2025年6月21日(土)22:00
ヤン・シュバンクマイエル“最後の長編劇映画”「蟲」8月9日公開 ドキュメンタリー「錬金炉アタノール」「クンストカメラ」同時公開

Q-TA氏によるポスタービジュアル
(C)Athanor Ltd.
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チェコのアニメーション&映画作家ヤン・シュバンクマイエルが、「最後の長編劇映画」と宣言し、2018年に完成させた「蟲(むし)」の日本公開が8月9日に決定、予告編とQ-TA氏によるポスタービジュアルが披露された。あわせて、ヤン・ダン&アダム・オルハ監督によるシュバンクマイエルのドキュメンタリー「錬金炉アタノール」、驚愕の記録映画「クンストカメラ」も同時公開される。
1988年の「アリス」以来、「ファウスト」「悦楽共犯者」「オテサーネク」「ルナシー」「サヴァイヴィング ライフ」と、これまで6本の長編を発表してきたチェコのシュルレアリストにして、アニメーション&映画作家のシュバンクマイエル(現在90歳)の最新3作品の日本公開となる。
「最後の長編劇映画」と宣言して完成させた「蟲」(2018)は、チェコの国民的作家であるチャペック兄弟の有名な戯曲「虫の生活」に取り組む、小さな町のアマチュア劇団の物語だ。とある稽古日のこと、コオロギ役を兼任する演出家は、メンバーたちのやる気の無さに、怒りが収まらない。不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れる……。

「蟲」
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演劇の中の物語、それを演じる役者たちの素の姿、さらに「蟲」のメイキングも同時進行で提示されるという斬新な3層のメタ構造で、シュバンクマイエルならではのアニメーション技法も存分に味わえる。製作時には資金を補うためのクラウドファンディングが行われ、シュバンクマイエルを師と仰ぐクエイ兄弟やギレルモ・デル・トロも大々的に協力、日本のファンも含め世界中から多くの出資が得られて完成した、シュバンクマイエルの、シュルレアリストとしてのアプローチが極まった集大成的な一作だ。

「クンストカメラ」
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ヤン・ダン&アダム・オルハ監督による「錬金炉アタノール」(20)は、創作上のパートナーでもあった亡き妻エヴァ・シュバンクマイエロヴァーの想い出、長年、製作を支えてきたプロデューサー、ヤロミール・カリスタとの愛憎入り交じる関係、怪しげな呪物や作品の制作風景、そして日常生活をおくる姿など、シュバンクマイエルのあらゆる側面が赤裸々に映し出される。過去作品の抜粋や記録映像もインサートされ、彼の全貌を把握する「入門編」とも言える1作だ。

「錬金炉アタノール」
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「驚異の部屋」「博物陳列室」を意味する「クンストカメラ」(22)で映し出されるのは、チェコの南西部ホルニー・スタニコフにあるお城と旧穀物庫にあるシュバンクマイエル自身の「クンストカメラ」。世界中から集めたコレクション、自身や妻の作ったオブジェなど、一般の価値基準とは無縁の不思議なコレクションが映し出される。
「蟲」「錬金炉アタノール」「クストカメラ」は、8月9日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。特典付き前売り券2種がシアター・イメージフォーラムで好評発売中。チェコ版ビジュアルのポストカード付き 1 回券 1,600 円(税込)と、チェコ版ビジュアルのミニポスター付き3回券3900円(税込)の2種類。また、シアター・イメージフォーラムでは、最新3作品に加えて「アリス」「ファウスト」「オテサーネク」「サヴァイヴィング ライフ」も上映予定。

前売り特典のチェコ版ビジュアル
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