる。また、阿久津のパートナーである永田那奈（ながた・なな）役には宮崎美子と満島ひかりが配役された。言葉を話す謎のホウセンカ役はピエール瀧が担当する。

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特報映像では死に瀕した老人が、「大逆転」を期した過去を振り返る姿をボイス付きで収録。2種のティザービジュアルには夜の獄中と、昼の青空の下、それぞれ異なる時間と場所で過ごすホウセンカが描かれている。同ビジュアルは、アートディレクションをデザイナーの大島依提亜が担当し、イラストを新進のイラストレーター・kigimuraが手がけている。

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また、同作が「アヌシー国際アニメーション映画祭 2025」の長編コンペティション部門に出品されることも明らかになった。前年の「アヌシー国際アニメーション映画祭 2024」では、監督が自作を紹介する「Work in Progress」に選出され、木下監督とCLAPの代表取締役である松尾亮一郎、コンセプトアートを担当するミチノク峠の3人が登壇し、同作の展望を語っていた。

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キャスト陣、スタッフからのコメント全文は以下の通り。

【小林薫（阿久津実役）】
阿久津役は、ピエールくんと2人のみでの収録でした。終えて家に帰っても切替えられず、頭の中もボーとしてえらく疲れていたのを覚えています。 翌日の収録でピエールくんにそのことを話すと、彼は収録地の赤坂から渋谷までなんと歩いて帰ったそうです。
彼なりのクールダウンだったと思います 。そんな充実感と疲労、感動の入り混じった収録でありました。

【戸塚純貴（阿久津実役）】
幸せだったと心から言える自分の人生であってほしいと思わせてくれる「ホウセンカ」。
人間臭い阿久津実がとても愛おしくて、アニメーションによって彩られる彼の世界には最後のシーンまで感動しきりでした。
深いことは考えず、目の前にいる不器用でまっすぐで人情深い阿久津に身を委ねました。小林薫さんの声色や感情の機微から若かかりし阿久津を想像して、ていねいに言葉を伝えてくれる満島ひかりさんとは本当に心を通わせた気持ちになりながら収録させていただきました。
声優に不慣れな自分は完成を見るのが少し不安でしたが、それを忘れさせてくれる感動がありました。
皆様に早く届いてほしい、ぜひ観ていただきたい映画です。

【宮崎美子（永田那奈役）】
異世界に転生でもしないかぎり人は今ここで自分にできることに命をかけるしかないから、こんなふうに愛されたら、精⼀杯生きていこうという気持ちになる。信じる、託す、前を向く。できることは少なくても、人は皆そうやって命をつないで来たのだから。

【満島ひかり（永田那奈役）】
胸がきゅっとなる作品でした。
ちょっと渋くて、チャーミングなお話をみて「愛した記憶があるから私は寂しくないの」と言ったある先輩のすてきな言葉を思い出しました。
物語の主人公・阿久津さんの静かで不器用なもの語りも派手ではないけど、とってもすてきでした。
同じく不器用で魅力的な、那奈を演じられてうれしかった。

【ピエール瀧（ホウセンカ役）】
そこにいるのか。
本当はいないのか。
喋るホウセンカという不思議なキャラクターの声を担当させていただきました。
小林薫さんと 2 人きりのアフレコという贅沢な時間を体験させていただいたことに感謝です。

【木下麦（監督・キャラクターデザイン）】
空の青さの美しさとは、日を浴びた葉の色の美しさとは、人を想う意義とは。美と儚さと幸せの価値観とそれが人に与える影響を改めて見つめなおし、揺れ動く生活のなかで生きる生き物の底力を、原点に立ち帰る気持ちで表現しました。
たくさんの人に観ていただきたいです。

【此元和津也（原作・脚本）】
報われない人生にも、祈る自由はある。それが届くかどうかはわからないけれど、それでも信じてみたくなった。
「ホウセンカ」は、帰る場所をなくした男と恋人の空白へ、その花が静かに割って入り、止まった言葉を芽吹かせる物語です。
この花が咲くまでには、幾つもの沈黙と、たったひとつの祈りがありました。長い沈黙と祈りの先で灯る小さな確信が、あなたの胸にもそっと種を落とすことを願います。