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ニュース 2025年8月5日(火)22:00

「サウスパーク」クリエイター、史上最高額の配信契約 5年で2205億円

「サウスパーク」

「サウスパーク」

写真:Album/アフロ

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米長寿アニメ「サウスパーク」の制作者トレイ・パーカーとマット・ストーンが、パラマウントとの間で5年間総額15億ドル(約2205億円)に上るストリーミング配信権契約を締結したことが明らかになったと、米ロサンゼルス・タイムズが報じている。

この契約は年間3億ドル(約441億円)という規模で、テレビ業界史上最も高額な契約のひとつとなる。この巨額投資は、ストリーミング戦争の激化を象徴する出来事と言える。

「サウスパーク」は、1997年の放送開始以来27年間続く長寿アニメーション作品である。コロラド州の架空の町を舞台に、4人の小学生が巻き起こす騒動を描きながら、過激な社会風刺とブラックユーモアで知られている。パーカーとストーンは、脚本から声優、音楽まで制作全般を手がけ、時事問題を鋭く切り込む姿勢で熱狂的なファンを獲得してきた。

今回の契約により、「サウスパーク」は初めて米国でParamount+の独占配信となる。パーク・カウンティ・プロダクションは年間10エピソードの制作を約束しており、2007年からの収益分配取り決めにより、パラマウントは最終的にライセンス料の約半分を回収できる見込みだ。

交渉は複雑な経緯を辿った。パラマウントは19年にライバルのHBO Maxに「サウスパーク」をライセンス供与していたが、この契約が6月末に期限切れとなった。パラマウントは今春、HBO Maxの親会社ワーナー・ブラザース・ディスカバリーとの共同ライセンスを提案したが、週末から月曜日にかけて交渉が決裂。結果的にパラマウントが単独で権利を確保することになった。

交渉が緊迫した背景には、パラマウントのスカイダンス・メディアへの売却準備が進んでいることがある。第27シーズンがComedy Centralで開始予定、サンディエゴのコミコンでストーンとパーカーが登壇を控えており、両社は公的な場での混乱を避けたい思惑があった。

パーカーとストーンは92年にコロラド大学で出会い、97年にコメディ・セントラルで「サウスパーク」をスタートさせた。同作品は数々の賞を受賞し、ブロードウェイミュージカル「ザ・ブック・オブ・モルモン」も手がけるなど、エンタテインメント界における影響力を拡大してきた。

この巨額契約は、ストリーミング各社によるコンテンツ争奪戦の激化を如実に示している。独占配信権の価値が急騰する中、「サウスパーク」のような確立されたブランドへの投資が、各プラットフォームの差別化戦略として重要性を増していることが浮き彫りになった。

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